定番クラッシック特集[日本クラシックソムリエ協会 監修 まずは聴いておきたいクラシック SELECTION]

バロック

Ton Koopman

ヴィヴァルディ:「四季」より「春」 第1楽章

春の訪れを喜ぶ小鳥のさえずり、小川のせせらぎ、そしてときに雲が空を覆う春の嵐を表現。聴いているとパステルカラーの春の情景が目の前に浮かんでくるよう! 軽やかなヴァイオリン協奏曲。

Johann Pachelbel

パッヘルベル:カノン

優しい旋律が心に安らぎを与える。合唱曲『遠い日の歌』や、山下達郎『クリスマスイブ』の間奏で使われるメロディとしてもおなじみ。チェロが繰り返すテーマを、ヴァイオリンによる3つの声部が追いかける。

Johann Sebastian Bach

バッハ:管弦楽組曲第3番よりアリア (G線上のアリア)

ヴァイオリンの4本の弦のうちG線のみを使って演奏できる編曲があることから「G線上のアリア」という通称で呼ばれている。伸びやかでゆったりとしたメロディが心を静める、癒し度ナンバーワンの音楽。

Alexander Kniazev

バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番よりプレリュード

チェロがたった1本で、壮大なスケールの世界を描く。まるで語りかけるように、時に穏やかに、時に熱っぽく音楽が移り変わる。シンプルな中にバッハの深い精神性が詰まった、必聴の作品。

GLENN GOULD

バッハ:ゴルトベルク変奏曲 アリア

不眠症に悩む伯爵からの、眠れぬ時間の退屈をしのぐ音楽を!という注文で作られたと言われている。緻密な音楽が、忙しい毎日でざわついた心も穏やかに整えてくれるだろう。華やぎと静けさを併せ持つ長大な変奏曲。

Nikolaus Harnoncourt

ヘンデル:オラトリオ「メサイア」より「ハレルヤ」

「ハレルヤ(主を讃えよ)!」と繰り返されるパートがおなじみの、祝福ムードあふれる華やぎ満点の作品。キリストの生涯を歌うオラトリオ『メサイア』の第2部終曲、復活後のシーンで神の栄光を賛美する合唱曲。

Magdalena Kozena, Venice Baroque Orchestra, Andrea Marcon

ヘンデル:歌劇「リナルド」より「私を泣かせてください」

捕われた十字軍の騎士の恋人が、敵の王から求愛され、貞節を守りつつ悲痛な想いを歌う曲。NHK連続テレビ小説『ちゅらさん』や、ドロドロの昼ドラで注目された『牡丹と薔薇』使用曲としても知られている。

古典派

Nikolaus Harnoncourt

ハイドン:交響曲第94番 「驚愕」より第2楽章

軽やかで優雅なおなじみの主題で第2楽章が始まり、少し経つと突然オーケストラが驚くほどの大音量で「ジャンッ」と鳴らすことが通称の由来。別名「びっくりシンフォニー」。ハイドンのユーモア満点の楽しい作品。

クイケン四重奏団

ハイドン:弦楽四重奏曲第77番「皇帝」より第2楽章

ヴァイオリンのやわらかいメロディ、品位と自信にあふれる爽やかな弦楽四重奏の音楽が、理想的な皇帝のイメージにぴったり。第2楽章で用いられる皇帝賛歌のメロディは、現在のドイツ国家にも使用されている。

orpheus chamber orchestra

モーツァルト:「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 第1楽章

名称は「小さな夜の曲」の意味で、モーツァルト自身がつけた。夜の音楽にしてはとても軽快。冒頭のメロディはいろいろなアレンジや替え歌で親しまれ、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう。

Wiener Philharmoniker / Riccardo Muti

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

浮気者の伯爵と、彼を懲らしめようと奔走する人々が繰り広げるユーモラスなオペラ「フィガロの結婚」。ドタバタのストーリーを暗示する、愉快で弾むようなこの序曲には、作曲家のひょうきんな人柄も見え隠れ。

Sir Simon Rattle / Wiener Philharmoniker

ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 第1楽章

運命のモティーフがあまりにも有名。TVやアニメでは絶望的シーンによく使われ、聴くと少々深刻な気分になるかもしれない。が、全曲通して聴くと救いのようなフレーズも現れ、終盤では壮大なスケールに圧倒される

Daniel Barenboim & Staatskapelle Berlin

ベートーヴェン:交響曲第7番 第1楽章

生気と威厳に満ち、気分を高めたいときにぴったり!特に中盤からは踊りだしたくなるような躍動感にあふれる。続く2楽章も絶対聴いてほしい。一転神妙で力強く、そのメロディは一度聴くと耳に残って離れない。

Nikolai Lugansky

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第14番「月光」 第1楽章

当時の恋人だった令嬢に献呈。さすがロマンス満点の音楽だが、どこか影が覆うような静かな美しさを持つ。ある詩人がこの第1楽章を「湖に映る月光の波に揺らぐ小舟」と評したことから「月光」の通称がついた。

初期ロマン派

Itzhak Perlman

パガニーニ:24のカプリース(奇想曲)より第24番イ短調

「悪魔に魂を売った」と言われるほどのヴァイオリンの超絶技巧を持っていたパガニーニ。それだけに、この作品も演奏に高い技巧を求められる、大変華やかなもの。主題は多くの作曲家に霊感を与え、編曲作品も多い。

Nikolaus Harnoncourt

ウェーバー:歌劇「魔弾の射手」 序曲

「魔弾の射手」は、悪魔と契約し、意のままに命中する弾を手に入れた射撃手を主人公とした歌劇。深い森を思わせる、素朴で幻想的な音楽。ドイツロマン派のオペラ様式を確立し、後世に影響を与えた。

Borodin Quartet

シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」 第1楽章

鋭く美しいけれど、同時に、当時健康に不安を抱えていたシューベルトの絶望が全体に滲む短調の音楽。第2楽章も、病の床に伏す乙女と死神の対話という、ちょっと不吉なテーマを描く同名の歌曲を使用した有名曲だ。

Alfred Brendel, Franz Schubert

シューベルト:即興曲 変ト長調D899-3

想いのままに紡がれた旋律がこの上なく切なく、心に沁みる。歌曲王シューベルトが、ピアノで歌う静かな作品。30年の生涯で晩年に作曲した「4つの即興曲」作品90の第3曲。他3曲も美しいのでぜひ聴いてほしい。

Christoph Pregardien & Andreas Staier

シューベルト:連作歌曲集 「冬の旅」より「菩提樹」

恋に破れ、放浪の旅を続ける青年の物語を歌った『冬の旅』。疎外感と哀しみの影が漂い、シューベルトの心の内が吐露されているようにも聞こえる。一人しんみり聴くうち、あなたもどこか共感するかも…。

Zubin Mehta

ベルリオーズ:幻想交響曲 第4楽章「断頭台への行進」

愛した女優への失恋体験を音楽で告白した、恨みと妄想に満ちる一大交響曲! 「恋に絶望しアヘンを吸った想像力豊かなある芸術家」の生涯との説明つきだ。4楽章は夢で男が女を殺し、死刑となり断頭台へ向かう場面。

Berliner Philharmoniker, Herbert von Karajan

メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」 第1楽章

イタリアの太陽を思わせるような、リズミカルで軽快な音楽。天気の良い日に聴けばより一層気持ちを明るくしてくれる。イタリア旅行の印象をもとに作曲されたもので、今もイタリア旅行番組でよく流れている。
【Berliner Philharmoniker, Herbert von Karajanのハイレゾ音源はコチラ!】

Maxim Vengerov

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章

クラシック好きの間では「メンコン」の略称で親しまれる名曲。冒頭を飾る哀愁に満ちた伸びやかなメロディが有名だ。ドラマティックで、泣き歌うようなヴァイオリンの聴かせどころがたっぷり。

Vladimir Horowitz

シューマン:子供の情景より「トロイメライ」

夢見るような不思議なメロディが心に残る。"少年の心を持ったオトナ"シューマンの個性が存分に発揮されるピアノ小品の中でも、もっとも親しまれる曲のひとつ。トロイメライとは、白昼夢の意味。

Leif Ove Andsnes / Mariss Jansons / Berliner Philharmoniker

シューマン:ピアノ協奏曲第1番 第1楽章

鋭い付点のリズムが印象的な始まり。そこから熱さと穏やかさを併せ持つ、美しいメロディがかわるがわる現れる。ピアノ作品を多く残したシューマンが唯一完成させたピアノ協奏曲。傑作のひとつだ。

Boris Berezovsky

ショパン:練習曲から「革命」

激しい怒りの感情がそのまま音楽となったような、悲しみに満ちた作品。ロシアのワルシャワ侵攻に祖国の人々が蜂起するも、その革命が失敗に終わったという報を受けたショパンが、無念さと怒りの中で書いた。

Boris Berezovsky

ショパン:練習曲から「別れの曲」

切なく恋心あふれるメロディがおなじみの曲。トレンディドラマ全盛期『101回目のプロポーズ』で、武田鉄也が一生懸命練習していたシーンを覚えている人も多いかも。これ以上に哀しく美しい曲が他にあるだろうか?

Martha Argerich / Charles Dutoit / Orchestre Symphonique de Montreal

ショパン:ピアノ協奏曲第1番 第1楽章

若い恋心を彷彿とさせるような、フレッシュで切ないピアノ協奏曲。祖国を永遠に離れる直前だった20歳の頃書かれた。続く2楽章でピアノが奏でるメロディもこの上なくロマンティックで、涙が出るほど美しい。

Andre Watts

リスト:ラ・カンパネラ

ラ・カンパネラとは鐘の意味。ピアノが奏でるのは、教会から街中に鳴り響く鐘の音か…。超絶技巧のピアニストとして名を馳せたリストならではの華々しい作品。パガニーニの作品の主題を用いて作曲された。

Marcello Viotti

ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より「人しれぬ涙」

愛を貫くちょっと単純な農夫ネモリーノの物語を描く喜劇的オペラ『愛の妙薬』から、村の娘への熱い恋心を歌った名アリア。世界三大テノールとして知られたパヴァロッティが得意とした役どころでもある。

Helga Dernesch / Jon Vickers / Christa Ludwig / Walter Berry / Karl Ridderbusch / Bernd Weikl / Peter Schreier / Martin Vantin / Chore der Deutschen Oper Berlin / Berliner Philharmoniker / Herbert von Karajan

ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲

ワーグナー自身の道ならぬ恋の体験が生んだオペラ。それまでの音楽になかった妖しい響きと、いつまでも長く続く旋律で、男と女の終わらない愛を表現した。

後期ロマン派

Klaus Tennstedt / Berliner Philharmoniker

ワーグナー:楽劇「ニーベルングの指輪」より「ワルキューレの騎行」

映画「地獄の黙示録」はじめ、戦闘的なシーンの定番曲としても名高い。戦いの女神たちが天空を駆け回る場面の音楽。ワーグナー作品中、最も有名なナンバーだ。

Herbert von Karajan

ワーグナー:楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」より前奏曲

式典の幕開けにふさわしい、立派で堂々としたプレリュード。オーケストラのある大学であれば入学式等のイベントでも定番の曲だ。なお、オペラ全体はこのあと5時間近くもかかる超大作。

Renata Scotto / Alfredo Kraus / Ambrosian Opera Chorus / Philharmonia Orchestra / Riccardo Muti

ヴェルディ:歌劇「椿姫」より乾杯の歌

貴族たちが集い、これから乾杯!というパーティーのワクワク感に満ち溢れた華麗なナンバー。合唱に加えて大勢の独唱者が代わるがわるに歌い、豪華な気分を盛り上げる。

Ambrosian Opera Chorus / Philharmonia Orchestra / Riccardo Muti

ヴェルディ:「椿姫」よりアリア「ああ、そはかの人か」

華やかな社会に生きながら、本当の愛など存在しないと孤独感を感じていた主人公。しかし一途な青年の登場で本当の愛に気付く。その瞬間の揺れ動く心を歌い上げた、ソプラノのための有名アリア。

Montserrat Caballé

ヴェルディ:歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲

サッカースタジアムでサポーターが歌い上げているのがこの曲。戦に勝って帰る兵隊を称える合唱だ。オペラの舞台でもここは一大スペクタクル場面で、本物の馬や象まで出てきたことも!

Daniel Barenboim

ブルックナー:交響曲第8番 第4楽章

重厚長大なシンフォニーばかり作ったブルックナーの代表作。独特の音響と展開で、最後には仰ぎ見るような音の伽藍が築かれ圧倒される。なお、ブルックナーの演奏会は断然男性が多いというウワサも。

Wiener Johann Strauss - Orchester / Willi Boskovsky

J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲

クラシックでも唯一の例外と言ってもいい、聴きながら手拍子をして良い曲がこれ。お正月にウィーンの黄金のホールで行われる「ニューイヤー・コンサート」の最後に必ず演奏される、ゴキゲンなナンバーだ。

Wiener Philharmoniker, Karl Bohm, Johann Strauss

J.シュトラウス2世:ワルツ「美しき青きドナウ」

ワルツ王によるワルツの王様!というべき名作。「ニューイヤー・コンサート」では最後から2番目に必ず演奏され、曲の最初には指揮者と楽員から新年のあいさつがあるというお約束も。

Munchner Rundfunkorchester / Placido Domingo

J.シュトラウス2世:喜歌劇「こうもり」より序曲

シャンパンの栓がポーンと空くように鮮やかに始まり、あとは緩急自在、ワルツも交えて、とにかくひたすら楽しい音楽が展開される。憂さ晴らしは、酒の代わりにこの曲で!

Kurt Masur

ブラームス:交響曲第1番 第1楽章

「運命」等の名前はないけど、特別な人気を誇るシンフォニー。苦しみから勝利へと向かう音楽の流れと、感動的なメロディの数々が味わえる。第1楽章は重厚さと熱気に満ちている。

Budapest Festival Orchestra, Ivan Fischer, Johannes Brahms

ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

堅物のイメージがあるブラームスだが、実は20歳頃にはハンガリーのヴァイオリニストとジプシー音楽演奏のツアーを行ったりしていた。その最高の成果がこの曲だ。

Berliner Philharmoniker, Herbert von Karajan

スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「モルダウ」

哀愁に満ちたヴァイオリンのメロディが有名な「モルダウ」。プラハを流れるモルダウ河の水の流れを描写しているばかりか、川辺の風景や城の威容まで表れる、音楽による物語だ。
【Berliner Philharmoniker, Herbert von Karajanのハイレゾ音源はコチラ!】

Jose Serebrier

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 第4楽章

映画「ジョーズ」を思わせる有名な出だしは、機関車が出発する音という説も。勇ましいメロディを中心にして、これでもかというくらいカッコイイ音楽が展開されていく。

Mstislav Rostropovich, Seiji Ozawa & Boston Symphony Orchestra

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 第1楽章

古今東西のチェロ協奏曲中、文句なしの最高傑作。チェロという楽器の魅力を100%引き出し、胸に迫るメロディ、効果的なオーケストラなど、ドヴォルザークの魅力満載だ。

Kurt Masur

チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第1楽章

作曲時期の19世紀末としても異例なほど暗い感情に覆われ、初演直後に作曲者自身も亡くなってしまったといういわく付きの名作。第1楽章は苦しさと憧れが交錯し、人生の重みを体感できる。

レオンスカヤ

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 第1楽章

出だしの勇壮なホルンとその後の雄大なメロディは超有名で、この序奏だけでも繰り返し聴いてしまうほど感動的。技巧的なピアノとオーケストラで重厚に盛り上がる楽章だ。

London Symphony Orchestra / Andre Previn

チャイコフスキー:バレエ「くるみ割り人形」より「金平糖の踊り」

チェレスタという鍵盤楽器の不思議な音色を生かした幻想的な曲。「くるみ割り人形」は他にも「行進曲」「ロシアの踊り」「花のワルツ」など名曲の宝庫。「葦笛の踊り」は某携帯電話CMでもおなじみ。

Vadim Repin

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章

全てのクラシック音楽中でも最もファンが多いかもしれないのがこの作品。映画「オーケストラ!」はじめ数多くの映画やドラマで重要な題材にもなっている。とにかく全ての人に聴いてほしい、名作中の名作だ。

Toronto Symphony Orchestra And Jukka - Pekka Saraste

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」より「キエフの大門」

感動的な金管楽器のファンファーレで始まり、圧倒的な大団円を迎える人気作。なお、某バラエティー番組で、画像がズームアップしていくときのBGMとしても有名に。

Daniel Barenboim

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 第3楽章

エキゾチックでロマン溢れる楽章で、美しいメロディが綿々と歌われていく。テレビでも流れる機会が増えているナンバーだ。全曲は「千一夜物語」を題材とし、華麗なオーケストラの響きを満喫できる。

高関健(指揮)/東京フィルハーモニー交響楽団

オッフェンバック:喜歌劇「天国と地獄」序曲

運動会といえばこの曲!または某カステラCMの曲!といえば絶対に知っている「カンカン」。この序曲の最後に出てきて楽しく盛り上げてくれる。スカッと楽しめるナンバーだ。

Sarah Chang / Lars Vogt

フランク:ヴァイオリン・ソナタ 第1楽章

ヴァイオリン音楽の金字塔とも言われる名作。ピアノの活躍も見事で、アンサンブルの喜びを満喫できる。第1楽章は穏やかながら深い美しさに溢れ、いつまでも聴いていたくなる楽章。

John Ogdon / Brenda Lucas / City of Birmingham Symphony Orchestra / Louis Fremaux / Hilary Robinson

サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より「白鳥」

「白鳥」はチェロのための名作中の名作。静かな湖面に浮かぶ白鳥の姿が目に見えるようだ。組曲にはは思わずニヤリとしてしまうような楽しい曲ばかりで、耳なじみあるナンバーも多い。

Elina Garanca, Orchestra Sinfonica Nazionale della Rai, Karel Mark Chichon, Coro Filarmonico del Regio di Torino, Claudio Fenoglio, Georges Bizet

ビゼー:歌劇「カルメン」より「ハバネラ」

大人気オペラ、ビゼーの「カルメン」。興奮と感動の名曲が連続する、初心者が観ても存分に楽しめる傑作オペラだ。「ハバネラ」は主人公カルメンの色気満点の有名ナンバー。

Michel Corboz

フォーレ:レクイエム 「ピエ・イエスズ」

「自分の葬式にはこの曲をかけてほしい」と言う人が最も多いといわれる、清純な美しさに溢れるレクイエム。ソプラノが歌うこのナンバーだけでも涙が浮かぶはず。

Andrew Davis

エルガー:行進曲 威風堂々 第1番

中間部の高貴なメロディは「イギリス第2の国歌」とも称えられるほどの名旋律。数多くのCMはじめあらゆるメディアでも使われている。最も演奏される行進曲の一つだ。

キリ・テ・カナワ

プッチーニ:歌劇「トスカ」より「歌に生き恋に生き」

悪役スカルピアに追い込まれたヒロイン・トスカが、「私はただ歌と愛に生きてきただけなのに…」と嘆く、悲しくも美しいアリア。マリア・カラスも得意にした、ソプラノのための名アリア。

Placido Domingo

プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」

トリノ五輪開会式でパヴァロッティが歌い、フィギュアスケートで荒川静香選手が金メダルに輝いたときのBGMとして、あまりにも有名になったテノールのためのアリア。勝負の時にはこの曲!

Armin Jordan

マーラー:交響曲第1番「巨人」 第1楽章

1時間以上のシンフォニーばかり書いたマーラー。その独自の世界観で一大ブームを起こした作曲家だ。第1番は若々しい明るさが魅力の人気作。ちなみに「巨人」は野球チームとはなんの関係もありません!

Symphony No.2 in D major Op.43 : I Allegretto Sakari Oramo

シベリウス:交響曲第2番 第1楽章

曲を流した途端、北欧の冷涼な空気が広がる。森と湖の美しさと厳しさも感じられる。音楽で自然を表現することができた、フィンランドの作曲家シベリウスの代表作。夏でも冬でも聴きたい名作だ。

Royal Stockholm Philharmonic Orchestra and Andrew Davis (conductor)

ヤナーチェク:シンフォニエッタ より ファンファーレ

村上春樹「1Q84」冒頭からいきなり取り上げられて、飛躍的に知名度を上げたのがこの曲。38歳差の熱い恋愛など、クラシック界指折りの変態作曲家(?)の異様な才能爆発の傑作だ。

近現代

エマニュエル・クリヴィヌ指揮/国立リヨン管弦楽団

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

フルートソロで始まる、けだるい眠さとエロティックな夢が重なるような、聴く人も夢かうつつかわからなくなっていくオーケストラの音色。音楽の歴史にも影響大だった重要作だ。

London Symphony Orchestra, Claudio Abbado, Maurice Ravel

ラヴェル:ボレロ

「オーケストラの魔術師」と言われたラヴェルの代表作。小太鼓のリズムが延々と続く上で、2つのメロディだけで約15分間クレッシェンドし続け、最後は圧倒的な興奮を誘う。唯一無二の音楽体験ができる。

Anne Queffelec

サティ:「ジムノペディ」第1番

静かな佇まいのなかに、切り詰めた音楽の美しさが香り立つ。メロディ、リズム、ハーモニー、それぞれを最小限の音だけで作っているのに、聴く人をその世界に引き込んでしまう。

Vladimir Ashkenazy, London Symphony Orchestra, Andre Previn, Sergey Vasil'yevich Rachmaninov

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 第1楽章

ピアノ協奏曲の中でも最高の人気作のひとつ。ロマンティックそのものな名作で、「逢びき」という映画で縦横無尽に使われたことでも有名。鐘を描写した冒頭のピアノから夢中になれるはず。

Kurt Sanderling

ラフマニノフ:交響曲第2番 第3楽章

ラフマニノフならではの美しすぎるメロディに溢れる、最高級にあま~く美味しいケーキのような楽章。ドラマや映画、CMでよく使われるのも納得だ。甘美な気分になりたいときにはこの曲。

ドレスデン・シュターツカペレ(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)

ストラヴィンスキー:火の鳥 最終楽章

ロシア民謡を題材に華麗なオーケストレーションを駆使した「火の鳥」。最終部分はホルンのすばらしい歌から感動的に盛り上がっていく大団円。身を浸すように聴きたい。

Eliahu Inbal

ストラヴィンスキー:「春の祭典」 第2部

約100年前の初演時には演奏中から客席で怒号が飛び交うような大スキャンダルとなった問題作。原始的な響きと複雑なリズムが体をアツくさせる。一度は体験しておきたい重要作だ。

Philadelphia Orchestra / Riccardo Muti

レスピーギ:ローマ三部作より「ローマの松」

キラキラした冒頭から、圧倒的なクレッシェンドでホールを揺るがす大音響の幕切れまで、オーケストラの表現を出し尽くすような傑作。ローマ三部作は「噴水」「松」「祭り」で、いずれも楽しい名作揃いだ。

Royal Stockholm Philharmonic Orchestra

バルトーク:「管弦楽のための協奏曲」 第1楽章

紛らわしいタイトルは、オーケストラ内の楽器が次々にソロを繰り広げる様子を表したもの。巧みなオーケストレーションの中に、バルトークの祖国ハンガリーの匂いも込められている。

Philharmonia Orchestra / Sir Simon Rattle

ホルスト:組曲「惑星」より「木星」

平原綾香「ジュピター」で使われたメロディーと言えば誰もが知っている名旋律。この雄大なメロディーを中心に魅力的な楽想が満載の、オーケストラの醍醐味を満喫できる華麗な傑作。

Zubin Mehta & London Philharmonic Choir & Orchestra

オルフ:「カルミナ・ブラーナ」より「おお、運命の女神よ」

一時期、映画やテレビで使われまくっていたナンバー。打楽器と合唱の爆発的なエネルギーが興奮を誘う。全体も酒や恋愛を下品に歌う曲ばかりの楽しい作品で、ストレス解消にはもってこいだ。

Mstislav Rostropovich & National Symphony Orchestra

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 第4楽章

20世紀のシンフォニーとしてはダントツで演奏機会の多い傑作。最近では指揮者・佐渡裕のベルリン・フィルデビュー演目としても知られた。勇ましく始まる第4楽章は、テレビ番組でもよく使われる。

London Symphony Orchestra / Andre Previn

プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」より「モンタギュー家とキャピュレット家」

20世紀を代表するバレエ音楽"プロコのロミジュリ"。多彩な名場面が続く演目で、全曲はCD2枚分にもなる。このナンバーは某携帯電話CMで多用されて飛躍的に知名度アップした。

Berliner Philharmoniker / Sir Simon Rattle

バーバー:弦楽のためのアダージョ

映画「プラトーン」クライマックスシーンでの感動的な音楽としても有名。弦楽器独特の静かに長く続く旋律は本当に美しく、葬儀や追悼の場で流れることも多い。

Jose Carreras, Orchestra, Leonard Bernstein

バースタイン:「ウェストサイド物語」より「マリア」

ミュージカルの代名詞ともいえる「ウェストサイド物語」。指揮者としても有名なバーンスタインによる、胸躍る楽しさとホロリと泣ける名旋律に溢れる名作だ。「マリア」は一目惚れした恋人を歌い上げるナンバー。

Michel Beroff - London Symphony Orchestra - Jeanne Loriod - Andre Previn

メシアン:「トゥーランガリラ交響曲」 第5楽章

大編成のオーケストラによる全10楽章の大作シンフォニー。極彩色の音色が特徴で、特に電子楽器「オンド・マルトノ」のヒュ~ッという異様な響きは聴きもの。エネルギー爆発の第5楽章で音の奔流に浸ろう。

日本クラシックソムリエ協会

日本クラシックソムリエ協会

クラシック音楽の素晴らしさや魅力を広く伝授し、クラシック音楽ファンを更に拡大する目的で2012年、一般財団法人「日本クラシックソムリエ協会」を創設致しました。2012年9月30日には第1回「クラシックソムリエ検定」を実施しました。

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