定番レゲエ特集(HISTORY OF JAMAICAN MUSIC)

1960's

Dawn Penn

You Don't Love Me (No No No)

93年に自らリメイクして世界的にヒット。これがオリジナル・ヴァージョンです。ブルージーなりリックスとゆったりと、しかし、ダイナミックにグルーヴする演奏。女性ヴォーカルの作品としてもジャマイカを代表する一曲。スタジオ・ワン製作。

Paragons

Tide Is High

「Number One」などのタイトルで、レゲエ以外のアーティスト(ブロンディ等)に数多くカバーされた逸品。トレジャー・アイルのパラゴンズはハズレなしだが、これはその中でもピカイチ。

Upsetter

Return Of Django

鬼才リー・ペリーが率いたバンドの69年作。イギリスでも大ヒット、ことにスキンヘッドの間で人気のナンバーだった。ワイルドなR&Bをジャマイカ独特の跳ねるビートで演奏。躍動感たっぷりのインスト。

Toots And The Maytals

54-46

サザン・ソウル系の豪快なヴォーカルで今も愛されているトゥーツ。70年代のジャマイカのサウンドを先駆けたダイナミックな一曲。今なお定番。

1970's

Wailers

Trench Town Rock

ボブ・マーリィ、ピーター・トッシュ、バニー・ウエイラー、3人が在籍していた時代の名曲。アイランド・レーベルと契約する以前のジャマイカで大ヒットしたオリジナルのヴァージョン。

Mighty Diamonds

I Need A Roof

「ビロードの剃刀」と呼ばれた3人組、ヴォーカル・グループ。スライ・アンド・ロビーのリズム隊を中心とするレヴォルーショナリーズが演奏するアグレッシブなサウンドに美しいハーモニー。正にワン・アンド・オンリーな魅力が全開なチャンネル・ワンのルーツ・ロック・レゲエ。

U Roy

Natty Rebel

ボブ・マーリー「Soul Rebel」のグラディエーターズによるカバー。それにU・ロイのDJを加えたルーツ・レゲエ期のDJチューン代表作。ずっしりと重いビート、ダイナミックなミックスも文句なし。トニー・ロビンソンのプロデュース。

Gregory Isaccs

Love Is Overdue

ジャマイカには珍しいクルーナー唱法を取り入れた甘い歌で90年代まで高い人気を誇った「Mr.Cool Ruler」。ルーツ・レゲエの名曲も多いが、ラヴ・ソングを歌わせたらこの人の右に出るものはいない。

Aletha And Donna

Uptown Top Rankin

70年代に活躍した女性2人組。アルトン・エリス「I'm Still In Love」(当リストの17)のトラックをロッカーズ・ヴァージョンにリメイク。キュートな歌声で硬派なメッセージを歌うキャッチーなヒット曲。ジョー・ギブス制作。

Junior Murvin

Police And Thieves

全盛時代のリー・ペリーがプロデュースしたルーツ・レゲエのマスター・ピース。後にクラッシュらもカバーした。カーティス・メイフィールド似のファルセットとヘビーなスクラッチ・サウンドの絶妙なコンビネーション。

Jimmy Cliff

Harder They Come

ジャマイカを描いたカルト・ムーヴィー「ハーダー・ゼイ・カム」主題歌。アップリフティングな演奏も初期レゲエの躍動感に満ち満ちている。ジャンルを超えた名作。

toots And The Maytals

Pressure Drop

映画「ハーダー・ゼイ・カム」挿入歌。今にも唾がこちらに飛んできそうなエネルギッシュでホットなチューン。リヴァイバル派と呼ばれたジャマイカ・ゴスペルの影響も、その歌唱に色濃く反映されている。

1980's

Sugar Minott

Good Thing Going

マイケル・ジャクソンのカバー。軽快なサウンドと滑らかな歌で全英でも大ヒット。ジャマイカのタフな歌詞、サウンドに比較して、ソフトな音造りが成功。UK・ラヴァーズをうまく取り入れたシュガー自らのプロデュース作品。

Gregory Isaacs

Night Nurse

80年代前半、「ワン・ドロップ」サウンドで一世を風靡したルーツ・ラディクスがバッキング。うねる様にドライヴする演奏に艶やかな歌が映える。歌詞はハード・ドラッグを題材にしたダブル・ミーニングだとも言われている。

Black Uhuru

Youth Of Ellington

デンジャラスな歌声は唯一無二といっていい存在のマイケル・ローズ在籍時の名曲。スライ・アンド・ロビーの人間離れした演奏、クリアでソリッドなミックスも当時全世界に衝撃を与えた。

Musical Youth

Pass The Dutchie

アメリカの子供グループ。マイティ・ダイアモンズが大ヒットさせた「Pass The Kouchie」をカバー(元のトラックはスタジオ・ワンのFull Up)。ませたヴォーカルがキュート。

Maxi Priest

Wild World

ジャマイカ系イギリス人シンガー。その歌は極めて正統派でクール・アンド・スムース。甘い歌声には女性ファンも多い。キャット・スティーヴンスの70年作をカバー。

Aswad

Don't Turn Around

デビュー時にはゴリゴリのルーツ・ロック・レゲエだった彼らがポップに変身。シンプルなサウンドとキャッチーなメロディで88年に大ヒット。

Shabba Ranks

Twice My Age

女性シンガー、クリスタルをフィーチャーしたコンビネーション。ガッシー・クラークのミュージック・ワークスが制作。さわやかな女性ヴォーカルとシャバのド迫力の低音ヴォイスとの対比も鮮やか。

1990's

Sizzla

Praise Ye Jah

アグレッシブなスタイルと過激な歌詞が持ち味のラスタ・アーティスト。90年代ルーツ・ロック・レゲエと呼ぶのにふさわしいソリッドでパンチのあるトラック。歌うような独特のフロウは、キャリア初期のこのチューンの段階で既に完成の域。

Shine Head

Strive

ダンスホールにヒップ・ホップをブレンドして人気者となったが、これは正調歌ものダンスホール。本来スキルフルなDJだが、この曲の他にもシンガーとして出した曲に良い曲が多い。トラックはスタジオ・ワン「My Girl Is Gone」のリメイク。

Chaka Demus And Pliers

Murder She Wrote

スライ・アンド・ロビーの革新的なダンスホール・トラック「Bam Bam」使用曲。シンプルなベイス・ラインのオスティナートを支柱にダンサブルなこと、この上なしのサウンド構築。DJ、シンガーの巧みな絡みは万人にアピールした。

Shabba Ranks

Trailer Load A Girl

スティーリー・アンド・クリーヴィーの傑作。「Poco」系のプリミティヴ、パーカッシブなトラック上で「トレイラーに女の子が満載」とDJするシャバ。ミックスも強烈にパンチが効いている。

Shaggy And Rayvon

In The Summertime

NYのDJ、シンガーのコンビネーション。単純明快、ストレートなポップ・ダンスホール。タイトル通り、解放感いっぱいのサマー・アンセム。

2000's

Shaggy

It Wasn't Me

噛んで含めるようなシンプルなDJと、間男を題材にしたユーモラスな歌詞、プロモーション・ヴィデオが記憶に残る2001年作。はっきりとした口調とストーリー・テリングの上手さが際立つ会心作。シャープなトラックもいいですね。

Sean Paul

Get Busy

02年、レンキー制作「Diwali」リズム使用。じわじわと人気を得ていたショーン・ポールはこの曲で世界的にブレイク。スーパー・キャット系のメロディアスなDJがジャマイカ以外の人達にもアピール。流麗なキーボード・プレイを配したスマートなミックスも特徴。

Elephantman

Signal Di Plain

03年、Q45からリリース。リズムは「Mayday」。新しいダンスを題材にしてヒットを連発した彼。これは、その路線の一番初期に発売されたチューン。ポップでキャッチー、ビートがビシビシとアタックする、まさにダンスのための一曲。使えるものなら何でも使う節操のなさも、ジャマイカならでは、か。

T.O.K

Money To Burn

DJ、シンガー混成グループ。キャッチーな歌パートに随所でDJが絡むダイナミックな展開がお得意。トラックは、トニー・ケリー制作のクールなジャグリン「Buy Out」。もともとはコーラス・グループなだけあってバランス感覚が抜群だ。

Beenieman

Chakka Dance

05年、ドン・コーレオン制作。ジャマイカ伝統文化からインスパイアされたというダンサブルなトラック「Jonkanoo」。ビー二マンならでは、畳み掛けるDJが小気味の良いアッパーなチューン。

邦人レゲエ

Pushim

I Pray

抜群の歌唱力でシーンを引っ張る歌姫の06年作品。ゆったりとしたバックの演奏もかみしめるように歌われる歌詞もともに素晴らしい。どんな歌も、自分の色に染め上げる強烈な個性も強く感じる1曲。

Fire Ball

Light Up The Fire

97年結成。シンガー、DJ混成の4人組グループ。よく練られたリリックスト、コンビネーションをダイナミックなマイク捌きで一気に聞かせる。03年リリースのアルバム「Book Of Life」にも収録された代表作。

Chaqura

Twinkle The Ladys

今年デビューのブライテスト・ホープ。滑らかな歌を聴かせる久々に現れた正統派シンガー。サウンドはトレジャー・アイルの名トラック「Those Guy」リメイク。ロック・ステディ・マナーのスウィート・チューン。

Moomin

Moonlight Dancehall

清涼感あふれるハイトーン・ヴォイスで90年代中盤から活躍している日本人ダンスホール・シンガーのベテラン。彼の初期のキャリアを代表するダンスホール賛歌の傑作。

Reggae Disco Rockers

天気雨

常に女性ヴォーカリストの良質な歌ものレゲエを発表しているグループの5枚目のアルバムから。歌をより一層引き立てる、丁寧なよく練られたサウンド・プロダクション。新井由美のこの曲をカバーするセンスも素晴らしい。

Heavy Manners

Stop The Killing

ドライ・アンド・へヴィーのオリジナル・メンバーで中心人物だった秋本武士のベイスが唸る。超ド級の迫力ある音が特徴のこのグループ。この曲では、ジャマイカの名シンガー、リンヴァル・トンプソンをフィーチャーしたルーツ・ロック。

Pushim

Forever

力強さと繊細さを兼ね合わせた歌。この時既に「プシン節」といわれる独特の節回しも完成の域に達している。弾むリズムのタイトなサウンドも重すぎず良し。

笑連隊

笑連隊のテーマ

コミカルなリリックで、聴衆を爆笑の渦に巻き込むDJグループ。メンバーにはあのサンコンさんの息子も。お笑いだけでなくオールド・スクール・タッチの活きの良いライミングも特徴。

Home Grown

Oasis

日本のナンバー・ワン・ダンスホール・バンドが制作したオールスター・キャストの楽曲。フィーチャーリングされているのは、プシン、ムーミン、パパ・U-Gee、リョウ・ザ・スカイウォーカー、ファイアB、キーコ、パパ・B。

石川貴教 Profile

93年暮れから、95年までレコード輸出のためジャマイカ在住。のちにレゲエ専門のレコード・ショップを立ち上げるかたわら"Riddim"紙上の新譜シングル・コーナーを十年以上にわたり担当。執筆に参加した主な単行本は「Blue Beat Bop!」、「レゲエ・ディスク・ガイド」、「Roots Rock Reggae」、「定本 リー"スクラッチ"ペリー」、「Dancehall Reggae Standard」等。手がけたCDのライナー・ノートも新旧取り混ぜ多数にわたる。

関連サイト

「Reggae & Soul. Gloria's Rendez-vous」~音楽誌等に色々書いてる石川貴教のブログ。