定番R&B特集

1960's

Ray Charles and his Orchestra

Hit the Road Jack

50年代に、リズム&ブルース(世俗)な歌詞とゴスペル(教会)のリズムを合体させ、「ソウル」の誕生をうながした盲目の偉人。60年代に入っても好調で、これをヒットさせた。邦題は「旅立てジャック」。
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Sam Cooke

A Change Is Gonna Come

「ソウルの創始者」サム・クックが、それまでの洗練されたイメージを打ち破り、人種差別への抗議をゆったりと、しかし激しく歌い上げる。やがて黒人公民権運動のテーマソング的な地位を得ることになった名曲。
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Supremes

Where Did Our Love Go

映画『ドリームガールズ』のモデルにもなった、60年代を代表するガールグループ。これは、ダイアナ・ロスがリード・ヴォーカルだった全盛期の大ヒット曲で、甘酸っぱいモータウン・サウンドが堪能できる。

James Brown & The Famous Flames

Papa's Got A Brand New Bag (Part 1)

ソウルの偉人でもあるJBことジェイムズ・ブラウンが、「ファンク」に移行し始めた初期の傑作曲。コード進行はブルース的だが、タイトル部分を歌った後のリズムギターは、紛れもなくファンク!

Wilson Picket

Land Of 1000 Dances

ウィルソン・ピケットのオリジナル曲ではないのだが、彼にとって代名詞的なヒットとなった。当時の代表的なダンスムーヴ(踊りの型)を挙げていく歌詞も楽しい。邦題は「ダンス天国」。
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Sam & Dave

Hold On, I'm Coming

60年代最強の熱血ソウルデュオ、サム&デイヴ。ソウルの帝王、オーティス・レディングですら同じステージに立つのを嫌がったほどのライヴ巧者だ。その掛け合いの美学は、この曲で味わえ!

Aretha Franklin

I Say a Little Prayer

最強のソウル・クイーン、若き日のヒット。もともとはディオンヌ・ウォーウィック(ホイットニー・ヒューストンの従姉)の曲だが、アレサは25歳という若さに似合わぬフテブテしい声で自分の色に染め上げる!
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Arthur Conley

Sweet Soul Music

ロック界に"Rock and Roll All Nite"があるように、ソウル界にはこの曲がある! ソウル・ミュージックを讃えるソウル! 歌詞にはサム&デイヴ、オーティス・レディング、ウィルソン・ピケット、JBが登場。
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Johnnie Taylor

Who's Making Love

不倫ソングはブラックミュージック界の隠れた定番。この曲では、「ソウルの哲学者」ことジョニー・テイラーが「おまえが浮気してる間、おまえの妻は何してると思う?」とユーモラスに、しかし熱く歌い上げる!

Otis Redding

(Sittin' On) The Dock of the Bay

60年代後半、暑苦しくもホンワカとした歌唱で「ソウルの帝王」と認められながらも、飛行機事故でバンドもろとも亡くなったのがオーティス・レディング。これは、彼の死後に発表され大ヒットした。
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Temptations

Cloud Nine

何度もメンバーチェンジしたことで有名な彼らは、モータウンを代表する男性ヴォーカル・グループ。60年代末、時代を動かすスライ&ザ・ファミリー・ストーンに影響されたアグレッシヴ路線のヒット。

Jackson 5

I Want You Back

神々しいほどの歌唱力で大人を圧倒する、幼少時のマイケル・ジャクソン。この曲は、当時11歳の彼がリードパートを歌う兄弟グループ「ジャクソン5」、初のナンバー1ヒットだ。

1970's

Isaac Hayes

Theme from Shaft

70年代初頭は、ブラック・ムーヴィの隆盛期だった。中でも『黒いジャガー』こと私立探偵シャフトの活躍をバックアップしたのがこの曲。手掛けたアイザック・ヘイズも(なぜか)セックスシンボル的扱いに。

James Brown

Soul Power

完全にファンク化した時期のジェイムズ・ブラウンには必聴曲がいくつもあるが、なかでもこれは名曲。リラックスして聴いてはいけないような緊張感をリスナーに強いるのが、いかにもJB流儀だ。

Marvin Gaye

What's Going On

60年代にはアイドル的な人気を誇った長身のハンサム・シンガーが失意の時期を経て、哲学的ソウルマンとして復活! 70年代のブラックミュージックを変えた1曲。
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Sly & The Family Stone

Family Affair

人種の壁を超えた編成で人種の壁を超えた人気を集め、60年代末から70年代初頭を熱く彩ったのが彼ら。ベトナム戦争反対運動等の高揚期から一変して、沈み込むようにダークなファンクに作風が変わった時期の代表曲。

Bobby Womack

Across 110th Street

「最後のソウルマン」ことボビー・ウーマック。その名の通り、80年代もソウル流儀を貫いた人だが、決定的なのは、この70年代犯罪映画の主題歌。黒人街の非情な掟を歌い上げる、絞り出すような塩辛声を聴け!

The O'Jays

Back Stabbers (邦題:裏切り者のテーマ)

フィラデルフィア産ソウル・ミュージックが人気を誇った70年代。その「フィリー・ソウル」の代表格が彼ら。こんな曲名なのにサントラ曲ではないが、とにかく強烈にドラマチック。リードヴォーカルの濃厚さが凄い。

The Spinners

I'll Be Around

これまた「フィリー・ソウル」の名曲。去っていった恋人を思い続け、「俺はいつでも待ってるぜ」と告げる男心を、切々と、しかし希望を持って歌い上げる。

Stevie Wonder

Superstition

人気少年シンガーだった60年代から一転、作詞作曲プロデュース全楽器演奏の超絶的才能を見せつけた70年代初頭の代表曲。得意のクラヴィネット(ギターみたいな音の鍵盤楽器)を前面に押し出した強烈ファンク。
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The Isley Brothers

That Lady

50年代にデビューし(脱税罪でのムショ暮らしも経て)今も活躍し続けるアイズレー・ブラザーズ! 「猫なで声で歌うおじさん」イメージを決定づけたメロウ・アップの代表曲。邦題は「ソウル・レディ」。

Earth, Wind & Fire

That's The Way Of The World(邦題:暗黒への挑戦)

70年代の黒人音楽界では、バンドが「バックバンド」ではなく、シンガーを含めたアーティストとして人気を得た。そんな大所帯黒人バンドの最高峰が彼ら、EW&F。トレードマークの裏声コーラスが冴える!

War

Low Rider

黒人6名+デンマーク人1名という妙な編成で登場、人種の壁を超えて、メキシコ系の人たちにこよなく愛されることになったバンド。この曲は、西海岸名物の車高の低いクルマを愛好する人たちの永遠のテーマソング。

Parliament

Flash Light

大所帯バンドブームの表の顔がEW&Fなら、裏の顔は彼ら、通称「Pファンク軍団」。神話的なEW&Fに対し、低俗SFコミック系コンセプト&衣装がトレードマーク。強靭無比なグルーヴで、アメリカの常識を破壊した。

Michael Jackson

Don't Stop 'til You Get Enough

マイケル・ジャクソンが絶対的なアーティストとなったのは、この曲から。マイケルを語るうえで欠かせないクインシー・ジョーンズが初めてプロデュースしたシングル。軽快な演奏と裏声ヴォーカルが絶妙にマッチ!
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1980's

Prince

Do Me Baby

84年には映画『パープル・レイン』で別格の存在となるプリンスだが、その2年前。プリンスといえばスロウも絶品で、これはその代表曲。メイクラヴの一部始終を独り語りで演じてしまうセクシーバラード!
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Chaka Khan

I Feel For You

ジャジーなバックグラウンドを持つ最強(いろいろな意味で)ディーヴァ。ラップはメリー・メル、ハーモニカはスティーヴィ・ワンダーという豪華布陣で、プリンスの79年曲を素敵にカバー!

Sade

Smooth Operator

イギリスから登場し世界をアッと言わせた、ナイジェリア系ハーフの歌姫を擁するジャジーソウル・バンド。UKソウルの源流の一つとなり、のちにアメリカで開花するネオ・ソウルの基礎ともなった。

Freddie Jackson

Rock Me Tonight (For Old Times Sake)

80年代半ばは非常にバブリーな世相でもあって、それを反映してか、小粋なスーツ姿で優しく歌い、女たちの心をとろけさせるレディキラー系のシンガーもたくさんいた。その代表格による代表曲!

Whitney Houston

Saving All My Love For You

80年代に一世を風靡し、「アメリカを代表する歌声」とまで言われた歌姫。浮き沈みを経て、見事なカムバックを果たした矢先に亡くなってしまったホイットニーの初期代表曲の一つだ。

Cameo

Candy

摩天楼のようにそびえ立つ「フラットトップ」ヘアと真っ赤な股間プロテクターで目を釘付けにしたキャミオ。ファンク・バンドとしては最後の大ヒットを記録した世代である彼らのスイート&ポップなヒット曲。

Janet Jackson

Nasty

それまでは「ジャクソン家の末娘」でしかなかった弱小アイドル、ジャネットが化けたのは、この強烈なサウンドがあってこそ! プロデュースしたのは、元プリンス配下のジャム&ルイス。

Keith Sweat

I Want Her

80年代末から90年代初頭を盛り上げたジャンル、ニュージャックスイングは、ここから始まった! 主役、キースの歌がまったくリズミカルではないことから生まれる不思議なグルーヴが、新時代を感じさせた。

1990's

En Vogue

Hold On

90年代女性グループの最高峰、アン・ヴォーグのデビュー・ヒット。強烈なリードヴォーカルと、美しいコーラスで、R&B界に女性ヴォーカルグループ・ブームを巻き起こした。

Mary J. Blige

Real Love

ハイテンションなニュージャック期から一転、テンポを落としたサンプリング重視のサウンドで、R&Bの流れを変えたのがヒップホップ・ソウル。そのジャンルを象徴する存在となったメアリーの代名詞的デビュー曲。
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Brandy

Baby

アリーヤ、そしてモニカとならんで、90年代の少女シンガー・ブームをリードしたブランディ。そのデビュー作からの大ヒット曲がこれだ(当時15歳)。

R. Kelly

Bump N' Grind

この20年ほどのR&B界に君臨するキングがR・ケリー。私生活はともかく、音楽面では一度もコケたことがない。これは、グループ時代を経て、極端なセクシュアル路線を打ち出したソロ初期の代名詞的大ヒット曲だ。

D'Angelo

Brown Sugar

90年代半ばという時代にあって、あまりにレトロなオルガンで幕を開けるこの曲。モコモコしたサウンド、ひょうひょうと歌うヴォーカル。地味だが不思議な魅力で、リスナーを虜にしていった。ネオソウルの始まり。

Jodeci

Freek'n You

男性ヴォーカルグループ・ブームの時代でもあった90年代。その前半をリードしたのは彼ら。メンバーのディヴァンテによる特徴あるサウンドと、K-Ciによるハードなリードヴォーカルが絶妙にマッチ。

Ginuwine

Pony

天才プロデューサー、ティンバランドによる完全バックアップで登場したシンガーのデビューヒット。曲名通り子馬の顔が印刷されたシングルジャケットとあいまって、この異常なサウンドは音楽界に衝撃をもたらした。

Usher

You Make Me Wanna…

アッシャーの快進撃はここから始まった(当時17歳)。ティンバランドのビート革命に影響されたサウンドに、南部らしいメロウネスをブレンド。そこに高校生っぽい悩みを打ち明ける歌詞が乗る、切ない名曲だ。

Erykah Badu

On & On

ネオソウルを盛り上げた歌姫。極端に音数を絞ったジャジーなトラックに、クセのあるヴォーカル。俗に「エリカ巻き」と呼ばれた髪型(ドレッドを布で巻く)を含めたファッション面でも際立っていた。

Faith Evans

Love Like This

ヒップホップ・ソウル勃興期に、メアリー・Jや幼き日のアッシャーのアルバムでの裏方業をやっていたのがフェイス。愁いを帯びたデビュー作から一転、セカンド・アルバムからはダンサブルなこの曲が大ヒットした。

2000's

Aaliyah

Try Again

R・ケリーに援護され10代でデビューした歌姫は、そのRとの決別後、ティンバランドと組み、意外なほどの相性を見せつける。そんなアリーヤの繊細な歌声を最大限に活かしたのが、本人主演映画の主題歌であるこれ。

Destiny's Child

Say My Name

90年代末から00年代前半のR&B界に君臨した女性グループといえば、もちろんビヨンセ率いるデスティニーズ・チャイルド。決定的だったアルバム『The Writing's on the Wall』からの最大のヒットがこれ。

Joe featuring Mystikal

Stutter (Double Take Remix)

メロウ路線のR&Bを歌わせたら間違いなし。90年代半ばから今に至るまで、そんな定評を持ち続けているのがジョーだ。そんなジョーによる、アップテンポながら、やっぱり濃厚メロウな浮気糾弾ソング。

Alicia Keys

You Don't Know My Name

20歳の天才としてデビューしたアリシア・キーズ。早くも円熟の境地に達したセカンド・アルバムからのシングルで、伝えられない恋心を切なく歌い上げる名曲。可憐なPVと相まって、才媛アリシアを印象づけた。

B2K

Bump, Bump, Bump

歌って踊れて演技もできる黒人少年4人組として颯爽と登場するも、アッという間に分裂・解散してしまったB2K。デビュー・アルバムから1年弱でスピード発表したセカンド(にして最終作)からのヒットがこれだ。

Pretty Ricky

On The Hotline (Explicit Album Version)

歌もラップも決して上手いとは言えないのに、曲全体としての出来が素晴らしい、という好例。マイアミからやってきたセクシー(?)路線全開の男たちによる、電話がテーマのセクシーR&B with ラップ。

Usher

Confessions Part II

歌って踊れる少年シンガーとして頭角を現したアッシャーが、大人の男へと脱皮したことを証明した1曲。浮気していたという事実を、後悔と自嘲を込めて告白する内容(実話)で、リスナーの心に響いた。

Chris Brown

Run It! (Featuring Juelz Santana)

ハスキーな発声も交えて際立つ確かな歌唱力。そして、踊れて演技もできるというポイントもあり、R&B界に確固たる地位を築いたクリス・ブラウン。これは16歳当時のデビュー・ヒットだ。

Frankie J

Obsession (No Es Amor) (Featuring Baby Bash)

ヒスパニック/ラティーノ(中南米系)の文化的躍進が目立った00年代半ば。ドミニカ系グループによる原曲を、メキシコ系のフランキーが、よりR&B的なビートにマッチさせて切なく歌い上げ、大ヒットとなった。

Lyfe Jennings

Must Be Nice

10代後半からの約10年を刑務所で過ごし、塀の中で音楽を始めた変わり種シンガー! 出所直後に数日で仕上げたデモテープが話題となって契約を獲得した彼のデビュー曲がこれで、ジワジワと人気を広げていった。

Mariah Carey

We Belong Together

半自伝的映画『グリッター』の大失敗により危機に立ったマライアが組んだ相手は、アッシャーらを手掛けたジャーメイン・デュプリ。そんな彼の手腕で、世紀の歌姫は見事に復活! そんな時期の大ヒット曲。

Jennifer Hudson

Spotlight

映画『ドリームガールズ』で、途中でクビになる豪快系太めシンガーを演じていたジェニファー・ハドソン。そのイメージのままオールディーズ仕様ではなく、ニーヨが書いたこの現代型R&Bで颯爽とデビューした。

R. Kelly

Number One featuring Keri Hilson

この20年ほどのR&B界に君臨するキングがR・ケリー。なので00年代も絶好調。これは、美人シンガー/ソングライター、ケリー・ヒルソンを招いて「俺はベッドでナンバーワン」と自慢するデュエット曲。

Trey Songz

Neighbors Know My Name

「若者版のR・ケリー」のような性愛路線を驀進するのがトレイ・ソングス。この曲では「彼女の叫び声が大き過ぎて…」という状況説明をセクシーな曲調に乗せ、裏声を巧みに交えて歌い上げている。

丸屋九兵衛 Profile

丸屋九兵衛

QBことマルヤ・キュウベエは、bmrの名物編集者。バカ田大学第一文学部哲学科人文専修を5年かけて卒業後、ちょっぴりイリーガルな商売を経て、bmrに就職。初出社の朝に就業条件がウソ八百と判明するも、メゲずに居座り続けて10ウン年。インタビュー現場での発言量の多さにより、60代のファンクマスターから10代の少年シンガーまで幅広いアーティスト(取材対象)に呆れられているという。自慢のアイテムはStevie Wonderのサイン。

『bmr』とは……1969年4月に創刊された音楽雑誌。ソウル、ファンク、R&B、ヒップホップなどのブラック・ミュージックの魅力を粘り強く伝えてきた。現在は雑誌からウェブサイトに形を変え、「bmr.jp」として継続中。

関連サイト

bmr.jpサイト
丸屋九兵衛のツイッター
InterFM『丸屋九兵衛のモンゴリアン・デスロック』