題名のない音楽会『リズムを楽しむ音楽家たち』

先日の題名のない音楽会は『リズムを楽しむ音楽家たち』ゲストはU-zhaanさんと石若駿さんというふたりの打楽器奏者。

日本を代表するタブラ奏者U-zhaan(ユザーン)さんと日本ジャズ界注目の天才若手ドラマー石若駿(いしわかしゅん)さんがジャンルを超えた打楽器談義に花を咲かせました!

ちょっと他では見られないコラボも実現!

インドの打楽器タブラと、西洋楽器のドラム。同じ打楽器といっても、それぞれまったく違った世界が広がっていることに驚かされます。
 タブラはほとんどの日本人にとってなじみの薄い楽器だと思いますが、思いのほか澄んだ音の美しさが印象的でした。龍さんが試しに叩いてみても音がしっかり鳴らなかったように、まず芯のある音を出すのが難しそうです。
 U-zhaanさんの、タブラには楽譜がないというお話もおもしろかったですね。それぞれの音に呼び方があって、それを師から弟子へと伝える。しかも複数の音をひとつの呼び方であらわすこともある。そんな独自の体系をマスターしなければいけないというのですから、なるほど、これは習得困難な楽器だと納得できます。
 一方、石若駿さんは若くしてジャズ・ドラマーとして才能を見出されながらも、東京芸大でクラシック音楽の伝統的な教育を受けたという逸材です。ジャンルの壁など軽々と超えてしまう大器として、注目を集めています。
 そんな石若駿さんがビブラフォンを演奏してU-zhaanさんと共演したのが、マイケル・ジャクソンの「ヒューマン・ネイチャー」。作曲はTOTOのオリジナル・メンバー、スティーヴ・ポーカロ。これは名曲ですね。マイケル・ジャクソンの原曲では、歌詞で歌われる「都会の喧騒のなかで味わう孤独」といった気分が寂しげな曲想ににじみ出ていますが、このタブラ&ビブラフォン・バージョンでは、空が白んで夜明けを迎えるような雰囲気が加えて感じられました。タブラとビブラフォンの音色が独特の浮遊感を醸し出していたのもよかったですよね。

 

U-zhaan /タブラ奏者
1977年、埼玉県川越市生まれ。ザキール・フセイン、オニンド・チャタルジーの両氏からインドの打楽器「タブラ」を師事。’00年よりASA-CHANG&巡礼に加入し、『花』『影の無いヒト』など4枚のアルバムを発表。’10年に同ユニットを脱退後、U-zhaan × rei harakamiとして「川越ランデヴー」「ミスターモーニングナイト」等を自らのサイトから配信リリース。’14年には坂本龍一、Cornelius、ハナレグミ等をゲストに迎えたソロ名義のアルバム『Tabla Rock Mountain』をリリースした。’15年、Ryuichi Sakamoto + U-zhaanとして「Tibetan Dance / Asience」を7inchレコードで発表。’16年には映画『マンガをはみだした男 赤塚不二夫』の音楽を蓮沼執太と担当し、ボーカルにタモリをフィーチャリングした主題歌が話題となった。インドからのツイッターでのつぶやきをまとめた書籍『ムンバイなう。インドで僕はつぶやいた』を’10年に出版し、のちに続編『ムンバイなう。2』も刊行されている。
オフィシャルサイト はこちら

石若 駿 /ドラマー・打楽器奏者
1992年 北海道清里町生まれ。札幌市出身。幼少からクラシックに親しみ、13歳よりクラシックパーカッションを始める。2002~2006年まで札幌ジュニアジャズスクールに在籍し本格的にドラムを演奏し始め、その間、Herbie Hancock(p)氏、日野皓正(tp)氏、タイガー大越(tp)氏に出会い多大な影響を受ける。2004年、日野皓正quintet Live(六本木アルフィー)にゲスト出演。2006年8月、日豪交流派遣事業によりシドニー「オペラハウス」にて演奏。12月、日野皓正special quintetのメンバーとして札幌にてライヴを行う。2007年金澤英明(b)氏、石井彰(p)氏とトリオを結成し、ツアーを行う。三笠宮寛仁親王主催の「愛のコンサート」に出演し日野皓正(tp)氏、渡辺香津美(g)氏、山下洋輔(p)氏らと共演。2008年3月、ボストンバークリー音楽院タイアップの「グルーブ・キャンプ」を受講し「バークリーアワード」を受賞。2009年夏、奨学生としてバークリー音楽院に留学。10月、横浜ジャズプロムナードコンペティションにて、Takeshi Ohbayashi Trioとして数々の賞を受賞。2011年5月、「BLUE NOTE TOKYO Special Session supported by 大黒摩季」に出演。2012年4~7月、フジテレビ 放送 アニメ『坂道のアポロン』の川渕千太郎役ドラム演奏、モーションを担当。11月、吉松隆作曲「サイバーバード協奏曲」を準ソリストとして東京ニューシティ管弦楽団と共演。2013年4月、ミニアルバム『石若駿Trio The Boomers ~Live At The Body & Soul~』をタワーレコード限定でリリース。リズム&ドラムマガジン6月号“次世代”Jazz Drummer特集に取り上げられる。8月、小澤征爾 総監督による、サイトウ・キネン・フェスティバル松本 大西順子講師による「サイトウ・キネン・ジャズ勉強会」にサポートミュージシャンとして参加。2014年2月東京藝術大学打楽器専攻生による有志演奏会のインスペクターを務めIannis Xenakis「Persephassa」を演奏。5月、日野皓正special quintetの北海道ツアーに参加。9月初頭、森山威男(ds)氏を東京藝術大学に46年ぶりに招き、藝祭にてDrum duoを実現させる。9月下旬、テイラー・マクファーリン(DJ,vo,key,beatbox)の単独来日公演のドラマーに抜擢され好評を博した。11月、東京藝術大学モーニングコンサートにて日本人初演ソリストとして、打楽器協奏曲「Frozen in Time」を藝大フィルハーモニアと共演。2015年3月、J-WAVE V.I.Pにゲスト出演。2015年9月、東京ジャズ2015においては、沖野修也率いるKyoto Jazz Sextetにて出演し、リチャード・スペイヴン(ds)と披露したツイン・ドラム・ソロがテレビでもOAされ話題となる。2015年12月、初のフル・リーダー作『Cleanup』を発表。国内の2大ジャズ誌「JAZZ JAPAN」「Jazz life」より、「JAZZ JAPAN AWARD 2015≪アルバム・オブ・ザ・イヤー≫ニュー・スター賞」「Jazz Life DISC GRAND PRIX ~ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー2015 New Stars賞」をそれぞれ受賞。さらに国内唯一のクリティクス・ポール「ミュージック・ペンクラブ音楽賞」第28回にてブライテスト・ホープ賞を受賞。「新人賞トリプル受賞」という快挙を成し遂げた。2016年6月、ブルーノート東京にて自己のトリオでカート・ローゼンウィンケル(g)と出演。同年9月、15周年を迎えた「東京JAZZ」にリーダーとしてPROJECT 67名義で出演。
オフィシャルサイト はこちら

 


 

題名のない音楽界公式ページはこちら