「impulse!」ジャズ100th レーベル紹介

impulse!/インパルス

【創立】1961年

【創立者】クリード・テイラー / ボブ・シール

【創立地】サンタモニカ

【主要アーティスト】ジョン・コルトレーン / アルバート・アイラー / キース・ジャレット  他

ヒストリー

インパルスは激動の 1960 年代を反映した名門レーベル。フリー・ジャズのムーヴメントをリアルタイムに捉えたレーベルとして有名で、それ以外にもスウィングからモダンまで多彩なビッグ・ネームのアルバムを録音している。

1960 年末にABC パラマウント傘下のジャズ・レーベルとしてスタートし、61 年から作品をリリース。当初はクリード・テイラーがプロデューサーを務めたが、1961 年秋にボブ・シールと交替。シールは 60 年代にインパルスの最盛期を築き上げ、1969 年に独立している。

レーベルを代表するアーティストの筆頭はジョン・コルトレーンである。コルトレーンは 60 年代最強といわれる「黄金のカルテット」で、『至上の愛』『バラード』などやクインテットで『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』、本格的にフリー・ジャズに挑んだ集団即興による『アセンション』などの不滅の名作を多数録音。徐々にフリーへ傾倒しながら激しさを増して行く過程が記録されている。

アルバート・アイラーの『グリニッジ・ヴィレッジのアルバー ト・アイラー』『ラヴ・クライ』などもフリーの最重要作である。その他、アーチー・シェップオーネット・コールマンチャーリー・ヘイデンファラオ・サンダースなどもフリー・ジャズ時代を代表する名作を録音。フリーの他にも、ギル・エヴァンスカウント・ベイシー、チャールス・ミンガス、マッコイ・タイナーソニー・ロリンズオリヴァー・ネルソン、ガトー・バルビエリ、ジョニー・ハートマンなど数々のアーティストが彼らの代表アルバムを残している。

70 年代に入ると、キース・ジャレットがアメリカン・カルテットで『生と死の幻想』『宝島』などの名作をリリースする。その後、長らく活動を休止していた同レーベルだが、2014 年にフランスで再出発!大御所から新人まで、名作をラインナップし、ジャズファンが大注目中。

レーベルの特徴

  1. アヴァンギャルドな名盤多数の“伝説のレーベル”
  2. ジャズ界の一大アイコン=ジョン・コルトレーンの代表作がズラリ。
  3. 現在もフランスを拠点に大御所から若手まで名盤を輩出!

代表的なアルバム

  • 掛け値なし!大名盤!

    至上の愛/ジョン・コルトレーン

    サックス奏者の大巨頭=ジョン・コルトレーンの代表作にして、ジャズ史を代表する大名盤。米ローリング・ストーン誌の名盤 100 選にも選ばれました。

    通常音源 ハイレゾ

  • 美メロ満載!

    バラード/ジョン・コルトレーン

    アグレッシヴな演奏を聴かせる『至上の愛』に対して、つややかな演奏を聴かせるバラード集。永遠のロングセラーとして色あせない名盤。

    通常音源 ハイレゾ

  • カリスマの初期名作!

    生と死の幻想 /キース・ジャレット

    現在もカリスマ的人気で世界中で演奏活動を続けているピアニスト=キース・ジャレットが、カルテット(4 人編成バンド)で残した超人気作。

    通常音源 

アーティスト紹介

伝説のサックス奏者=ジョン・コルトレーン、 そして「至上の愛」「神の寵愛を受けた」サックスの聖人

①わずか 10 年強の活動期間でカリスマへ…

デビュー直後からマイルス・デイヴィスなど実力派のバンドに所属していたコルトレーン。ただ、当時蔓延していたドラッグや、深酒がたたりバンドをクビに…しかし 30 歳を過ぎ麻薬を絶つと、天才ピアニスト=セロニアス・モンクに弟子入り。「神の恩恵を受けた」というコルトレーンは見違えるように覚醒。その後ジャズ・シーンをリードしましたが 40 歳という若さで急逝。活動期間は短いもののその功績を慕い、今でもカリスマ的人気を誇っています。

②速射砲のような演奏スタイル

成熟したコルトレーンは連続音符の“音を敷き詰めた”ような演奏で「シーツ・オブ・サウンド」と称され後進に影響を与えました!

③フリー・ジャズへと深化した音楽性

和音(コード)進行から離れ、メロディの配列からアドリブを展開する“モード奏法”をマイルス・デイヴィスから学び、追求したコルトレーン。その演奏は公民権運動の流れに乗ってより鋭くなり、制約をなくした“フリー・ジャズ”へと深化していきました。彼の死後もそのスタイルを継承するアーティストは多く、60 年代に一大ムーヴメントとなりました。

アーティストページ

コルトレーンが「神へ捧げた」名盤、『至上の愛』
2017年は没後50年

①4つの組曲からなる、ジャズの聖典

パート 1:承認(Acknowledgement) パート 2:決意(Resolution)パート 3:追求(Pursuance)   パート 4:賛美(Psalm)という 4 つの組曲からなるこのアルバムは、1964 年に録音。「私はグールー(導師)になりたい」と語っていたコルトレーンが、全身全霊を傾けた神への愛の形なのです。

②ジャンルを超えて称賛される名盤!

リリースは 1965 年ですが、セールス的にも大ヒットを記録。『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム 500』で 47 位にランクインし、アメリカを代表する科学、産業、技術、芸術を研究/展示しているミソニアン博物館のコレクションにも選  ばれています。更にアメリカ国立博物館の“アメリカ史の宝”として所蔵されています。

③昨年は初来日から50年!

1966 年ビートルズ来日直後の 7 月8 日から 17 日間計 12 公演という強行スケジュールでの来日公演を行いました。

数多くのアーティストに影響を与えた『至上の愛』、ジャズ・ミュージシャンだけでなく、様々なジャンルのアーティストに影響を与えたコルトレーン及び『至上の愛』。中でも有名なのはアイルランドのロック・バンド U2 のボノ。様々なインタビューで影響を受けたアルバムとして『至上の愛』を挙げ、更に彼らのシングル「Angel of Harlem」の中には、「We got John Coltrane and “A Love Supreme”」という歌詞があるほど。