「Verve」ジャズ100th レーベル紹介
Verve/ヴァーヴ
【創立】1956年
【創立者】ノーマン・グランツ
【創立地】ビバリーヒルズ
【主要アーティスト】オスカー・ピーターソン / エラ・フィッツジェラルド / スタン・ゲッツ 他
ヒストリー
ヴァーヴはスウィングからモダンまで幅広く網羅、厖大なカタログを所有するレーベル。ロサンゼルス出身のノーマン・グランツがビバリーヒルズで 1956 年に創設した。
ヴァーヴにはオスカー・ピーターソン、ビリー・ホリデイ、レスター・ヤング、ベン・ウェブスター、エラ・フィッツジェラルド、チャーリー・パーカー、スタン・ゲッツなど数々のビッグ・ネームのリーダー・アルバムが多数録音されており、大物同士の夢の共演がレーベルの大きな売りものでもあった。
また、オスカー・ピーターソンのトリオ・シリーズ、エラ・フィッツジェラルドの作曲家シリーズ、チャーリー・パーカーをはじめとするストリングス・アルバムなども人気企画である。草創期のレコード・ジャケットを数多く手がけたデヴィッド・ストーン・マーチンのイラストも人気。
1961 年にグランツはヴァーヴを MGM に売却してしばらく引退。それ以降はクリード・テイラーがヴァーヴのプロデュースを担当し、スタン・ゲッツのボサ・ノヴァなど次々に大ヒットを放っていった。2011 年にはグラミー賞 16 回受賞の巨匠プロデューサー=デイヴィッド・フォスターが会長に就任。ジャズの女王=ダイアナ・クラールをはじめ、渡辺貞夫、小曽根真、山中千尋など世界的人気アーティスト多数のレーベルとなり、ジャズ界のみならず、ミュージック・シーンをリードするレーベルとして新たな躍進を遂げた。
レーベルの特徴
- ジャズのビッグ・スターたちの名盤が多数
- デヴィット・ストーン・マーチンのイラスト・ジャケットがキュート!
- 現在も巨匠デイヴィド・フォスターが世界的ヒット作を連発中!
代表的なアルバム
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ボサ・ノヴァの金字塔!
ゲッツ/ジルベルト /スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト
ボサ・ノヴァ・ブームを世界中に巻き起こした大名盤!全米アルバム・チャート 2 位を記録し、収録曲「イパネマの娘」も全米シング ル 5 位。そして、グラミー賞ではアルバムが 2 部門(最優秀アルバム賞、最優秀エンジニア賞)を受賞し、「イパネマの娘」が最優秀 レコード賞を受賞しました。
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超豪華共演盤!
エラ&ルイ/エラ・フィッツジェラルド&ルイ・アームストロング
1964 年に 3 か月以上全米チャート 1 位を記録していたビートルズの記録をストップさせるなど、 ジャズを全世界に広め“ジャズの王様”と呼ばれたルイ・アームストロングと、“ファースト・レディ・オブ・ジャズ”と呼ばれたエラ・フィッツジェラルドの 2 大スター共演盤!ヴァーヴならではのビッグ・スターのコラボで、演奏も当時人気絶頂だったオスカー・ピーターソンのバンドが務めるなど、超豪華!
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不朽の名作!
ナウズ・ザ・タイム/チャーリー・パーカー
第 2 次世界大戦後、大人数編成(ビッグ・バンド)による“スウィング・ジャズ”から、少人数編成による、より複雑で高度な技術を追求するようなアドリブを交えた“ビバップ”というスタイルを確立させたモダン・ジャズの父チャーリー・パーカーの代表作!その流麗なアドリブは自由に羽ばたく鳥のよう…ということで“バード”と異名された彼の真骨頂が味わえます!
初期のヴァーヴを彩った、デヴィット・ストーン・マーチンの名作ジャケット
デイヴィッド・フォスターが退任し新たなスタート!
トニー・ベネットの息子=ダニー・ベネットが社長へ…伝統への回帰!
グラミー賞主要部門である最優秀アルバム賞とレコード賞をそれぞれ2 回、最優秀プロデューサー賞3 回を含め現在までにグラミー賞16 回受賞している現代の巨匠=デイヴィッド・フォスター。約 5 年にわたって Verve の会長を務めてきましたが、2016 年末に退任。後任にはあの大御所シンガー=トニー・ベネットの息子にして、長らくテレビ業界などで活躍したダニー・ベネットが就任。フォスターが残したポップス路線は継続しつつも、“アメリカ音楽の名門 Verve”への回帰を宣言。
ジャズのみならず、さまざまな名作を排出しミュージック・シーンをリードしてきた Verve復権へ向け着々を企画が進行中です。
現代Verveレーベルのトップアーティスト!
JAZZだけじゃない!?ROCKの名盤も多数のVerve
『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』伝説のロック・バンド=ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビュー作!プロデューサーを務めたアンディー・ウォーホルによるジャケットも有名ですが、アメリカのローリング・ストーン誌“オールタイム・グレイテスト・アルバム 500”で 13 位に選出された超名盤。ウォーホルの提案で当時モデル&歌手として活動していたニコが参加。ニコは Verve に残るビル・エヴァンスの名盤『ムーン・ビームス』のジャケットにも登場しました。(↓写真左)そして、フランク・ザッパをリーダーとするマザーズ・オブ・インヴェンションのデビュー・アルバム『フリーク・アウト!』もVerve に残るロックの名盤です(↓写真右)
4人の革命的プロデューサーによるVerveの歴史
JAZZ大好き青年だったノーマン・グランツが、大御所ジャズ・ミュージシャンを集めて行ったツアー=ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック(JATP)を立ち上げたのが1944年。それから様々なレコーディングを経て、当時人気絶頂だった“ファーストレディ・オブ・ジャズ”エラ・フィッツジェラルドとの契約を機に立ち上げたVerve。偉大なジャズ・アーティストが素晴らしいポップスの名盤を生み出し続けたVerve60年はまさに、時代をリードする4人の革命的プロデューサーたちが彩った歴史なのです。
◆スーパー・スター勢揃いでのジャズの興行=ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック(JATP)を立ち上げ。コンサート・プロモーターとしてキャリアをスタート。
◆当時ビッグ・バンドによるダンス・ミュージック・スタイルのジャズが流行する中で、JATPのステージをはじめ、当時としては前衛的だったジャム・セッションのレコーディングを敢行。当初大手レコード会社から相手にされなかったそれらのレコーディングが大ヒット!まさに革命者。
◆impulse!や CTI というビッグ・レーベルを立ち上げたヒット・メーカー。
◆まだ世界的に全くと言っていいほど無名に近かったボサ・ノヴァに着目。グラミー主要部門 2 冠を達成した大名盤『ゲッツ/ジルベルト』を世に送り出し、世界的にボサ・ノヴァ・ブームを巻き起こすなどジャズ界に新たな息吹を 吹き込んだ
◆ウェス・モンゴメリー・やジミー・スミスなどの名作も数多く手がけた稀代のプロデューサー!
◆マイルス・デイヴィスやジョージ・ベンソンのプロデュースも行ったジャズ界の重鎮プロデューサー。あのポール・マッカートニーがジャズ・アルバムを制作した際もプロデューサーとして参画した大物。
◆90 年代にはフュージョンやAOR の名作を数多く手がけるなど幅広く活躍。YMO をアメリカに紹介したのもこの人。
◆90 年代に Verve の会長に就任し、秘蔵っ子ダイアナ・クラールの名作を数々リリース。ピアノ弾き語りのヴォーカルという斬新なスタイルで、ジャズ・ブームを再燃させた。
◆グラミー賞 16 度受賞。携わった作品のトータル・セールスが 5 億枚越えという現代最高のプロデューサー。
◆Verve の看板ダイアナ・クラールの初となるポップス・カヴァー・アルバムを世界中で大ヒットさせ、またその人脈で、アンドレア・ボチェッリといったクラシック界の大御所から、メアリー・J.ブライジやロッド・スチュワートなどあらゆるジャンルのアーティスト、更にはディズニー・リゾート開業 60 周年記念アルバム『We Love Disney』といった作品をVerve からリリース。ジャズ・レーベルという枠を超え、ヒットを量産中の生きる伝説。