すすめ!ハイレゾ横丁 〜ハイレゾくんと学ぶハイレゾ講座〜 第8回「春、新生活にオススメのハイレゾ」

最近話題のハイレゾ。これはハイレゾ愛にあふれた若者+おじさんの物語である。

 

 

登場人物

ハイレゾくん 音楽が大好き。ハイレゾにも興味を持つ好奇心旺盛な青年。

オーディオおじさん 隠居生活をしているオーディオ好き。

ハイレゾ子 隠れオーディオ女子。趣味は三度の飯。ハイレゾくんの恋人。

レゾ郎 忍者のくせにハイレゾが好き。ハイレゾくんの遠い親戚。

 

 

第8回 春、新生活にオススメのハイレゾ (前回はこちら

 

オーディオおじさん ようやく陽気が良くなってきた。春じゃのう。

ハイレゾくん 新生活の始まりですね。

ハイレゾ子 だからのんびりしていちゃだめ。ハイレゾ横丁としても、新しいスタートにふさわしいハイレゾを取り上げてみましょう。

ハイレゾくん いい考えだね。では年の功でオーディオおじさんから。

オーディオおじさん 年の功は余計じゃが、いいだろう。ワシのオススメはヴィヴァルディの協奏曲集〈四季〉じゃな。特に最初の「春」。これ以上春らしい曲もあるまい。

 

ヴィヴァルディ:協奏曲集<四季>/Gidon Kremer, Leslie Pearson, London Symphony Orchestra, Claudio Abbado

ヴィヴァルディの協奏曲集「四季」

試聴・購入 [FLAC|96.0kHz/24bit]

 

ハイレゾくん 春に〈四季〉なんて、ちょっとベタですが、確かに心が高揚します。

オーディオおじさん 〈四季〉は侮れないよ。じっくり耳を傾けてもいいし、通勤通学のBGMとして聴いてもいい。最初の「春」があまりに有名だけど。「夏」「秋」「冬」もいい曲だよ。案外テレビCMで耳にしているんじゃないかな。

ハイレゾ子 「冬」はこの前の平昌オリンピックのアイススケートで、宇野昌磨くんがショートプログラムに使っていたわ。印象的な曲でした。宇野くんもカッコよかったぁ!

オーディオおじさん 確かに宇野くんはカッコよかった。ワシももう少し若かったら……。

ハイレゾくん スケートはともかく〈四季〉はハイレゾだと聴き応えがあるでしょうね?

オーディオおじさん 〈四季〉のハイレゾは数種類配信されているが、これはギドン・クレーメルがソロ・ヴァイオリンを弾いたハイレゾじゃ。ソロ・ヴァイオリンとオーケストラの描き分けがハイレゾならでで、ジャケットも春らしいぞ。

ハイレゾ子 プレイヤーのディスプレイに表示されたらステキなジャケット。

ハイレゾくん クラシックの後は元気の出る曲が聴きたいですね。

オーディオおじさん 元気が欲しいならまかせておけ。わしらの世代にはとびっきりの応援歌があるぞ。坂本九の「上を向いて歩こう」だ。(坂本九のモノマネで)うえほ、むふいて〜♪

 

ハイレゾxベスト 坂本九/坂本 九

坂本九「上を向いて歩こう」

試聴・購入 [FLAC|96.0kHz/24bit]

 

ハイレゾくん 生まれる前の曲だけど、僕もキュンときます。(一緒に歌う)おもい、だす〜、はーるのひ〜♪

ハイレゾ子 「上を向いて歩こう」はいまだに日本人で唯一の、アメリカのヒットチャート1位になった曲ね。「スキヤキ・ソング」と言われているのを知ってる。

オーディオおじさん モノラルだけどハイレゾでは艶やかで実がある音じゃ。とても50年以上前の音には思えない。

ハイレゾくん 社会人になると時にはへこたれることもある。そんな時には「上を向いて歩こう」を聴いて立ち直ろう。

ハイレゾ子 ハイレゾくんは、ぜひプレイヤーに入れておくべきね(笑) 

オーディオおじさん あと坂本九では「明日があるさ」もとびっきり元気が出る曲だ。歌おうか?

ハイレゾ子 いえ、もう十分です(苦笑) 他に、私たち若者にもガツンとくるようなハイレゾはありませんか?

オーディオおじさん そういうことならアメリカン・ロックのシカゴはどうじゃ。「Beginnings」は、春らしく軽快なギターから始まる。ハイレゾだとブラスが厚みのある音で聴けるぞ。

 

Chicago IX: Chicago's Greatest Hits/Chicago

シカゴ「Beginnings」

試聴・購入 [FLAC|192.0kHz/24bit]

 

ハイレゾくん 確かにノリがいい。シカゴって硬派なイメージだったけど、意外とメロディアスですね。

オーディオおじさん そのとおり。ベスト盤『Chicago IX: Chicago’s Greatest Hits』を聴けば、彼らのヒット曲がすごくポップなのが分かる。前向きで気分が高揚する曲が多いから、新生活にはピッタリだと思う。

ハイレゾ子 お二人にはシカゴがピッタリでしょうけど(笑) J-POPを聴くファンも多いので、次は元気のでるJ-POPのハイレゾを紹介してください。

ハイレゾくん それなら僕にまかせて。僕のオススメのハイレゾはYUKIの「さよならバイスタンダー」。最近アニメにハマっているんだ。この曲はNHKで放送している『3月のライオン』のオープニングテーマ。最近のアニソンにはいい歌が多いんだよ。

 

YUKI「さよならバイスタンダー」

試聴・購入 [FLAC|96.0kHz/24bit]

 

ハイレゾ子 アニメって曲だけでなくカワイイ女の子が出てくるから好きなんじゃないの?

ハイレゾくん そう言われると否定できないけど……(苦笑) でも「さよならバイスタンダー」はプロ棋士として戦う桐山零の心情に寄り添った、前に踏み出す勇気をくれる曲だよ。

ハイレゾ子 うん、私も『3月のライオン』は知ってる。『ハチミツとクローバー』の羽海野チカ先生が原作よね。私も昔からファンよ。

オーディオおじさん ワシも早速ハイレゾを聴いてみたが、バンドの音がアナログ・ライクで迫力があるのう。

ハイレゾくん もう1曲オススメがあるよ。花澤香菜の「春に愛されるひとに わたしはなりたい」。いきものがかりの水野良樹さんが作詞作曲で、佐橋佳幸さんがサウンドプロデュースした楽曲。

 

春に愛されるひとに わたしはなりたい/花澤 香菜

花澤 香菜「春に愛されるひとに わたしはなりたい」

試聴・購入 [FLAC|96.0kHz/24bit]

 

ハイレゾくん 佐橋佳幸さんは小田和正や山下達郎といった、そうそうたるミュージシャンの作品に参加しているギタリストでもある。そして花澤香菜の“癒しボイス”が、またいいんだ!

ハイレゾ子 ちょっと何デレっとしてるのよ。でもくやしいけど、この人の声は確かに癒される。春ののどかなイメージにぴったりと合っているわ。

オーディオおじさん ふむふむ。では最後に“ハイレゾ娘”の選んだハイレゾを聴こうか。

ハイレゾ子 わたしが選んだのはリトグリの「好きだ。」

 

Little Glee Monster「好きだ。」

試聴・購入 [FLAC|96.0kHz/24bit]

 

ハイレゾくん 年末の紅白にも出ていたLittle Glee Monsterだね。5人のコーラスワークが、ハイレゾだとより立体的に聴こえる。ブレスの位置もはっきりわかるから、ひとりひとりの個性を聴き比べるのも楽しい。

ハイレゾ子 歌詞もすごく新生活を後押ししてくれるわよ。「見えない壁壊そう」とか「跳べ!」といった歌詞に、「がんばらなきゃ」って気持ちにもなるわ!

ハイレゾくん しかしこのサビのフレーズは、カラオケで歌われたら照れくさいね(笑)

ハイレゾ子 そんなことない。今からカラオケに行って歌おうよ。

ハイレゾくん 「そだねー」

オーディオおじさん おいおい、二人だけで盛り上がるな。ワシも連れていってくれ。坂本九を歌うから……。

(次回に続く!)

 

新生活、おめでとうございます!

 


 

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牧野 良幸 プロフィール

1958年 愛知県岡崎市生まれ。
1980関西大学社会学部卒業。
大学卒業後、81年に上京。銅版画、石版画の制作と平行して、イラストレーション、レコード・ジャケット、絵本の仕事をおこなっている。
近年は音楽エッセイを雑誌に連載するようになり、今までの音楽遍歴を綴った「僕の音盤青春記1971-1976」「同1977-1981」「オーディオ小僧の食いのこし」などを出版している。
2015年5月には「僕のビートルズ音盤青春記 Part1 1962-1975」を上梓。

マッキーjp:牧野良幸公式サイト

 

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