[mora限定インタビュー] 『テイルズ オブ』シリーズタイアップ ダブルAサイドシングル発売記念!FLOW ハイレゾを語る!

『テイルズ オブ』シリーズ20周年記念TVアニメ「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」オープニング主題歌となる「風ノ唄」と、PS3、PS4用ゲームソフト「テイルズ オブ ベルセリア」のオープニングテーマとなる「BURN」からなるダブルAサイドシングル「風ノ唄/BURN」をリリースしたFLOW。

彼ららしいたたみかけるような勢いと、厚みのあるアレンジが互いを引き立てるように前へと進んでいく2曲がmoraでハイレゾ配信もスタート。より進化と深化を遂げた彼らがハイレゾの音質や魅力について語ってくれた。

 

インタビュー&テキスト:油納将志

 


 

「風ノ唄 / BURN」Special Edition

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──まずは初めてハイレゾを聴いたときの印象を教えてください。
 

TAKE 2014年にリリースした僕らとGRANRODEOのコラボ・シングル「7 -seven-」が製品として聴いた初めてのハイレゾです。もちろん、レコーディングしている時に聴いている音はハイレゾとほぼ同じ音質ですが、ヘッドホンとウォークマンで聴いた「7 -seven-」のハイレゾはその時の制作シーンがよみがえってくるようなリアル感がありました。

KEIGO ぼくも「7 -seven-」ですかね。でも、それ以来はあまりハイレゾに触れることがなくて、今回の企画でハイレゾと真剣に向き合う機会ができて良かったです(笑)。

KOHSHI 左に同じく(笑)。まさにいい機会です。

IWASAKI 左に同じく(笑)。

GOT’S (笑)。ぼくは世代的にTM NETWORKがど真ん中なんですけど、懐かしくなってハイレゾで聴いたら、何これ違う!って驚きました。自分たちの曲はレコーディングしたまんまの高音質で聴いていますし、何より演奏している側なのであまり驚きはないんですけれど、CDで聴き慣れていたアーティストの作品をハイレゾで聴いてみると、CDでは聴き取れなかったギターの音の揺れや奏法の細かいニュアンスなどがわかるようになったんですよね。
何度も聴いてきた作品だけに、その違いがわかるんですよね。

 

──それでは「風ノ唄/BURN」を聴いてみてはいかがでしたか?

TAKE ゲーム感覚でハイレゾとWAVの聴き比べをしてみたんです。それもどちらがどちらかがわからないように。でも、すぐにどちらがハイレゾかがわかりましたね。イントロの立体感や一音一音の粒の細かさとか、ドラムのキックの豊かな鳴りや奥行きも出ていて、音が視覚的に感じ取れると思いました。当てられなかったら、ミュージシャンとしてどうよ?ということなわけでドキドキでしたが(笑)、面目躍如できましたね。

我々が普段、スタジオでこだわってひとつずつ音作りをしていることがわかってもらえるのが何よりうれしいですし、音の輪郭や楽器がどのあたりで鳴っているかの定位も含めて再生できるようになったのは最高です。
特に今回の「風ノ唄」に関しては生のストリングスをフィーチャーしているんですが、その立体感や奥行き、弦の振動を感じてみてほしいですね。ハイレゾは弦楽器や管楽器を美しく再現できるのでクラシックとの相性が良いとよく言われますが、「風ノ唄」のストリングスも聴きものだと思いますので、ぜひそこに注意して聴いてみてください。

 

KEIGO 「BURN」のストリングスは打ち込みなんですけど、こちらもきれいに表現できているなと感じました。音がふわっと広がっていくというか。自分のヴォーカルの位置感やバンドの立体感も出ていましたし、やっぱりいいですねハイレゾ。

 

KOHSHI 圧縮音源特有の音が面となって聴こえる感じがしないですよね。左右前後の奥行きが生まれる。「BURN」のサビ頭のヴォーカルのヒリヒリ感がしっかりと生きているのには驚きましたね。サビ頭の「鮮やかな~」というフレーズはレコーディングしている時も気持ちを入れていたので、そのパンチ感が表現されているのはうれしかったです。グッと前に来る勢いを感じてもらえるはずです。

 

IWASAKI 僕はドラムでアコースティック楽器を演奏するわけですが、やはりハイレゾは生楽器に向いていることを再確認しました。アナログ盤からCDへと移行した時にアナログ盤の方が音が良いと言われる時期がありましたが、まだデジタル・レコーディングの技術の進化が追いついていなかったからそう言われていたんですよね。今は出せていなかった音がデジタルでもしっかりと引き出せるようになった。

ハイレゾではさらにアナログ盤にあった音の滑らかさもうまく再現されているように感じますね。シンバルの高音の揺れやスネアのスナッピーが面に当たっている様子もしっかりと表現できていますし。ドラムのキットがどのあたりにあるかという定位感も、ピアニシモからフォルテシモまでのダイナミクス感もすばらしい。CDはCDで音がひとつになって飛び込んでくるような一体感はありますが、ハイレゾは音の強弱がはっきりと感じられて個々に迫ってくるようですね。

 

──今回、レコーディング時に特に意識したことはありますか?

TAKE レコーディングの現場ではずっと96KHz/24bitで録ってきたわけですが、録り進めていくと膨大なデータ量になっていくわけですよ。なので、毎回間違えてはいけない、間違えてはいけないという強迫観念の元にやっています(笑)。自分は自宅でプロトゥールスを使ってデモを 作るんですけど、そのデモも96KHz/24bit。

中音域の強さが出るロック向きの48KHz/24bitも好きなので、48KHz/24bitのデモを後で96KHz/24bitにアップスケールすることもあります。楽曲にもよると思うんですよね。例えばパンク・ロックがハイレゾに向いているかと言うと、必ずしもそうじゃない。アレンジの積み重ねを美しく、はっきりと聴いてもらえるフォーマットとしてハイレゾは最適だと思うので、ストリングスやバグパイプをフィーチャーした「風ノ唄」の聴きどころを作ってくれていると思います。

 

──FLOWは特にサウンドの厚みもありますし、何と言ってもツイン・ヴォーカルなのでユニゾンをいかに表現していくのかが魅力のひとつだと思います。その魅力を最大限に引き出してくれるのがハイレゾなのではないでしょうか。

KOHSHI 声の質感や艶やかさはヤバかったですね。今までは、ここ力入れているのにな、というところが表現し切れないときがあったりしたので。これまではスタジオと家で聴くときとは明らかに違ってしまっていたのが、家でもスタジオと限りなく近い音で聴ける。

 

KEIGO 「風ノ唄」の中盤あたりのユニゾンははっきりと聴き分けられますしね。ふたりで歌っているという存在感が打ち出せていると思います。クラシックだけじゃなく、ハイレゾはツイン・ヴォーカルにもオススメ(笑)!

 

──聴き手の方々にハイレゾで聴く「風ノ唄/BURN」は、こんなにもいいというポイントを教えてください。

KEIGO やっぱりユニゾンの存在感。今までFLOWを聴いてきてくれた方々のイメージとして固定化された俺とKOHSHIの声の絡み方や癖が、良い意味で違ってくると思います。そこを楽しんでみてください。ですので、過去の作品もどんどんハイレゾ化していってほしいですね。あ、でも未熟だったところもはっきり見えちゃうか(笑)。

 

KOHSHI 1曲を通して、ずっと同じ歌い方はしていないので、その変化ぶりにも注意しながら聴いてほしいですね。声のニュアンスや言葉尻のブレスも明確に捉えられるので、ハイレゾを聴いてカラオケで歌ってみたいと思う方も増えるんじゃないでしょうか。ヴォーカリストとしてライバルも増えそうですけど(笑)。

 

TAKE 一音一音の粒の出し方が変わって、立体化や定位感が明確になっていく上ではそれぞれが演奏していること、歌っていることがわかりやすくなると思うので、ベース好きならベースの音をより集中して聴けるでしょうし、ドラム好きには立体感を楽しめるはずです。またツイン・ヴォーカルが出入りするスリリングな展開もハイレゾになってゾクゾクとするんじゃないでしょうか。

 

GOT’S 単純明快にこれを作りましたって、変化することなくそのまま差し出せるのがいいですね。これまではみんな、僕らがスタジオで聴いていた音を聴くことができなかったわけですが、ようやく一緒に楽しめるようになった。ベースのジャリっとした音質など、これまでは自分にしかわからないんだろうなと思いながら作っていた部分もあります。自分はそれで気持ち良く演奏しているんですけどね、こだわってやっているので。でも、その独りよがりみたいな部分=一番の演奏を届けたいという気持ちと試みがハイレゾではわかってもらえるようになると思うんです。

 

IWASAKI ハイレゾ音源で僕らがイメージしたままの、同じ音を楽しめるということを、まだまだファンの皆にも知らせていく必要がある。「風ノ唄/BURN」がその広まるきっかけになればいいですね。倍音がよく聴こえるので、ドラム本来の音に接してみてほしいですね。キックもローだけでなく、ローの倍音でハイが出ているところとか、聴きどころを探す楽しみもあると思います。

 


 

アー写

左から GOT’S  KEIGO  IWASAKI  KOHSHI  TAKE

FLOW
ツインボーカル、ギター、ベース、ドラムの5人組ミクスチャーロックバンド。
兄弟であるKOHSHI(兄、Vo)、TAKE(弟、G)が1993年から音楽活動を始め、1998年にFLOWを結成。99年にKEIGO(Vo)、GOT’S(B)、2000年にIWASAKI(Dr)が加わり現在の形となる。

2003 年にシングル「ブラスター」でメジャーデビューし、その後アニメ『NARUTO- ナルト -』オープニングテーマ「GO!!!」「Re:member」や『NARUTO- ナルト – 疾風伝』オープニングテーマ「Sign」、など多くのヒット作を世に放つ。
リリースされるシングル作品は特にアニメとの相性が良く、数多くのアニメ作品のテーマ楽曲を手がけ、長年に渡り高い評価を得ている。

さらにエネルギッシュで圧倒的なライブパフォーマンスは圧巻。
2008年には日本武道館単独公演を成功させ、昨今では日本全国でのライブはもちろん、世界各国で行われるFESからも多数のオファーを受け、2006年以来10年間で15ヶ国以上もの国でライブを行う記録的数字を持っている。

2015年には自身第2弾となるアニメベストアルバム「FLOW ANIME BEST 極」をひっさげ、日本、台湾、アメリカ、カナダ、ブラジル、ペルー、チリ、アルゼンチンの世界8カ国で公演を行う初のワールドツアー「FLOW WORLD TOUR 2015 極」を開催。国境を越えて音楽を届け続けている。

2016年8月24日に31枚目となるDouble A-Side Single「風ノ唄/BURN」をリリース。
9月からは「FLOW LIMITED CIRCUIT 2016」を開催。