【麻枝 准インタビュー】インスピレーションは小室サウンドから?念願のRPG制作『ヘブンバーンズレッド』と、ゲーム音楽への思い

9月15日(木)からスタートしたゲームミュージックプライスオフ2022では、最新作から往年の名作まで数々のゲームのサウンドトラックがセール中。今年の2月に配信スタートした人気ゲーム『ヘブンバーンズレッド』を手掛けた麻枝 准の作品も対象として登場。これまで手掛けたゲーム音楽はどのようにして制作されてきたのか。幼少期からの記憶をたどり、制作にかける思いを語っていただきました。

[麻枝 准]

三重県出身。1975年1月3日生まれ。株式会社ビジュアルアーツ傘下のゲームブランドKeyに所属するゲームシナリオライター、音楽プロデューサー。関連楽曲がmoraでも人気ランクイン!2022年2月、15年ぶりのゲーム完全新作となったスマホゲーム『ヘブンバーンズレッド』が配信スタート。

 

子供の頃電気屋の店員さんに言われました、“神童が現れた”って(笑)

――幼いころはどんな子供でしたか?

麻枝 准さん(以下麻枝):小学生の頃からパソコンでゲームを作ったり、当時でいうゲームブックを作ったりして、ひとを楽しませることが好きな少年でした。親にPC-6001mk2を買ってもらったことをきっかけに「マイコンBASICマガジン」の購読を始め、プログラムを打ち込んではゲームを走らせて遊ぶのが好きでしたね。

 

――お兄さまが所持していたパソコンを使い、独学でゲームを作成されていたようですが、どのようなゲームを作成されたのでしょうか?はじめて制作したゲームの出来栄えはいかがでしたか?

麻枝:仲間が勝手に考えて戦ってくれるRPGを作っていました。作ったゲームが「マイコンBASICマガジン」に掲載されたので、出来栄えは良かったのだと思っています。電気屋のパソコン売り場に張りついて、即興で簡単なプログラムを走らせている小学生を見て、店員が「神童が現れた・・・」と、口々にしていたらしいと親が言っていましたね(笑)。

 

――特に好きだったゲームジャンルを教えてください。

麻枝:RPGが特に好きでした。反射神経を必要とするアクションやシューティングゲームは苦手だったのですが、RPGは時間をかけることで、敵とのパワーバランスを自分で破壊できるのが好きでしたね。ファンタジーにどっぷり浸かっていたこともあり、魔法と剣の世界観が好きだったことも大きいです。特によく遊んでいて好きだったのは、パソコン向けのRPG『アスピック』。“PC-6001mk2の性能の限界”に挑戦したような、すごいRPGでした。エンディングの暗さも好きでしたね。『イース』、『イース2』の音楽も、FM音源の使い方といい、曲といい、何もかもが素晴らしくて印象に残っています。

 

――いつ頃から“将来はゲーム制作の道へ進みたい”と思ったのでしょうか。

麻枝:大学生になっても、ゲームを作ったり小説を書いたり、作曲もしていたので、自然とゲーム会社を志望するようになりました。しかしことごとく落ちて・・・。絶望しかけましたね。

 

“小室哲哉が作るメロディが大好き” 理由は今も分かりません

――シナリオライターとして、ゲームのシナリオはどのように検討されていますか?

麻枝:定期的に泣ける映画や小説をネットで調べて、それを観たり読んだり・・・。そういうアンテナだけは最低限張ってリサーチするようにしています。

 

――これまでご自身が手掛けた作品で、特に印象深いゲームは何ですか?

麻枝:やはり『Kanon』ですね。その中のひとつのストーリー「真琴シナリオ」で、ようやく自分がシナリオライターとして当時のKeyファンに認めてもらうことができたから。反対に、『CLANNAD』は延期に延期を重ね、4年も制作期間を費やしたこともあり、大変だったな・・・。という記憶しかありません。

 

「Kanon ORIGINAL SOUNDTRACK」
VisualArt’s / Key Sounds Label

通常

「CLANNAD ORIGINAL SOUNDTRACK」
VisualArt’s / Key Sounds Label

通常

――作品の中に必ず“泣き要素”があるとのことですが、理由はあるのでしょうか?

麻枝:『Kanon』の企画、メインライターを務めた久弥直樹くんが“泣きゲー”なる新たなジャンルを生み出し、業界に旋風を巻き起こしたことが影響しています。自分はそれを引き継ぎ、今でもかつての彼の背中を追い続けています。音楽を制作するうえでも“泣き要素”はBGMに関してはすごく意識しています。ボーカル曲も、泣かせどころで流れてくるような挿入歌は、必殺級の曲を用意するようにしています。“聴いているだけで涙腺が緩むような曲作り”を常に目指しているので、シナリオがより盛り上がるように、曲との合わせ技で泣けるように演出を組むようにしています。 moraで実施中のゲームプライスミュージックプライスオフ2022のラインナップにある『Key+Lia Best 2001-2010』は、発売当時の自分のベスト盤と言っても過言ではないほど、自信がある曲がこの一枚に詰まっています。是非聴いてみてくださいね。

「Key+Lia Best 2001-2010」
Lia

通常

 

――TM NETWORKに影響を受けて、独自に音楽も幼少の頃から制作していたとこのことですが、TM NETWORKのどんなところに惹かれていたのでしょうか?

麻枝:正直なところ・・・それは自分でもよく分っていないんです。今でもよく聴きますし、“小室哲哉が生み出すメロディが大好きだった”としか答えようがないくらい、純粋に大好きです。実際に自分がこれまで手掛けた音楽も、頻繁に小室進行を使っていますし、小室哲哉にリンクしない曲を探すほうが大変なぐらい多大な影響を受けていますね。

 

長年の夢を叶えられるなら、“なんだってやってやる”

――今年の2月に配信された、ヘブンバーンズレッド(以下ヘブバン)は15年ぶりのゲーム完全新作とのことで、リリースまでかなり長い道のりがあったと思います。今作を制作するにいたった経緯を教えてください。

麻枝:“協業でRPGを作ってみませんか”というWright Flyer Studios さんからのご提案がはじまりです。自分にとって新たな挑戦になりましたが、業界に入った時からRPGを作ることは夢だったので、なんだってやってやる、という意気で臨みました。ノベルゲームとは違い、RPGは様々な場面でちょっとした会話が発生するのですが、その会話の全てを執筆、監修しきることが大変でした。

 

――楽曲も連続的に配信されていて、moraでも配信されるたびに上位にランクインしています。今作の音楽制作においてのこだわった点はどのようなところですか?

麻枝:“スマートフォンゲームは音をオフにしてプレイされることがほとんど”と聞いていたので、音をオンにしてプレイしたくなるくらい良い曲を作る。自分に大きなハードルとして課していました。音ゲーでもないのに、これだけ定期的に配信できるくらい、ボーカル曲が流れるRPGは他にないのではないでしょうか

 

――今後はどのようなゲーム・ゲーム音楽を手掛けていきたいですか?新たな展望をファンの皆さまへ少しだけ教えてください。

麻枝:しばらくはヘブバン内で流れる曲をコツコツと、作り上げることに専念していきたいと思っています。今後も楽しみにしていてください。

インタビュー:mora スタッフ

 

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