【TRUEインタビュー】言葉を愛し続けたTRUEが紡ぐ 4thアルバム「コトバアソビ」リリース。

伸びやかでパワフルな歌声と圧倒的な表現力で私たちを魅了し続けているアーティスト「TRUE」が約3年ぶりとなる、4枚目のオリジナルアルバム「コトバアソビ」を8月25日にリリース。ニューアルバムには、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『転生したらスライムだった件』等のアニメ作品を彩った人気曲を含む全13曲収録のバラエティに富んだ内容となっている。インタビューでは、音や言葉でとことん遊んだという本作「コトバアソビ」の世界をたっぷり語っていただいた。

「コトバアソビ」
TRUE

TRUEコトバアソビ

試聴・購入 [ハイレゾ] 

AAC 試聴・購入

 

皆さんと共鳴し合える楽曲を

――今回は約3年ぶりのアルバムリリースですが、今の率直な気持ちを教えてください。

TRUEさん(以下、TRUE):前作から3年空くとは自分でも思っていなくて、いつの間にか3年経っていたなという感覚なんですけど、改めてこの3年で感じたことを言葉や音楽に出来るのは有難いことだなと思っています。そして、純粋に皆さんに新曲をたくさんお届けできるということがただただ嬉しいです。

 

――本作も全編作詞を手掛けられていますが、3年前と比べて自身の作詞スタイルに変化はありましたか?

TRUE:変化はあったんじゃないかなって思います。特に、表題曲「MUSIC」にもそれが顕著に表れていると思います。今は独りよがりな音楽を作るよりも、ちゃんと聴き手の方を意識して、きちんと共鳴し合えるような曲を作るべきじゃないかなというのはすごくコロナ禍に入ってから感じるところでもありました。

 

――コロナ禍を経験し、影響を受けたところも大きかったのですね。

TRUE:自分があまり今まで表現してこなかった、間違った感情とか汚い感情を吐き出そうと思ったのも、やっぱりコロナ禍の影響がすごく大きいなと思っています。そういった感情ってたぶん皆の中にあるけど、気付かず過ごしてしまうことが多いと思います。

自分の中の蓋をしておきたい感情に気付くきっかけになったり、そういった感情を誰かに伝えるきっかけになったら、そんな風に思って言葉を綴っていたので、すごく作詞スタイルに変化があったと思います。

 

――アルバムタイトル「コトバアソビ」はすごくTRUEさんらしいタイトルだなと感じましたが、このタイトルはどのように決まったのですか?

TRUE:私の楽曲では“言葉”というフレーズが多く出てきて、言葉を伝えることや綴ることがテーマになっているなということはアルバム制作時から制作スタッフ皆の共通認識としてありました。

その中で「コトバアソビ」というタイトルが生まれたのは、長く音楽制作に関わっていると、おそらく今回のこの楽曲はこれが正解だなということがある程度わかってきてしまうんですよね。ただ、今回の楽曲はそういった正解を探すのではなくて、自分が知らない新たなところに飛び込んで、自分が今まで表現しなかった感情を表現しようというのを意識して制作してきたので、そういう意味でも一番ふさわしいのが音や言葉で遊ぶで「コトバアソビ」だったかなと思います。

 

言葉と向き合い続けてきた今だからこそ出来た「MUSIC」

――では、表題曲「MUSIC」の制作に関して教えていただければと思います。「MUSIC」にはどういった想いが込められているのでしょう?

TRUE:「MUSIC」に関しては、3年間の感謝の気持ちと、この3年間で私が皆さんからから頂いたものや、音楽を通してたくさん重ねてきた言葉の集大成を1曲に込めたいという想いがあり、作家さんに楽曲を書いていただきました。

 

――作曲はトミタカズキさんが担当されていますね。

TRUE:はい、私がそういった想いを込めたいということをトミタさんにお伝えして、トミタさんが挙げてくださったデモのタイトルが「MUSIC」だったんです。こんなに潔いタイトルの楽曲ってどんな曲なんだろうと思って聴いてみたら、本当に自由で、まさに音を楽しんでいて、音楽そのものだなと感じて!

それであるならば、私自身のそれが意志でもあったので、私もこの潔さに身を任せて、そのままタイトルをいただき、「MUSIC」というタイトルに決定したという感じです。

 

――タイトルは最初に決まっていて、そこから作詞の制作に入っていったんですね。サビのラストの歌詞「何度でもここに立つ」に強いTRUEさんの意志を感じました。

TRUE:まさに音楽に対する私の価値観が現れているなと。やっぱり言葉と向き合ってきた今の私だからこそ書くことが出来た歌詞なんじゃないかなって思っていて、どれだけ伝わらなくてもどれだけ届かなくても、私はやっぱりこの場所に何度だって立つと思うし、そういった音楽に対して向き合ってきた私の決意みたいなものがきちんと歌詞に落とし込めたんじゃないかなと思っています。

 

――「MUSIC」でも“言葉”というフレーズがたくさん出てきます。「言葉を愛して 誰より言葉を憎んで」と、言葉が表裏一体のものとして描かれていますね。

TRUE:そのフレーズは、ファンの方もたくさん反応してくれていました。私は音楽で伝えられるものが全てだと思っていつも楽曲制作をしてきているので、あまり多くは語らないでいようと思っているのですが、今まで楽曲や歌詞を通して、皆さんがこれまでの私自身を受け取って、理解して下さっているからこそ、そのフレーズが皆さんの中に残ったんだなと思っています。これまで音楽を経由してたくさん皆さんと想いを共有できていたんだなと改めて実感しました。

 

――「MUSIC」のレコーディングに関してはいかがだったでしょうか?

TRUE:この曲だからというわけではないのですが、私はいつもうまく歌おうとは全く考えてなくて、その時に気持ちが動くままに表現できたらいいなと思っていて、今回の「MUSIC」も同じようにレコーディングに臨みました。「MUSIC」のコーラスワークは今まで以上にかなり分厚いので、そういったところは勉強にもなりましたし、何か新たなボーカルの可能性みたいなものを、楽曲を通して教えてもらったなと感じていて、すごく歌っていて楽しかったです。

次ページ:バラエティ豊かな新録曲の数々

 2