「音楽そのものの熱さ、生々しさ、ある種のグロテスクさを」──ピアソラ専門バンド「El Cielo 2020」の1stアルバム、待望のリリース!

 来年、生誕100年を迎えるアストル・ピアソラ(Astor Piazzolla, 1921-1992)。

アルゼンチン・タンゴをベースとした数々の名曲を世に放ち、さまざまなジャンルの一流アーティストが演奏を捧げてきた、20世紀後半の音楽シーンを代表する音楽家です。

そんなピアソラの作品を新しいアプローチで演奏したアルバムが、2021年に先駆けてリリースされました。

El Cielo 2020 – ASTOR PIAZZOLLA

El Cielo 2020/桜井大士(ヴァイオリン)/橋本專史(チェロ)/金森基(ベース)/高木梢(ピアノ)

 

AAC[320kbps] FLAC[96.0kHz/24bit]

収録曲:

エスクアロ(鮫)

リベルタンゴ

秋 – ブエノスアイレスの四季より

天使のミロンガ

天使の死

冬 – ブエノスアイレスの四季より

オブリヴィオン(忘却)

ミルトンの肖像

ミケランジェロ ‘70

春 – ブエノスアイレスの四季より

夏 – ブエノスアイレスの四季より

悪魔のロマンス

アディオス・ノニーノ

 

★本作のMVはこちら★

 

「熱く、激しい音楽」を求めた結果たどりついたピアソラ

ヴァイオリン、チェロ、ベース、ピアノによるバンド「El Cielo(エルシエロ)」が結成されたのは2015年。

「熱く、激しい音楽」を奏でたい──ヴァイオリニストの桜井大士とプロデューサーの森理のそんな願いのもと、志を同じくするメンバーが集まり、活動をスタートしました。

当初はオリジナル曲も演奏していましたが、メンバーの関心は、だんだんと「ピアソラ」1本に集約されていきます。「熱く、激しい音楽」を放つために、まずはピアソラを極めたい。その想いを胸に日本各地で精力的なライブ活動を続け、2020年6月、満を持して1stアルバムがリリースとなりました。

El Cielo 2020 メンバー。左から、桜井大士(ヴァイオリン)、高木梢(ピアノ)、金森基(ベース)、橋本專史(チェロ)。

 

El Cielo 2020 が挑むピアソラの再構築

アルゼンチン・タンゴにジャズやクラシックのエッセンスを注ぎ込み、クロスオーヴァー的なサウンドを作り上げたピアソラ。ひとつのジャンルに属さない作風であるがゆえに、大胆な編曲や即興が加えられた演奏もこれまで多数生まれてきました。

しかしEl Cielo 2020は、これらの自由奔放なアレンジに追随するのではなく、むしろ作曲者であるピアソラ本人の意図に迫ろうというアプローチを行っています。

原曲の楽譜やピアソラが参加している演奏音源を徹底的に研究し、複数のソースを結合させ、それを削ぎ落として残った音楽のエッセンスを、ヴァイオリン、チェロ、ベース、ピアノに再分配。メンバーが即興を加えることもありますが、それはピアソラの作品性を汲んでこそ成り立つ表現であって、演奏の最大の目的はピアソラ自身が「本来持っている」熱量を最大限に活かすことにある──

それが、El Cielo 2020のコンセプトです。

 

弦楽器+ピアノという、本来タンゴの要であるはずのバンドネオンを含まない編成が、かえってピアソラ作品のコアをあぶり出すという痛快さ。メンバーの真摯な探究心によって再構築されたサウンドは、現代のリスナーの耳にストレートに響きます。

楽譜の再検証を重ね、ピアソラの熱量を引き出していく

 

スタジオ録音で実現した「熱さ、生々しさ、ある種のグロテスクさ」が際立つサウンド

今日では、クラシック音楽として演奏されることが多いピアソラ。その場合のレコーディングは、通常、一般的なクラシック・アルバムと同じく音楽ホールで行われます。

しかしこのアルバムは、ホールではなくあえてスタジオで録音されています。

El Cielo 2020は、ライブでもしばしばPAを用い、クラシックの手法や慣例にこだわらない音作りを目指してきました。「ライブで聴いているかのような、音楽そのものの熱さ、生々しさ、ある種のグロテスクさを出す」──その意図を理解してくれる制作陣を集めてレコーディングに取り組んだ結果、クラシックというよりもジャズやロックに近いニュアンスのサウンドが実現しました。

「リベルタンゴ」「ブエノスアイレスの四季」「天使のミロンガ」「アディオス・ノニーノ」など、日常的に耳にするピアソラの代表作を多数収めながらも、ただの名曲選にとどまらず、一貫して独自のスタイリッシュな世界観を表現しています。

作曲者や作品への深いリスペクト、2020年にふさわしいスタイルでの再構築、そして「熱く、激しい音楽」というスピリット。これまで多くのピアソラ演奏を聴いてきた方にも、きちんと聴くのははじめてという方にもお薦めしたいアルバムです。

 

 ライブでのEl Cielo 2020のパフォーマンス

 

El Cielo 2020メンバーによるアルバム

J.S.バッハ: 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ/桜井大士(ヴァイオリン)

AAC[320kbps] FLAC[96.0kHz/24bit]

 

ヴィヴァルディ: ヴァイオリン協奏曲「四季」/桜井大士(ヴァイオリン)

AAC[320kbps]

 

金森もとい: マイ・ソウル・ミーティング/金森基(ベース)

AAC[320kbps]

 

EBB TIDE/高木梢(ピアノ)

AAC[320kbps]

 

ママと子供のためのピアノアルバム / 高木梢(ピアノ) 

AAC[320kbps]

 


El Cielo 2020公式ウェブサイト