“指揮者なし “が醸し出すシャープな演奏~「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート」最新録音が待望の配信開始

エンジニア・長江和哉氏のチームによるこだわりのレコーディングと、“指揮者なし”のオーケストラによるシャープでキレのある演奏に定評のある飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート」シリーズ。

今年1月に配信限定リリースされ、ハイレゾリスナーから大反響を呼んだ「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート 2017」に続く、待望の最新作が配信開始となりました。

レコーディングは2018年3月25日(ライブ録音)。ベートーヴェン&ハイドンの交響曲に加え、演奏機会が少ないボッテジーニのコントラバス協奏曲が華を添えるプログラムです。

飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート 2018

AAC[320kbps] ハイレゾ[192.0kHz/24bit]

ベートーヴェン: 交響曲第8番/ボッテジーニ: コントラバス協奏曲第1番/
ハイドン: 交響曲第100番 ト長調 「軍隊」/めでた(アンコール)

前作のコンサートはコチラ!

飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート 2017

AAC[320kbps] ハイレゾ[192.0kHz/24bit]

モーツァルト: 交響曲第31番 ニ長調 「パリ」  /
モーツァルト: 交響曲第35番 ニ長調 「ハフナー」/

モーツァルト: フルート協奏曲 /アリアーガ: 交響曲/

糸川玲子: 組曲 飛騨高山 

  • プロモーションムービー

 

  • 「指揮者を置かない」ことの意義

このオーケストラの特徴は、指揮者を置いていないことです。コンサートマスターの荒井英治さんが全てを取りしきり、管楽器や弦楽器や打楽器が、いろいろなアイデアを持ち寄って音楽を作りあげています」(トランペット・栃本浩規氏)

飛騨地方に縁のある一流演奏家が集結し、定期演奏会の開催や学生への指導など、地域貢献を重視した活動を行っている「飛騨高山ヴォルトーゾオーケストラ」。

 前作の飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート 2017」により、ハイレゾ・ファンにもその名前と個性的な演奏スタイルが一気に知られるようになりました。

「指揮者を置かない」──というと、雰囲気で音を合わせるような、良くも悪くもゆるい演奏をイメージしたくなりますが、このオーケストラはまったく逆。

メンバー全員が、最大限の緊張感でもって、聴覚・視覚・第六感を研ぎ澄ませ、針穴に糸を通すような精緻なアンサンブルを生む。それが、飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラなのです。

指揮者を「見る」のではなく、音を「聴く」、そして「感じる」。舞台上にみなぎる独特の緊張感。

指揮者がいないからこそ積極的に音楽づくりに参加し、何が求められているかということを探り合うのです」(コンサートマスター・荒井英治氏)

今回、新演目として取り上げたベートーヴェンの交響曲第8番は、「メンバーとの信頼関係ができてきたからこそお披露目できる曲」とのこと。音楽の前では、ベテランも若手も同じ。それぞれが自分の果たす役目を考え、対等に議論を重ねながら、演奏を磨き上げていきます。

アーティスト同士で議論を重ねながら音を作り上げていく。

 

  • 歌心を感じさせるコントラバス協奏曲

飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラの持ち味は、一分の隙もないシャープな演奏ばかりではありません。

今回のプログラムでもひときわ異彩を放つのが、ボッテジーニ作曲の「コントラバス協奏曲第1番」。「とても歌心に富んだ曲」と、ソリストをつとめる黒木岩寿氏は言います。

舞台の中央で奏される、存在感たっぷりのコントラバス。

この協奏曲は、オペラの要素がたくさん入っています。作曲者のジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821-1889)はイタリアのコントラバス奏者。オペラの本場の国に生まれ育ったからこそ、コントラバスを「歌わせたい」と考えたのでしょう。ふだん、コントラバスは低音を受け持ちますが、この作品の中では、ときにソプラノ、ときにテノール、ときにバス──おじいさんの役など、さまざまな音域のメロディを歌っています

 

 オペラ・アリア風のメロディを朗々と歌うコントラバスと、そのメロディを伴奏として支え、ときに親しげにおしゃべりを交わすオーケストラ。

 ベートーヴェンやハイドンの交響曲とは趣が異なる、呼吸感とユーモアたっぷりの、生き生きとした音楽の対話。「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ」の新たな魅力に出会うことができる好演です。

音をチェックしつつ、リハーサルを進める黒木岩寿氏。

 

  • 前作に引き続きこだわりの録音

演奏会場は、彼らのホームである「飛騨芸術堂」。メロディは明るく響き、中低域の残響は暖かく太いのが特徴のホールです。木工家具の生産が盛んな飛騨らしく、ホールの表面にもふんだんに木材が使われており、土地の特徴がよく表れています。

マイクセッティングも前回と同様。通常のオーケストラより小規模な編成のため、弦楽器のレコーディングの際、通常よく取られるようなスポットマイクでのバランス調整ではなく、弦楽器全体を全指向性マイクでホールトーンとともに収録するスタイルをとっています。

(左)マイクセッティングの様子。 (右)RME 「Micstasy」と「HDSP MADI FX」、DAW Magix Sequoiaを用い、192kHz 24bit でレコーディング。

指揮者なしでもここまで高度なアンサンブルが実現できることは驚きだが、その完成度の高さを録音から素直に聴き取れることにも感心させられる。低音楽器も含めてすべての楽器のアタックが正確に揃っていることが、重要な要因の一つだ」(「AV REVIEW」Vol.267 2018年3月17日発売号 87ページ)

と、オーディオ評論家の山之内正氏からも極めて高く評価されている「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート」シリーズ。

この個性的なオーケストラの新たな魅力に出会える最新録音「2018」を、たっぷりとお愉しみください。「2017」との聴き比べもオススメです。

(上段左から)コンサートマスター・荒井英治氏、トランペット・栃本浩規氏 (下段左から)レコーディングチーム 村上健太氏、長江和哉氏、島田裕文氏、

飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ 公式ウェブサイト

「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2018」アルバム情報ページ

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mora「飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2017」エンジニア・長江和哉氏インタビュー記事