あなたの先生は、何を教えてくれましたか?現役小学校教師「3年3組こくばん先生」がデビュー!【先生本人による全曲解説アリ】

今回ご紹介するのは、なんと神奈川県川崎市に実在する、現役小学校の先生“3年3組こくばん先生”。教職歴7年の29歳、男性教師。

デビューアルバムのタイトルはズバリ、「小学校の先生から教わること」

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先生の教室は、いつだって沢山の笑顔と大合唱の声に包まれているという―――
「歌うことは心を豊かにすること」
その信念を持って、児童の情操教育のために作曲を始め、教壇で児童と一緒に歌い始める。

児童それぞれが自身を「特別である」「必要とされている」と思えるような自己肯定感を持ってもらいたい、「楽しいね!」「嬉しいね!」という感動を友だちと分かち合える共感性を持ってもらいたい、そんな想いのこもった歌は、大人にもふと大切なことを教えてくれます。
中でも、乳歯が抜けた児童の成長をお祝いする曲「はがぬけた」が口コミで話題となり、今回のデビューが決定!
なんと、作詞・作曲・演奏・アレンジ・レコーディング全てを先生自身が担当。
感動的な詞とともに、子供たちが楽しく歌えるPOPでキャッチーなメロディとアレンジにも大注目! 


先生の楽曲解説

ここでは、先生本人による各曲の解説を掲載します。もちろん歌だけでも十分に親しみやすい全8曲ですが、その裏に込められた思いを読みながら聴くことで、より多くの事を教えてもらえるのではないでしょうか。

1 「はがぬけた」

教師になって一番初めに作った歌です。ある日が「先生!抜けた!」と子どもが歯が抜けたことを教えてくれたことをきっかけに作りました。満面の笑みとスカスカの歯がとても印象的でした。歯が抜けたことも、誕生日と同じように自分が成長していることを感じられる大切な機会だと思います。歯が抜ける度にクラスみんなで大合唱をしています(笑)

2 「できるよのうた」

図工の授業で作りかけの作品を壊してしまった子がいました。わけを聞くと「どうせ僕なんてできないから」という答えが返ってきました。幼いうちから「どうせ」という言葉が出てしまうこの状況をなんとかしなければいけないと思いました。誰にでもできない時はありますよね。でも自分を責めないでほしい、もっと自分を愛してほしい。失敗した時にはすぐにあきらめないこと、何が良くなかったのかを考えること、そこまで頑張った自分を褒めること。そんな思いをこめました。くやしい気持ちになった時にはこの歌を聴いて自分を奮い立たせて下さい。

3 「おかえりのうた feat. 図工の先生」

最初はお休みしていた子が久しぶりに登校した時に「お帰り」と言いたくて作りました。しかし、作っているうちに「お帰り」というテーマは学校だけでなく、家庭でも通じるものがあることに気づかされました。毎日帰りを待っている家族や遠くで離れても想っている家族、そして学校の友だち、その誰もがあなたを待っています。支えてくれている人のことを想いながら聴いてみて下さい。サビは図工の先生と一緒に歌いました。

4 「やる気ダンス」

誰にでもやる気が出ないこと、ものごとを投げ出したくなる瞬間があると思います。(私も丸つけが終わりません…)そんな思いを歌にしてみました。逃げるも良し、あきらめるも良し、でも結果は自分に返ってくる。さぁ、やる気ダンスを聴いてやる気を出しましょう!

5 「いただきますのうた」

生きていれば誰でもお腹がへります。毎日の中で忘れがちになる「いただきます」の意味。食べるということは誰かの命をもらうこと、作った人の想いも受けとめることだと思います。好き嫌いはあっていいんです。でも、嫌いという理由だけで命も想いもむだにしてほしくはない…。そして楽しくおいしく食べてほしい。そんな願いをこめました。

6 「えんぴつのうた」

歌詞に出てくる「きみ」はえんぴつと相手という2つの意味を持ちます。消ししゴムで消せるえんぴつの字、傷ついても仲直りできる人間関係。でもどちらも跡は消えることはない。誰もが何かに誰かにぶつかりながら「ちょうどいい」を探して前に進んでいきます。この歌が聴く人にとって自分と相手にとっての「ちょうどいい」を見つけるきっかけになればと思います。

7 「友だちのうた with 小学校の先生たち」

ただ一緒にいるだけで楽しい。皆さんには笑い合ったり泣きあったりできる友だちがいますか?何でも言い合える関係って素敵ですよね。自分の青春時代を思い出して歌詞を書きながら、友だちが一生の宝物だということに改めて気づかされました。そんな友だちについての歌です。友だち最高!!友だちと呼べる仲良しの同僚の先生たちも一緒に歌ってもらいました。

8 「かえりの会のうたwith 小学校の先生たち」

一日をいい気持ちで終えたいのは大人も子どもも一緒ですよね。辛いことがあっても、この歌を聴いて歌ってモヤモヤをリセットして、明日も頑張ってほしい。そんな気持ちをこめて作りました。どうかいい日になりますように。一日の締めくくりの曲も同僚の先生たちと一緒に歌いました。

 


 

いかがでしょうか。「はがぬけた」というような身体の成長における一つの大きな区切り、「おかえり」や「きゅうしょく」といった毎日訪れる生活の区切り、そして「できるよのうた」で歌われるような、きっと児童が大人になっても直面するであろう困難や挫折など、様々なスケールの機微に立ち会って前を共に向いていくような楽曲たちです。自分が受け持つ現在だけでなく、その後も続いていく児童の人生を見据えて真剣に想っているからこそ、ここまでの温もりや深みが生まれているように思います。

タイトルやプロフィールを一目みると、学校でのあるあるネタを楽しく歌ったライトな曲なのかな?と思う方も多いでしょうが、親しみやすいメロディーや言葉遣いをかみしめると、子供も大人も違った味わいを感じられるはず。

個人的な話題で恐縮ですが、スタッフも両親が小中学校の教師だったため、とても他人事に思えません……まずは深く考えなくても、充分に楽しめるはず!小学校に通うお子さんをお持ちの保護者の方も、昔小学校に通っていた大人の貴方もぜひ聴いてみて下さい。

最後に、先生のコメントを以下に掲載いたします。


先生のコメント

教師としてクラスの中で歌っていた歌がより多くの子どもたちに耳に届けられることに驚きと喜びを感じています。私の勤める小学校の子どもたちはアンケート調査から自己肯定感が低いという結果が出ていました。まさに児童と接する中でも感じていたことで、この状況を少しでも改善したいという思いが曲作りのきっかけでした。

私がクラスの中でギターを弾いて歌を歌うことは、単なる特技披露…ではありません。誰もが「特別である」「必要とされている」といった自己肯定感や「楽しいね!」「嬉しいね!」という思いを友だちと分かち合える共感性を育てることを目的としています。大人でもみんなで歌ったら楽しいですよね。今回作った8曲は目の前の子ども達と関わる中で感じたことを歌にしたものです。

「自分の成長を実感する」「自己解決力を高める」「愛情を知る」「やる気を出す!」「感謝して食べる」「節度を知る」「友情について考える」「毎日を楽しくする方法を考える」そのどれもが子どもに知ってほしい、感じてほしいテーマです。もしかすると教師が話したり道徳の授業を行ったりした方が伝わるのかもしれません。自分は歌という遠回しな表現をして、子供に伝えなければいけないことを分かり辛くしているのではないだろうか、と考えたこともありました。

しかし、歌い続けてきたことで子ども達にも効果が現れてきています。「できないできないできないって言うけど〜」とできるよの歌を歌ってお互いに励まし合う子どもの姿を見たり、「家でも歯が抜けたを家族で歌ってます!」などと保護者の方から感謝の言葉をもらったりするなど、子ども達の心に伝わっていることを実感することが増えました。

歌うことは心を育てることだと思います。しかし心はすぐに育つものではありません。年齢や体とともにじっくりと時間をかけて成長するものです。この歌がこれからの未来を担う子ども達の心にとって少しでも糧となることを願っています。