宮沢めいこ / 宮沢明子ピアノ名曲集 乙女の祈り・エリーゼのために・愛の夢 76/45

宮沢明子ピアノ名曲集 76/45 乙女の祈り・エリーゼのために・愛の夢

・バダジェフスカ:乙女の祈り/LA PRIÈRE D’UNE VIERGE

 

・ショパン:夜想曲 作品9の2「愛情物語」/NOCTURNE Op.9-2

・アルベニス:入江のざわめき/RUMORES DE LA CALETA

・アルベニス:マラゲーニャ/MALAGUEÑA

・シューベルト:楽興の時 第3番/MOMENT MUSICAL Op.94-3

 

・ベートーヴェン:エリーゼのために/FÜR ELISE

・モーツァルト:トルコ行進曲/RONDO ALLA TURCA

・ショパン:ワルツ 嬰ハ短調/WALTZ Op.64-2                             

・シューマン:トロイメライ/TRÄUMEREI

 

・リスト:愛の夢/LIEBESTRAUM

・ショパン:小犬のワルツ/WALTZ Op.64-1

・ドビュッシー:月の光/CLAIR DE LUNE

■ピアノ/宮沢明子

 

アナログ全盛時代のスーパー・アナログディスク、DAMオリジナル録音をDSD11.2配信開始!
 

1970年代にかけて、国内最大手の家電量販店「第一家庭電器」が、DAM会員向け企画「マニアを追い越せ!大作戦」のために、「スーパー・アナログディスクDAM 45/33」を、75タイトル(1975年〜1990年)、完全限定制作・頒布されました。

http://www.superanalogue-dam45.net/

その中に、DAMオリジナル録音作品が36タイトルあります。大半が1/2インチ76cm/secのアナログ録音です。
そのマスターテープを可能な限り忠実に再生するべく、DAMと東芝EMI技術陣(現ユニバーサル・ミュージック・ジャパン)が総力を挙げて完成したのが、「DAMオリジナル録音・スーパー・アナログディスク76/45」なのです。

ただ、そのオリジナル・アナログ・マスターテープは、たった1回だけプレスされただけで、その後27〜40年間あまり、門外不出とされ、一切市販されませんでした。(一部の共同録音を除く)

特に最新のDSD方式による録音&マスタリングでは、クラシック、ジャズなどアコースティック楽器の自然な音質再現、また空間再生などにその良さが顕著に現れます。
この度、その稀少価値のDAMオリジナル録音作品から、DAMPCおよび関係者の方々の協力をいただき、まず9タイトルに関して、オリジナル・アナログ・マスターテープを、素晴らしい精度で再現できるようになったDSD11.2MHz・DSDIFF(拡張子.dff )により、配信させていただく事になりました。

*今後、「DSD11.2MHz DSDIFF(拡張子.dff )」を「DSD11.2 (.dff )」と、略して表記いたします。
*いずれも、オリジナルのアナログ・マスターテープから、ダイレクトにDSD11.2 (.dff )に変換しています。
*音質を最優先するため、マスターテープ1本分を、そのままDSD11.2 (.dff )ファイル1個としました。
  片面分、通しての再生になりますが、あしからずご了承ください。
*原則として、DAM45 片面分が、DSD11.2 (.dff )ファイル1個に対応します。

 

いずれのタイトルも、アーティストが全盛期に収録したマスターテープを、最新技術のDSD11.2 (.dff )マスタリングしたことにより、オリジナル・アナログ・マスターテープの持つ、驚くほどの情報量ともに、録音空間と音楽が自然かつリアルに再現されることを、お楽しみいただけることと思います。

マスタリング・データ

・マスタリング・エンジニア      杉本一家(JVCKENWOOD Creative MediaCorporation)

              Editing System:Merging Pyramix Ver.10(DSD option)
              Monitor Amplifier:JVC Sugimoto Custom
              Monitor Speaker:GENELEC 1033A、FOCAL CMS65、JVC WoodCone
              Player:STUDER A80(JVC Custom)1/2 & 1/4 インチ 76cm/sec
              2017.10.17〜20日 JVCKENWOOD Creative MediaCorporation 代官山スタジオ

・協力             

     河田爲雄
     DAMPC 岩瀬勝一

     DAMPC 渡邉昌彦(サンデュエット) 

「宮沢明子76/45 DOR-0127・8」 を 33年ぶりにDSD11.2 (.dff )で配信するにあたり

DAMオリジナル録音は、アナログ録音の他に、1978年、「DOR0043サマータイムPCM vs DIRECT/45 山本剛トリオ+鈴木勲」でデジタル録音を開始しました。1980年の「岩城宏之 日本フィルハーモニー交響楽団 ローマの松76/45」

以降は、可能な限り、アナログとデジタルの両方の録音を実施しています。

「宮沢明子76/45」の場合はアナログ録音、同時にデジタル録音の「宮沢明子・名曲集CD」を発表しています。
当時、ピアノという楽器は、ダイナミックレンジも広く、アタックも鋭いので、デジタルに向いているのではと考えられていました。一方アナログレコードは内周に行くに従い、線速度が遅くなるため歪みが増えてくるのが欠点でした。

それでも、アナログ特有の、情報量の多さ、臨場感、リアル感、奥行き感など優位な点が多々あるので、DAMは最後のタイトルまで、アナログで必ず録音することが、最重要ポリシーだったのです。(2タイトルだけ例外有り)

しかし、最近はハイレゾ時代。そのハイレゾのなかでもアナログに最も近いといわれているのが DSD規格。
そのDAMオリジナル・アナログ録音マスターテープを、DSDでも現時点最高規格のDSD11.2DIFF(.dff )でマスタリングして配信するのが今回の9タイトルです。

 

その中でも、「宮沢明子76/45」のDSD11.2版を、当時の「宮沢明子・名曲集CD」と聴き比べてみて、Dレンジ、音場、
アタック、リアル感、等々、1982年CD初発売以来35年間のオーディオ・デジタル技術の進歩をまざまざと感じました。

 

宮沢明子さんは、1963年、ジュネーヴ国際音楽コンクール1位なしの2位、1964年、ヴィオッティ国際音楽コンクール・ピアノ部門金賞第1席受賞という、日本を代表するピアニストです。

小柄ですが、日本の女性ピアニストとは思えない、強靱なアタックから、繊細なタッチまで縦横に駆使される、個性派の名ピアニストです。現在ベルギー在住。

 

録音当日は、折からの雪模様。そんな中、録音のため、暖房も止め、小品集でも、ひたすら真摯にピアノ演奏される宮沢さんの姿、演奏の合間には、スタッフに女性らしい心遣いをされていた姿が、とても印象的でした。
今回のDSDマスタリングで、宮沢さんのピアニズムのリアルな姿がお伝えできるのではと思っています。

演奏風景やインタビューなど詳しい内容は、下記DAM45解説書PDFをご覧ください。
http://www.superanalogue-dam45.net/index-dam/jacket/dor0127-8/dor0127-8.pdf

 

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DAMオリジナル・レコーディング・データ (1984年6月当時)

DAMオリジナル・ディスク・ナンバー:DOR-0127・8
録音:1984年3月14日 茅ヶ崎市民文化ホール 1/2インチ76cm/sec 2トラック録音
カッティングマスター:1/2インチ76cm/sec 2トラック→ このテープをDSD11.2 (.dff )化しました。

プロデューサー:              鈴木武昭

プロデューサー・              ディレクター:伊藤玲子

バランス・エンジニア:       池田 彰
ピアノチューナー:           鶴田昭弘

カッティング・エンジニア:  竹内昭五
メカニック・エンジニア:     金子秀作
ジャケット:                       東芝EMI(株)デザイン室

カメラ:                            GUY CROEGAERT(ギー・クルガール)
技術解説:                      江川三郎
                                      原 清介
制作協力:                      松尾楽器商会
                             神原音楽事務所
使用ピアノ:                     スタインウエー フルコーンサート
録音協力:                      サウンド・クリエーター

企画・制作:第一家庭電器DAM

製造    :東芝EMI株式会社

 

*DAM = 第一家庭電器オーディオ・メンバーズクラブ(1973年発足)   DAMPC= DAM Promotion Committee

 

<制作にあたって> 
*1984年当時の「宮沢明子76/45」の解説 (下記URL) よりDAMPCの協力をいただき転載。

 http://www.superanalogue-dam45.net/index-dam/dor0127-8.htm
*録音時の詳細情報は、上記URLから、上段・右端の「解説書PDF」ボタンをクリックしてご覧ください。

 

「マニアを追い越せ!大作戦」もこの度、10周年を迎えさせていただくことができました。
これも一顧にDAM会員の皆様の暖かい御支緩の賜物と、心からお礼申し上げます。

カートリッジの性能や音質のチェック用にと、企画を始めたDAM45 ・オーディオ・チェツク・レコード・シリーズも今回で35及び36種類目ですが、常に「良い音楽を、良い演奏で、そして良い音でお贈りする」というポリシィで制作しております。

その内、今回で15種類を数えるDAM オリジナル録音中、クラシック音楽の分野では、ギター、合唱、吹奏楽、室内オーケストラ(チェンバロ、尺八を含む)、そして大編成のオーケストラを2回収録しましたが、今回はピアノを取り上げてみました。

誰でも知っているピアノの小品を一流の演奏家にお願いするということは、大変難かしく、今までなかなか実現できませんでしたが、今回、「マニアを追い!大作戦」の1O周年を記念して、世界の音楽界で活躍中の宮沢明子さんの素晴しい演奏によって、皆様にお届けできることになりました。

宮沢明子さんといえば、かつて「ピアノとの対話」やオーディオ・ラボ・レーベルの一連のシリーズで、音楽ファンはもとより、オーディオ・マニアの方々にも良く知られている日本を代表するピアニストです。
今回、東芝EMI(株)と専属契約を結ばれ、市販レコード(「宮沢明子/ショパン・リサイタル」TA-72118)のレコーディングをする機会に、なんとかDAM45 のレコーディングもお願いしたいということで、宮沢さんと東芝EMI(株)の御好意により、DAMのためにスケジュールをさいていただいて実現したものです。

クラシックの最新録音というと、このところ殆んどがデジタル録音ばかりになってしまいましたが、DAMの経験では、現時点において、まだまだアナログ録音の方が総合的な音質について優れている点が多いといわざるを得ません。そこでピアノ名曲集の決定盤を作るにあたり、更にアナログ録音の限界に挑戦するため、通常の2倍幅の1/2インチ・76cm/sec. 2 チャンネル・テープレコーダーを使用しております。(なお、念のためデジタルでも収録いたしまた)

良いホールで録音したいというDAMの希望により、演奏者、ミキサーともに満足できるホールとして、こけらおとしで、宮沢さんが初演奏をした茅ヶ崎市民文化会館が選ばれました。

3月14日の録音当日は、折から雪となってしまいましたが、録音本番では、ノイズを避けるため暖房も止めざるを得ませんでした。そんな厳しい条件の中で情熱的な演奏がくり広げられ、宮沢さんのこれら小品を数多く弾き込んでこられた実力と、プロに徹したレコーディングぶりにスタッフ一同、頭の下がる思いでした。

とかくピアノ小品集というと、曲目が全てで、演奏・録音は二の次という例を見受けますが、本アルバムは、知らない曲は無いというくらいに親しみ易い名曲ばかりを網羅しているばかりでなく、コンサート・ピアニストとして豊富なキャリアと実力、そして子供達のピアノ教育にも大変熱心な宮沢明子さんのピアノに対する愛情があふれた、感動的な名演といえるでしょう。
更に加えて、過去DAM45 のクラシック・オリジナル録音を全て手がけていただいている、ミキサー・池田氏の技術と見織によりその名演があますところなく収録されています。

この素晴しい名演、名録音を、ー曲残きず、かつマスター・テープの音をそのまま会員の皆様にお聴きいただきたい、という気持から、10周年記念特別2枚組として制作した次第です。

カッティングにあたって、録音当日のオリジナル・マスター・テープを、一部の曲で若干の編集作業をしただけで、音そのものについては、一切いじっておりません。
又、録音時に使用した、テープレコーダーをそのままカッティング時の送り出しにも使用するという、理想的な形で、ハイレベル・ノン・イコライザー、ノン・リミッターで、ストレート・カッティングしております。

特に「乙女の祈り」はダイナミックレンジが広いので、一面に6′ 05″のジャンボ・シングル仕様とし、又、内周歪を避けるため、なるべく内側に入らないようカッティングいたしました。
その他、各面とも10分から13分強という、ピアノ小品集としては、例を見ない贅沢なカッティングと、その後の製造工程でも、DAM45ならではの東芝EMI(株)の数々のノウハウを駆使してアルバムを完成いたしました。

オーディオ・チェック・ポイントとしては、スタインウェイの豊かな響と輝き、そして広大なダイナミックレンジが安定かつリアルに再現できるかどうか。又、宮沢さんの、曲による微妙なタッチの差異、時間経過によるピアノの音色変化、ピアノ特有の演奏ノイズ等が聴きわけられるかどうかもチェック・ポイントのーつといえるでしょう。

このピアノ名曲集を心ゆくまでお楽しみください。そして皆様のライブラリーの中に加えていただければ幸いです。

なお、10周年記念アルバム制作にあたり、宮沢明子さんをはじめ、関係の方々、そして東芝EMI(株)には、いつもに増して多大な御協力をいただきましたことを、厚くお礼申し上げます。
今後DAM といたしましても、アナログ、デジタルを問わず、より良い音楽ソフトを開発し 、会員の皆様に少しでもお役にたてるよう、更に一層の努力をする所存ですので、今後とも皆様の御支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

DAM推進委員会

*名称などは録音当時のものです。