THE ORAL CIGARETTESコメント動画&インタビュー公開!

ボーカルの山中の声帯ポリープ摘出手術のためライブ活動を一時休止していたTHE ORAL CIGARETTESが12月に再始動し、1月5日に待望のニューアルバム「FIXION」をリリース!

2月には対バンツアーを控え、さらに4月には地元「なら100年会館」の公演も決定し、その後奈良まで続くワンマンツアーも発表。
今や目が離せない彼らに直撃!ニューアルバム「FIXION」について熱く語って頂きました!!
また彼らのプライベートトークも…!?
 
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――まずは拓也(山中)さん、声帯ポリープ摘出手術の成功おめでとうございます。実際手術前と後とで何か変わりましたか?
山中 ああ、なんか今まですっごい歌いにくかったんだな、って思いました。手術終わってから声出してすごくクリアに出るなと。手術前はけっこう声変わっちゃうんじゃないかという不安もあったんですけど……そこまで変わることもなく。
 
――よかったです。周りのみなさんは拓也 (山中)さんが実際来週から歌うって聞いたときはどんなお気持ちでしたか?
あきら なかなか本人は口で言ってくれなかったんですよ。真っ先にうれしくてネットに書いちゃうのか、「あ、拓也 (山中)来週から歌えんねんや?」って後から気づくくらいで(笑)。でもまあ、ひとまず手術が終わって、経過が順調なのも聞いて安心したのは覚えてます。
 
――では、今回のアルバムのお話を伺っていきたいと思います。タイトルが『FIXION』ということなんですが、このタイトルに込めたものをお聞きしてもよろしいでしょうか。
山中 前作のアルバムは『The BKW Show!!』といって……「BKW」は「番狂わせ」の略なんですけど、オーラルというバンドの中でキーワードになってたものをタイトルとしてつけたんです。でも今回はちゃんと作品としての名前もほしいなと……しかもそこにバンドとしてのストーリーも加えたいし。で、このアルバムがどうこうというより、まず自分が曲作るときってどういう感覚なんだろうっていうところまで一回遡ろうと。それで気づいたんですけど、ほとんどの曲は経験したことを自分の中のいろんなフィルターを通して、妄想してストーリーを自分の中につくり上げて歌詞に落とし込む、というやり方をしてるなと。さらに存在しないものを楽曲として仕上げるっていう行為自体も、0から1を創り出すっていうフィクションの過程だなと……それで「fiction」という言葉を絶対使おうと思ったんです。で、そこにどうやってバンドのストーリーを入れ込もうかと考えて。ライブ活動を休止してたから、そこから復帰に向かっていったというストーリーに何か関連づけれたらいいなと……そう考えてるときに「fix」という言葉が出てきて。「修正する」とか、「留めていく」とか、「確固たるものにする」とか……それが今の僕たちにピッタリの言葉だなと思ったんです。それで「fix」と「fiction」を組み合わせて『FIXION』。そうやってできたタイトルですね。
 
――ありがとうございます。そんな『FIXION』ですが、全体の印象としてすごく「攻めてる」なと思って。そういうアルバム全体の「攻め」の姿勢を象徴するような曲ってありますか?
あきら 僕の中では「A-E-U-I」という曲が攻めてる……というか、今までやったことのないことをやってて。僕の中では今まで得意なリズムっていうのが、横ノリのファンクっぽい感じだったんですけど、その要素を一切なしにした曲なので。だからこそ疾走感が出たというのも大きかったし、自分にとっては「あえてシンプルにする」っていう意味でも、攻めた楽曲になりました。
鈴木 僕は7曲目の「通り過ぎた季節の空で」。たぶんみんなの言う「攻め」とはまた違う意味合いなんですけど……サビを歌ってるところに対してリードギターをどうつけるかっていうところで、いつもだったら意地張ってた気がするなと思っていて(笑)。でも今回は身を引けたというのが、自分としては「攻めた」なあと。
 
――ありがとうございます。シングル曲でもある「狂乱 Hey Kids!!」はアニメの主題歌にもなっていて、また違う作り方だったのかなと思うんですけど、何か苦労した点などありますか?
山中 歌詞……ですかね。いままでは自分の世界のことを書いてればよかったんですけど、『ノラガミ』っていうアニメの世界観をちゃんと落とし込まないと駄目だし、しかもどんな人がいるかはわからないけど、『ノラガミ』のファンというのが死ぬほどいるっていう画だけは見えて。すごい責任感だなと……しかもオーラルとしても伝えたいことはたくさんあるから。いつもはルーズリーフ100枚入りのやつを4分の1くらいしか一曲に対して使わないんですけど、その時は70枚レベルで書き直して。自分の周りが(書き損じた)ルーズリーフだらけになりました(笑)。そんなことになったのはこの曲が初めてでしたね。
 
――その「狂乱 Hey Kids!!」だったり「エイミー」だったり、全体的にオーラルの曲ってちょっと変わったリズムが耳に残ってクセになるなと感じるんですけど。こういったアレンジは皆さんで考えていますか?
山中 「狂乱 Hey Kids!!」は、Aメロに入るまでのイントロの部分までは僕が持ってきて、そこにシゲ(鈴木)がずっと貯めてたリフを乗せて、じゃあここからどう持っていこうか、と……そこが毎回重要なんですけど、あきらが毎回Aメロを引っ張ってくれて。僕はイントロ弾き終わったらバーン!と(ギターを)放り投げちゃうんですよ(笑)。そこから、あきらのベースとドラムだけ聴いて、メロディを歌って。だからそういう特徴を作り出してるのは楽器の……特にベースとドラムかなという気はしますね。
 
――拓也 (山中)さんが作ってきたものを、あきらさんが整えるという感じ?
山中 そうですね……僕は理論全然わかってないんで。
あきら 拓也 (山中)は頭の中で音が鳴ってるんですよ。そのときに、音を探すんですよね、彼がギターで。「この音を出したいんだったらこうちゃうか?」って指の形を作って(笑)。
 
――そういう作り方で、ドラムのアレンジも大変ということはないですか?
中西 でもドラムも拓也 (山中)の頭の中である程度鳴ってるんですよ。それがなんとなく最近わかりつつあって……作ってるときに拓也 (山中)の表情を見ながらやるんですよ。さっきやったのと違うのをやってみて表情の違いで、「どっちがしっくりきてるのかな?」って(笑)。
 
――まさにあうんの呼吸ですね! 「気づけよBaby」のMVは「分岐点」を表現したストーリーだったと思うんですが、みなさんにとっての「分岐点」っていつでしたか?
山中 大学三年のときですね。ツアーが始まる直前に、肝臓の数値が人の何千倍にもなっちゃったんですよ。それで入院して、41度くらいの熱が一週間ぐらい続くっていう……その期間がけっこう長くてツアーもキャンセルになっちゃったので、そのキャンセルをシゲ(鈴木)とあきらが全部車で回ってごめんなさいって言いに行ってくれたんですよ。すごく申し訳なくなってきて、何かできないかなと思って、「MASH A&R」( A-Sketch、HIP LAND、MUSICA、SPACE SHOWER TVが行っているオーディション)に応募して。で、ちょうど退院したときに、「ファイナルに選ばれた」って連絡がきて。みんなでめっちゃ喜んだんですけど、その瞬間、前のドラムが「俺やめるわ」って言い始めて(苦笑)。それでまさやん(中西)を誘って。まさやん(中西)は僕たちがめちゃめちゃ仲良くしてたバンドのドラマーだったんですけど、そのバンドもボーカルが失踪しちゃって、解散したところだったんです。これは運命だと思って。
中西 ドラムが抜けたってことの重大さというよりは、次に行くんだという姿勢をすごくもらったメールから感じたんですよね。ああ、こいつら止まれないんだなと思って。最初はちょっと考えたんですよ。俺だけちょっと歳離れてて大丈夫なのか……とか。でもそこは一旦入ってやってみよう、ということで。
山中 そこに全部凝縮されてるんですよね。
 
――なるほど……お二人はいかがですか?
鈴木 僕もタイミングは一緒なんですけど……拓也(山中)が入院するまであきらと二人っきりで出かけたことなかったんですよ。で、いざライブハウスとかにお詫びしに行かなきゃなってなったときに、「その前に地元のスーパー銭湯に行こうや」って誘われて。そのころはまだ拓也(山中)がどれくらいのレベルで入院するかもわかってなかったので、話すこともいろいろあって。しかもしょっぱな銭湯(笑)。そのタイミングがなかったらその後腹を割って話せるような仲になるのは、もっと遅かったかもなと。思い出深いですね。
 
――あきらさんは?
あきら その時より前の話でいうと……大学生になって、拓也 (山中)と一緒に前組んでたバンドが解散して、二人で地元の空き地みたいなところで話してたんです。前のバンドでは僕がボーカルで、拓也 (山中)がギターをやってたんですけど、「せっかくだし何か新しいことしたいな」と。で、当時拓也 (山中)が高いギターを買ったばかりだったんですよね。「これは一生使いたいから、俺ギターボーカルやるわ!」と言い出して。そうかー、拓也 (山中)がギターボーカルかー、じゃあ俺何しようかなーと思って、それまでやったことのない楽器が「ベースだ!」と思って。それでじゃあ俺ベースやるわ!と(笑)。それで拓也 (山中)の家にベースあるから、とりあえずタクヤ(山中)の家に行こうとなって、早速曲を作りに行ったあの日が意外と分岐点なのかなって思いますね。
――まさに「前夜」という感じのエピソードですね! ありがとうございます。
 
――ここでプライベートのことも少し。お互い好きなところはどこですか?
山中 あきらは、笑顔がめっちゃカワイイんですよ(笑) 昨日も仕事が終わって、あきらとまさやん(中西)が先帰ってて、俺とシゲ(鈴木)は後で帰るって感じになったんですけど。俺、ちょっとだけ玄関を開けようとして、そしたら向こうからガチャっと開いて、あきらがめっちゃ笑顔で「おかえり~~」って言うんで、癒されました(笑)
あきら その時は酔ってて(笑)。まさやん(中西)と二人で遅いなって話してたら、階段ドタドタドタって上ってくる音が聞こえて、びっくりさせてやろうと思って「おかえり~~~」をやったんですけど(笑)。
山中 僕は「ああ、帰ってきたぁ~~」ってなったっていう(笑) まさやん(中西)は、知識…生きる知識みたいなのをいっぱい持ってるから、何かわからなくなったとき……たとえば保険のこととか。
中西 伊達に年食ってないですね(笑)
 
――オーラルの中で、ルールはありますか?
山中 あのルールしか出てこない(笑)
いま一軒家に四人で住んでるんですけど。女人禁制なんです。
中西 寮生活みたいになってる。
山中 友達にしろ何にしろ、とりあえず女性は駄目だと。でもバンドマン(の女性)はOK(笑)。
――厳しい!
 
――2月から対バンツアーが始まります。意気込みをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?
鈴木 全10ヶ所、10組のバンドと対バンするんですけど、僕たちにしかできないツアーだなという面子が揃ってると思います。また今回の『FIXION』という作品はいろんな音楽の楽しみ方を詰め込んだアルバムなので……そういうアルバムを引っ提げていろんな先輩、バンド仲間と戦えるっていうのは、またリスタートした僕たちなりの音楽のあり方を提示できると思うので、楽しみにしていただければなと思います!
 
――では最後に、ファンのみなさんに一言お願いします。
山中 『FIXION』買うんだぞ!? ということで(笑)。
 
――ありがとうございました!
 
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<mora YouTubeチャンネル>
バイノーラル録音なのでイヤホンまたはヘッドホンでご覧いただくのがおススメ♪
彼らが耳元で囁いてくれますよ~!
臨場感がハンパないです!!

 

 
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2nd Album「FIXION」
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 通常音源

【HR】 ハイレゾ音源

【収録曲】
1. 気づけよBaby 
2. 狂乱 Hey Kids!! 
3. MIRROR 
4. STAY ONE 
5. エイミー 
6. マナーモード 
7. 通り過ぎた季節の空で
8. カンタンナコト 
9. A-E-U-I 
10. Everything
 
<山中拓也(Vo.)コメント>
今回の『FIXION』というアルバムは2016年のオーラルの攻撃的な姿勢を表したアルバムになっています。
僕らが育ったライブハウスを今一度攻めなおすぞ、というアグレッシブな印象の中にPOPさをオーラルらしく混ぜ合わせています。今回は頭の中にライブ会場にいるみんなを思い描いて書いた曲ばかりなので、ライブ映えするだろうなと思っています。
タイトルの『FIXION』は造語です。フィクションと読みます。 僕は歌詞を書くとき妄想から歌詞を展開することがあり、曲自体がフィクションのひとつなんだという「fiction」(想像、作り話)という意味もありますが、それに加えて「fix」という単語をミックスし名詞のように表現してみました。「fix」には『修正する、確固たるものにする』という意味があり、今回声帯ポリープでライブ活動を休止した中で、もう一度修正してオーラルというバンドを今のロックシーンの中で確固たるものにしたいという思いを込めてこの名前をつけました。是非歌詞カードも手に取って聴いてもらえると嬉しいです。
 
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