歴史ファン注目!! 「天正遣欧使節」をテーマにしたアルバム、配信開始

日本史好きの方にとってはおなじみの人気トピックス「天正遣欧使節」(天正少年使節)をテーマとした衝撃の音楽アルバムが配信開始されました!

 

天正遣欧使節の音楽[2017リマスター]

FLAC|96.0kHz/24bit

AAC-LC 320kbps

 

「天正遣欧使節」とは、「本能寺の変」と同年にあたる1582年、九州のキリシタン大名によってローマ教皇のもとに派遣された4人の少年たち。

 

天正遣欧使節の肖像画。伊東マンショ(右上)、千々石ミゲル(右下)、中浦ジュリアン(左上)、原マルティノ(左下)の4人。いずれも派遣当時、13~14歳

 

派遣の目的は、少年たちにヨーロッパでキリスト教を学ばせ、日本での布教に役立たせることでした。
旅先の各地で大歓迎を受けた彼らですが、帰国後、豊臣秀吉から徳川家康へと天下の座が移っていくなか、キリスト教は徐々に弾圧の方向へ。少年たちは、海外に追われたり、殉教したり、棄教したりと、それぞれ悲劇的な最期を迎えることになります。

「天正遣欧使節の音楽」は、彼ら4人が生きた時代の音楽を再現&アレンジし、そのドラマチックな人生をたどる、サウンドトラック風の壮大なストーリー・アルバム。
少年たちの生い立ちを描く「プロログ」(トラック1~)で幕を開け、ヨーロッパへの派遣 (トラック6~)や帰国後の伝道活動を経て、ラストは、中浦ジュリアンの悲劇的な殉教(トラック25~)でしめくくられます。
彼ら4人は、クラボ(鍵盤楽器の前身)やアルパ(ハープの前身)など、西洋楽器の演奏もたしなんでおり、豊臣秀吉に謁見して御前演奏を行ったこともありました(トラック19~)。天正遣欧使節は、キリスト教だけでなく、西洋音楽を日本に広めたひとびとでもあるのです。

演奏は、濱田芳通・石川かおり・西山まりえらによる古楽アンサンブル「アントネッロ」。リーダーの濱田は、足かけ10 年以上にわたって、天正遣欧使節や当時の音楽に関する記録・資料を調査し、この作品を制作。単なる当時の音楽の再現にとどまらず、独自の大胆なアレンジを施した結果、21世紀に生きる私たちの胸を打つ、よりリアリティにあふれた音楽絵巻が誕生しました。
このたびハイレゾ配信がスタートした“[2017年リマスター]バージョン”は単に2ミックスをリマスターしたものでなく、2007年当時のオリジナルのセッションファイルを、最新のミックスエンジンとプラグインを用いて再度ミキシングしたもの。スタジオにはアントネッロの演奏者も立ち会い、音楽的な表現にまで踏み込んだ調整が行われています。

2017年12月13日/14日には、東京・浜離宮朝日ホールにて、演奏会「~語りと音楽でつづる~天正少年使節の音楽」が開催予定。2007年の「天正遣欧使節」旋風が、10年の時を経て再び巻き起こること間違いなしです。

ジャンルとしてはクラシックですが、クラシック/古楽ファンだけのものにしておくにはあまりにももったいない!ワールド・ミュージックやジャズのファンにも確実に「刺さる」であろう、驚愕のグルーヴを愉しめます。ぜひ、お聴きください。

 


 

*同じくOMFレーベルからは以下の2タイトルも新規配信開始。あわせてお愉しみください。

 

J.S.バッハ: イタリア協奏曲&フランス風序曲[2017リマスター]

西山まりえ(チェンバロ)

FLAC|96.0kHz/24bit

AAC-LC 320kbps

古楽界で多くのファンを持つチェンバロ&ヒストリカル・ハープ奏者、西山まりえによる「バッハ・エディション」第2弾(2008年リリース)が、ハイレゾで初登場。オリジナルの作業ファイルまで遡って再度ミキシングを行い、耳の肥えたハイレゾ・リスナーにもご満足いただける最上の音質を実現しました。
もちろん演奏の質も一級。「奏者が異なってもタッチの違いは出ない」「フォルテとピアノの差が出ない」「レガートやカンタービレはできない」── チェンバロにまつわるこうした話しのすべてが「嘘である」とわからせるのに、これほど適したアルバムはないといえましょう。時には一般的な常識とされているより遅いテンポを採用する西山の演奏には、歌うようなレガートと四角四面にならない自由なリズム感、精妙なタッチの描きわけが存在し、「西山まりえでなければ」という熱狂的ファンが多く存在する理由ともなっています。

「バッハという迷宮を一直線に駆け抜け、一回性のカタルシスと共にその軌跡を正確に描いたことに満ち足りるのではなく、迷宮の細部を愛でることを楽しみながら、その豊かな総体を描きつくそうとするこのミューズの指先に、これからも私たちは魅惑されつつ導かれてゆくことにしようではないか。」(矢澤孝樹による解説文より)

■レコーディング
2017年5月2-4日(神奈川県立相模湖交流センター)

■楽器
フレンチ・チェンバロ(Bruce Kennedy 1997[model Taskin, France 1769])
Tuning: A=415Hz

 

 

連弾の喜び – ジョイ・デ・デュオ

生田敦子(ピアノ)/生田惠子(ピアノ)

FLAC|44.1kHz/24bit

AAC-LC 320kbps

2000年の「ABC新人コンサート」で、若さと成熟さを兼ね備えた演奏を聴かせた生田敦子。同じチューリッヒ芸術大に学んだ妹惠子と「DUO A&K」としても活動を重ねてきました。すでにピアノ連弾の歴史は長く、舞曲や交響作品など多彩なレパートリーをものにしてきたふたり。今回の連弾版「謝肉祭」や四手オリジナル「マ・メール・ロワ」でも、新たな世界を披露しています。

■レコーディング
2014年2月27/28日(かながわアートホール)

■生田 敦子
ボストン生まれ。5歳よりピアノを始める。PTNAピアノコンペティションE級、F級金賞、デュオ部門上級最優秀賞、シニア部門第1位。早稲田大学卒業後、リーター財団奨学金を受け、スイス、チューリッヒ芸術大学留学。コンスタンティン・シェルバコフに師事。引き続きフォントーベル財団奨学金を得てジュネーヴ高等音楽院にて演奏家修士課程修了、合わせてピアノデュオ課程修了。その他、各種講習会等にて、アレキサンダー・イェンナー、パウル・バドゥラ・スコダ、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、パスカル・ロジェ他各氏の下で研鑽を積む。
2000年ABC新人オーディション合格、新人コンサート出演。2005年IBLA国際コンクール(伊)ピアノデュオ部門第2位及びラフマニノフ特別賞受賞。2011年チマローザ国際ピアノコンクール(伊)第3位及びチマローザ賞受賞。これまでに神奈川フィルハーモニー管弦楽団及びイェーナ交響楽団(独)と共演の他、ソリストとしてヨーロッパ各地の音楽祭やコンサートシリーズに出演。また、室内楽においてもN響、東フィル、ルツェルン祝祭管弦楽団、チューリッヒ室内管弦楽団、キール市交響楽団等のソロ奏者らと数多く共演している。2014年10月にルーマニアのジョルジュ・エネスコフィルハーモニー管弦楽団と共演。