ジョジョの奇妙な元ネタ紹介! その㉕「アナザー・ワン・バイツァ・ダスト」

~今週のスタンド~

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アナザーワン・バイツァ・ダスト
(元ネタ:クイーンの楽曲「Another One Bites the Dust」)

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 「背中を見せてはいけない」というこれまたシンプルな能力ながら、そのシンプルさゆえに露伴を追い詰めた「チープ・トリック」。幽霊・杉本鈴美のいる「“振り返ってはいけない”小道」を利用するという機転(この設定、みなさん覚えていましたか?)によって何とか撃退に成功しましたが、露伴の撮っていた写真の中には気になるものが……そうして川尻家と仗助たち一行の道がついに交差し始めます。

 後半はうって変って川尻=吉良のパート。これが筆者は恐ろしくて仕方ありませんでした……だって満員電車で肩や荷物がぶつかって顔をしかめたりすることなんて、人間一度はあるものでしょう? その相手が平静を装った連続殺人鬼だったりしたら……こういう「日常と隣り合わせの恐怖」を描かせたら、荒木先生の右に出る人はいない気がします。自分も間違っても舌打ちなんてしないように心掛けようと思いました……。

 電車の中で絡んできた男女を爆殺し「実にすがすがしい気分」になった川尻=吉良を、川尻の息子・早人はビデオに捉えていました。ここからがまた怖かったですね……風呂場での攻防というのはどことなくシュールでもあるのですが、逃げ場のない無防備な空間という意味では最たるもの。しかしそんな絶体絶命の状況においても周到に罠を張り、タンカを切って見せる早人はカッコいい(素っ裸だけど)! 小学生とは思えない彼の強靭な精神は、ラストエピソードに向かってさらに発揮されることになるのでお見逃しなく。

 一転追い詰められた格好の吉良吉影ですが、この状況をどのように切り抜けるのでしょうか? そこで鍵となってくるのが今回紹介するスタンド「アナザーワン・バイツァ・ダスト」です。正確には「スタンド」というより「能力」と言ったほうが適切でしょう。元ネタがクイーンの楽曲であることからもわかる通り、「シアーハートアタック」に次ぐ「第三の爆弾」として吉良のスタンド・キラークイーンが発動することになる能力なのです。

 といったところで元ネタの解説を。楽曲は地を這うようなベースラインが印象的なファンクの香り漂うナンバー。作詞・作曲もベースのジョン・ディーコンが担当しています。これまでのクイーンの路線からは大きく外れるためメンバーもその取り扱いに悩んでいたところ、マイケル・ジャクソンの助言によってシングル化されたとの逸話もあるとか。結果大ヒットとなるわけですが、日本で発売された際のタイトル(邦題)は「地獄へ道づれ」というものでした。この邦題が非常に秀逸で、吉良の発動することになる能力「バイツァ・ダスト」(作中ではもっぱら省略されてこのように呼ばれます)にもぴったりなのですね……その恐ろしい(本当に恐ろしい!)能力については、ぜひ本編をお見逃しなく。

 さて、若干ネタバレになるのですが、実は今回が元ネタを持つスタンドの紹介としては最後になります。この「アナザー・ワン・バイツァ・ダスト」のエピソードを皮切りに、怒涛のクライマックスへ向けて物語は動き出していくのです……しかし第四部が最もアツく、最もスリリングなのはまさにここから始まる最終局面。筆者が暑苦しく感想を語るだけのコラムになるかもしれませんが(もはや配信サイト関係ない……)、よろしければぜひもうしばらくお付き合いいただけると幸いです。

 

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TO BE CONTINUED…

 


 

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