現代音楽の孫たちは様々なジャンルで今も活躍していまる。クラブ・ミュージックやロック、ジャズにいたるまで、私たちが普段は現代音楽からは遠いと思っているジャンルの音楽を、現代音楽から受けた影響関係によって再構成して紹介します。
アヴァンギャルド / ノイズ
今日、ハードコアなどのロックに欠かせないノイズ音楽は、イタリア未来派の音楽家によって生み出された。また、無調や即興性を含むアヴァンギャルドな演奏は、ジャズシーンをはじめとして多くのアーティストがダイレクトに影響を受けている。60年代以後のロックが現代アートと融合し始めるという傾向にも注目。
John Cage
John Cage
実験音楽とは何か?無音の音楽とは何か?不確定性とは、偶然性とは何か。戦後のあらゆるアヴァンギャルド芸術のゴッドファーザー、ジョン・ケージの凝縮版。イタリアの前衛ロックとして有名なCramps Recordsの実験音楽に特化したNova Musicha(ノヴァ・ムジカ)シリーズ。本作はラジオを楽器に見立てて構成した『ラジオ・ミュージック』や演奏中全く鍵盤を弾かない『4分33秒』等、ジョン・ケージの代表的な楽曲5曲が収録されている。キノコ博士でもあったケージらしいきのこジャケがかわいい。The Singles
CAN
実験的で独創的なスタイルのロックバンド、CAN。メンバーのイルミン・シュミットはリゲティやルチアーノ・ベリオに私事し、ジョン・ケージ、スティーヴ・ライヒ、ラ・モンテ・ヤング、テリー・ライリーなど現代音楽家との親交も深い。ダモ鈴木が歌い人気を集めた「Vitamin C」などのシングル曲23曲を一同に収めた初のコレクション盤。TASTE OF WILD WEST 3
V.A.
日本が誇るノイズ音楽は、今や世界中でファンを獲得している。そのメッカといえる関西アングラの最盛期に録音されたコンピレーション・シリーズ第3弾。非常階段、ボアダムス、想い出波止場など日本を代表するノイズロックなアーティストが参加。この1枚でディープなノイズ音楽の世界に触れることができるはず。Guitar, Drums 'n' Bass
Derek Bailey
ジャズシーンのみならずクラブシーンにおいても影響を与え、進化し続けるドラムンベース。早いBPMとブレイクビーツを主軸に繰り広げられるフリーインプロヴィゼーションの嵐。Metal Machine Music
Lou Reed
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのヴォーカル・ギタリストとして有名なルー・リードのソロ作品。ギターの多重録音によるノイズのみが収録された問題作。当時ポピュラーなロックサウンドで人気だったことから、大きな賛否を巻き起こした。ルー・リードのアヴァンギャルドで実験的なサウンドはノイズ音楽の先駆けとなった。Songs For Drella
Lou Reed and John Cale
ヴェルベット解散以来の二人の共演。1987年に死去したアンディ・ウォーホルに向けたアルバム。アルバムタイトルの「ドレラ」はウォーホルのニックネームで、ドラキュラとシンデレラを合わせた造語。Ascension
John Coltrane
ジャズ・サックス奏者ジョン・コルトレーンが1965年に発表したアルバムで、コルトレーンのフリー・ジャズ期の代表作。集団即興の前衛的かつノイジーでカオスな作品は聴きごたえ満載!Spillane
John Zorn
ジャズ・サックス奏者ジョン・ゾーンの分類できない、多要素の詰まったカオスなアルバム。小説家ミッキー・スピレーンに捧げられた作品。収録曲「FORBIDDEN FRUIT」は映画「狂った果実」のトリビュート曲であり、太田裕美による朗読も。アヴァンギャルドで実験的。The Shape of Jazz To Come (Mono)
Ornette Coleman
60年代はオーネット・コールマンの時代だった。マイルス・デイヴィスやコルトレーンなど、モダンジャズのスーパースターが活躍し続けるなか、その誰とも違ったアプローチで《自由な》音楽を生みだした。まさにジャズが自由になった瞬間だ。Faust IV
Faust
彼らの音楽をどう形容したらよいだろうか。ノイズ、反復音楽、サイケデリック、アヴァンギャルド。様々なジャンルに分類分けすることができるだろうが、戦後ドイツを象徴するインダストリアルミュージックにおけるひとつの事件であったことは確かだ。パフォーマンス
1960年代にはじまった「ハプニング」や「フルクサス」という運動は、ジョン・ケージの再現不可能な芸術に影響を受けて始まった。のちにパンク・ロックの精神を築き、様々なパフォーマンス・アートを生み出した運動は、今でも孫世代によって受け継がれている。
改造への躍動~特別拡大版~
ゲルニカ
戸川純、上野耕路、太田螢一のレトロ歌謡テクノポップ・ユニット。細野晴臣がプロデューサーとして参加した。昭和初期を思わせるコンセプチュアルで独特の世界観を感じる作品。HORSES (REMASTERED)
PATTI SMITH
クイーン・オブ・パンクと称されたパティスミスのスタジオアルバム。元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルがプロデュースし、ポエトリーリーディングを混ぜ合わせた前衛的なライブパフォーマンスが特徴的。Big Science
LAURIE ANDERSON
アメリカの前衛芸術家でありパフォーマンス・アーティスト。エレクトロニクスを駆使した作風でライブパフォーマンスでは実験的な要素が強い。詩の朗読を行っている本作は全英で2位となった。夫は元ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リード。裏玉姫
戸川純とヤプーズ
当初はカセットのみで発売されたライブアルバムのリマスター盤。ニュー・ウェーヴの歌姫、戸川純のな圧倒的なライブパフォーマンスが感じられる1枚。パンクでサイケ、そしてチャーミングさ溢れる独特の世界観に魅了されるはず。勝手にしやがれ!!
Sex Pistols
言わずとしれたパンク・ロックの代表的バンド。政治的主張、過激なパフォーマンス、アンチ演奏といった、フルクサスやハプニングの変異体として象徴的にみることができるが、セールスの点でも全英チャートで1位を獲得。ヒゲ博士とオモチャ箱
明和電機
現代音楽につきものの「楽器の発明」と「特殊奏法」だが、彼らのパフォーマンスは大人から子供まで多くの大衆を楽しませるという点で一味違う。エレクトロニクスを駆使した技術力は商品開発してしまうほど。(明和電機が開発した電子楽器「オタマトーン」は日本おもちゃ大賞2010に受賞している)PPCC
BiS
情報過多のアイドル戦国時代において、アイドルとパフォーマンスは切っても切れない関係となった。BiSは確信犯的な炎上商法によって、賛否を巻き起こす象徴的な存在となった。彼女たちのメジャーデビューアルバムを、パフォーマンスアートという目線から捉え直すことは可能だろうか。Crowbot Jenny(カラスボット☆ジェニー)
Sputniko!
自身を「ドラディカル」と形容詞、「ラディカル」かつ「ドラえもん」的な発明品を提案する異色のパフォーマンス・アーティスト。本作はカラスと会話の出来るロボット「カラスボット」を実際に開発・制作し、カラスとのコミュニケーションを試みる取組みを行った。エレクトロニクス
ピエール・ブーレーズが組織したIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)の研究、マックス・マシューズの発明、シュトックハウゼンらの取り組みによって電子音楽は誕生し、今日のエレクトロニカやIDMへと発展した。シュトックハウゼンは世界で初めて電子音楽を作曲したといわれる。
Xenakis: Phlegra, Jalons, Keren, Nomos Alpha, Thallein, Naama , A L'Ile De Gorée, Khoaï & Komboï - Apex
Iannis Xenakis
クセナキスはエレクトロニクス系アーティストに最も影響を与えた作曲家の一人だろう。彼の確率論的な手法、アルゴリズムによる作曲は、後にIDMなどへ継承されており、また舞台ではサラウンド効果を最も早く提案した空間芸術の祖であるともいえる。このアルバムは彼の管弦楽曲を集めたものだが、現在の様々なエレクトロニカ・アーティストの手法と比べて聴いてみると、意外なほどの共通点に驚くだろう。Vespertine
Bjork
クイーン・オブ・エレクトロニカ、ビョークの名盤。電子音楽デュオ、マトモスが制作に参加していることでも有名な本作は、ハープやオルゴールの柔らかな音色とエモーショナルかつ穏やかなボーカルラインに加え、ノイズ音やクリック音が散りばめられたエレクトロニックな作品に仕上がっている。「ビルボード」誌のエレクトロニック・アルバム・チャートで1位を獲得。cage out
macaroom
ジョン・ケージをポップに再現することをテーマに、現代音楽の作曲家・川島素晴と進めていったプロジェクト。楽曲制作の様子を事細かく公開する緻密な作業によって制作されていった。supercodex
ryoji ikeda
音と光をモチーフにした作風が特徴のエレクトロニック/ヴィジュアル・アーティスト。超音波や周波数などに焦点を当てた、物理的・数学的アプローチを多用したライブパフォーマンスやインスタレーションを行う。パフォーマンス集団ダムタイプの舞台音楽も担当している。Roseland NYC Live
Portishead
トリップ・ホップの先駆者ポーティスヘッドのニューヨーク・フィルハーモニックを従えて行ったライブアルバム。大所帯のオーケストラの生音にシンセ音とヒップホップなスクラッチやビート音が非常にクール。ボーカル、ベス・ギボンズの圧倒的存在感に引き込まれること必須。イエロー・マジック・オーケストラ(US版)
YELLOW MAGIC ORCHESTRA
テクノブームの火付け役となったYMO。日本のポップシーンでシンセサイザーとコンピュータを用いて斬新なアプローチを試みた、新しい形の音楽を提示。本作品はゲームのBGMのようなピコピコサウンドと軽快なリズムで、今も色あせずに楽しませてくれる内容になっている。async
坂本龍一
坂本龍一、8年ぶりとなるオリジナルアルバム。渋谷ワタリウムで本作品の5.1ch サラウンド再生、映像作家とのコラボレーションによる映像演出といった空間的にアルバム全体の世界観を感じるられるインスタレーションが行われた。アナログとデジタルのどちらの側面も感じられ、非常にインスピレーション的な作品。音のひとつひとつに丁寧で美しい印象を受け、その神髄は世界を記述しているかのようだ。Skotta
KIRA KIRA
アイスランド出身の作曲家、映画監督の女性アーティスト、キラキラ。アイスランド音楽シーンのキーマンとしてシガー・ロスやムームといった人気バンドをサポートしてきた背景も。キッチン・モーターズの創設メンバーとして、演劇、映画、音楽などに携わり、実験音楽と視覚芸術の関係を探求している。本作品は北欧のアーティストらしい繊細さと不穏さを感じる夢の中できごとのような作品。MikXperience e.p.
初音ミク
初音ミクとXperiaがコラボレーションした初のスマートフォン「Xperia feat. HATSUNE MIKU」にと連動したコンセプトミニアルバム。スマートフォンとのコラボのほか、初音ミクライブイベントやオーケストラとのコラボレーションなど、DTMソフトウェア音源に留まらずその存在はどんどん広がりを見せている。冨田勲:ドクター・コッペリウス
初音ミク/渡邊一正指揮/東京フィルハーモニー交響楽団
シンセサイザーのパイオニア富田勲が上演を夢見て他界直前まで創作を続けていた空間芸術作品。富田勲が敬愛する糸川英夫の「いつかホログラフィーと踊ってみたい」といった言葉から着想を得て制作された作品。オーケストラとシンセサイザー、バレエダンサー、3DCGの初音ミクが混ざり合うスぺースシンフォニー。エレクトロニクスを発揮させ、宇宙空間の演出と近未来の希望を描いた作品に。初音ミクの消失
cosMo@暴走P
バーチャルネットアイドルの代表、デジタル歌姫初音ミク。その人気は社会現象にもなり、世界中から注目された。「初音ミクの消失」は、ネット検索から一時的に初音ミクの画像が消えたことで巻き起こった騒動から翌年に発表された楽曲。初音ミクの存在を考えさせられる楽曲となり、話題を集めた。救済の技法
平沢進
平沢進の音楽は批評家の間だけでなく、映画、アニメファンの間でも保証されている。エレクトロニカ、テクノなどのコンピューター・ミュージック、独自のオリエンタリズムを織り交ぜて評価を一定のものとした。GAME
Perfume
YMO以来25年ぶりにテクノユニットがオリコン1位を獲得。その後もPerfumeのような極端にボーカルを加工したり電子音楽をメインにしたスタイルが流行した。エレクトロニクスの実験音楽の中で一大テーマであった機械と人間の融合を最も体現したユニットとなった。In Visible Silence (Deluxe Edition)
Art Of Noise
まさにイタリア未来派の音楽家たちが提案したごとく「騒音芸術」を掲げる彼ら。最初期のサンプリングマシーンを駆使してつくられる彼らの音楽は、ラディカルな手法が決して難解なわけではないことを証明してくれる。The Man Machine (2009 Remastered Version)
Kraftwerk
クラフトワークはビートルズと並ぶ、最も後世に影響を与えたグループだろう。その影響はテクノだけでなく、たとえばヒップホップの誕生にも関わっているし、その後のクラブミュージックは、すべてクラフトワークから派生したといっても過言ではないだろう。彼らの代表作を2009年のリマスター版で。ループ / クラブ / サンプリング
クラブシーンは現代音楽がなければ違った形になっていただろう。シェフェールらによる「ミュージック・コンクレート」やシュトックハウゼンのテープ音楽などによってサンプリングの概念が生まれ、ライヒらのミニマリズムによってテクノなどのループ音楽、アンビエントなどが誕生した。
Hana
ASA-CHANG&巡礼
ASA-CHANG率いるこの不特定ユニットは、現代音楽と冠されていても全く違和感のない音楽を発表し続けながらも、国内外で商業的にも成功をおさめている。U-zhaanが在籍していた頃のこのアルバムは、映画のサントラ、のちのアニメでの起用など、彼らの代表作となった。You've Come a Long Way Baby
Fatboy Slim
熱狂的なレコード収集活動によって織りなされるサンプリングの嵐は、作曲という概念すら揺るがしかねない。それでも現代音楽と違って大衆に常に受け入れられ続けているのは、パーティーシーンというタームとファットボーイ・スリムの強いつながりゆえだろう。Ambient 1/Music For Airports
Brian Eno
ミニマリズムやフルクサス、サティの家具の音楽などの思想を受け継ぎ、イーノはアンビエントミュージック(環境音楽)を提唱した。空港のための音楽と称された本作品はブライアン・イーノが最初にアンビエントミュージックとして発表したアルバム。ジョンケージの影響を強く受けた1人でもある。KIND OF BLUE
Miles Davis
エリック・サティやミニマリズムとも違ったアプローチで、マイルス・デイヴィスはモードの音楽を確立した。モードジャズの夜明けだ。これを「現代音楽の影響下にある」と断言するのは間違いだが、根底となる新規性への渇望は共通しているだろう。サティ/ヴェクサシオン
Jean-Marc Luisada, Jeanne Moreau
ループ音楽の古典としてあまりにも有名であり世界最長の曲としてギネスにも認定されているヴェクサシオン。1963年にこの曲を初演したジョン・ケージを初め、多くの現代音楽作曲家に影響を与えた。1分程度の曲を840回繰り返す曲であり、なおヴェクサシオンの意味は日本語で「嫌がらせ」。Works 1965-1995
Steve Reich
ライヒの音楽は、一般的に言われるミニマリズムのみならず、ループ音楽、アンビエント、チルアウトなどクラブ音楽のジャンルでも最先端である。彼がいなければテクノ、ハウスは全く違う形になっていただろう。Terry Riley: A Rainbow In Curved Air; Poppy Nogood and the Phantom Band
Terry Riley
ミニマリズムを世界に知らしめたテリー・ライリーの音楽は、最初期からエレクトロニクスや即興性を取り入れており、今作はそれらの要素が贅沢にも一望できる。リラグゼーション、ヒーリング、ポストクラシカル、トランス、チル、アンビエントなど、様々な要素を含んでおり、彼の曲が難解であると感じる人は少ないだろう。映画音楽
現代音楽が真っ先に商業的な利用価値を見出した場所が映画音楽だった。映画音楽にはいまでも現代音楽的な手法が数多く使用されており、また逆に、現代音楽の作曲家が本来のフィールドとは違うキャッチーな映画音楽によって有名になるケースは非常に多い。
『メッセージ』 (オリジナル・サウンドトラック)
Jóhann Jóhannsson
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『メッセージ』のオリジナル・サウンドトラック盤。音楽は映画『博士と彼女のセオリー』の楽曲を作曲し、第72回ゴールデングローブ賞で作曲賞を受賞したアイスランド出身の作曲家、ヨハン・ヨハンソン。Hans Zimmer - The Classics
Hans Zimmer
幅広い作風でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞に輝くジマーは、近年は『ダークナイト』『インターステラー』『インセプション』などミニマリズムを思わせる作風が評価されている。彼の80年代からの作品を集めたベスト盤3つの世界:ウルフ・ワークス(ヴァージニア・ウルフ作品集)より
Max Richter
映画音楽やバレエ音楽を製作するリヒターは、エレクトロニクスや室内楽、ノイズなどを巧みに融合させ、ミニマリズムを思わせる楽曲を数多く作曲している。本作はヴァージニア・ウルフの小説をモチーフに製作されたバレエのための作品。Psycho (The Complete Original Motion Picture Score)
Bernard Herrmann
ヒッチコック、オーソンウェルズとのコラボレーションで知られるハーマンの大表作。現代音楽のクラスター手法を犯人の象徴として使用した例は、その後数多くの作品で真似され、またパロディ化されている。Tubular Bells iTunes Exclusive Box Set
Mike Oldfield
デビュー作『チューブラー・ベルズ』は映画『エクソシスト』で使用され、ミニマル音楽とホラーの可能性を決定的なものにした。彼の活動はミニマリズムや実験音楽だけでなく、ニューエイジをはじめとした商業音楽においても評価を受けている。シン・ゴジラ劇伴音楽集
伊福部昭
伊福部昭は、有名なサントラだけでなく、オーケストラの特殊奏法によってゴジラの様々な効果音を提案した。その手法は現代音楽でも珍しいものばかりであり、まさに現代音楽と商業的な目的が結びついた形となった。Toru Takemitsu: November Steps; Viola Concerto; Corona
Nobuko Imai, Roger Woodward, Saito Kinen Orchestra, Seiji Ozawa
現代音楽作曲家、武満徹が世界的に名を馳せるきっかけとなった代表作。サイトウ・キネンオーケストラ&小澤征爾指揮、1973年5月、ロンドン、デッカ・スタジオで録音された。小澤征爾は武満徹と親交が深く、武の満死後も武満作品を演奏する機会が多い。琵琶、尺八がほどよくオーケストラと混ざり合い、武満らしい世界観を作り出している。