ピアニスト・藤田真央、「チャイコフスキー・コンクール2位入賞」直前収録のオール・ショパン・アルバム、日本先行リリース!
2019年6月。
「第16回チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門2位入賞」の特報で音楽ファンを沸かせたピアニスト・藤田真央。
今秋は毎週のように国内外のホールを飛び回って演奏し、行く先々で新たなファンを増やしている彼。「Maoの新譜はまだ?」というリクエストの声は、いまや日本国内にとどまらず、世界じゅうから聞こえてきている状況です。
そんななか、チャイコフスキー・コンクール出場直前の今年2月に録音されたオール・ショパン・アルバムが、2019年10月16日、「日本先行」でリリースされました。
コンクールでも絶賛された「真央ショパン」を、世界に先がけてお楽しみください。
ショパン:スケルツォ/即興曲
AAC[320kbps] FLAC[96.0kHz/24bit]
モスクワの聴衆を静まり返らせた藤田真央のショパン
「普段、おしゃべりをしたり携帯を鳴らしてしまったりと落ち着きのないモスクワの聴衆が、静かにじっくり耳を傾けています。藤田さんのやりたいことが伝わった証拠でしょう。ショパンが終わると、なかなか拍手が鳴り止みません。」
───ジャパン・アーツWEBサイト 高坂はる香(音楽ライター)氏のレポートより
第16回チャイコフスキー・コンクール、ピアノ部門のセミファイナルで、ショパンの「ピアノ・ソナタ第3番」を弾いた藤田真央。
物怖じせず、圧倒的な集中力でもって、彼のポリシーである「きれいな音」を一音一音響かせていくその姿は、コンクール慣れしたモスクワの音楽ファンさえも虜にしました。
SNSでも、ウェブ中継を観ていた世界の音楽ファンから絶賛のコメントが次々と書き込まれる騒ぎに。藤田真央が、ショパンのスペシャリストとして国際的な注目を集めた瞬間でした。
ショパンのピアノ・ソナタ第3番は、2018年にリリースした3rdアルバム『passage パッセージ』のメインプログラムでもあります。
passage パッセージ – ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
AAC[320kbps] FLAC[192.0kHz/24bit] DSD[11.2MHz/1bit]
いわば彼にとって弾き慣れた作品。
それにしてもセミファイナルの大舞台で、これほどに説得力のあるショパンを弾ききることができたのは、彼が『passage パッセージ』の録音以降も、たゆまずショパンの探求を続けてきた証拠といえるでしょう。
このセミファイナルのショパンを生み出したものはなんだったのか。
それは、4ヶ月前の2019年2月にイギリスで行われたレコーディングだったのかもしれません。
2月、「透明でどこか淋しい美しさ」をたたえた町で録音したショパン
「2月のとても寒い時期。雪が舞う中、静かな牧草地の小道をひたすら歩き、レコーディング会場に向かいました」
https://twitter.com/DeBay1128/status/1094586253763362816
藤田真央が向かったのは、イギリスの田舎町ロス・オン・ワイ。
「透明でどこか淋しい美しさ」をたたえたこの町で、彼が挑んだのは、人生初のオール・ショパン・アルバムの録音でした。
- 即興曲第1番 変イ長調 Op. 29
- 即興曲第2番 嬰ヘ長調 Op. 36
- 即興曲第3番 変ト長調 Op. 51
- 即興曲第4番 嬰ハ短調 Op. 66 (幻想即興曲)
- 演奏会用アレグロ イ長調 Op. 46 (協奏曲のアレグロ)
- スケルツォ第1番 ロ短調 Op. 20
- スケルツォ第2番 変ロ短調 Op. 31
- スケルツォ第3番 嬰ハ短調 Op. 39
- スケルツォ第4番 ホ長調 Op. 54
これまで藤田真央がリリースしたソロ・アルバムは、すべて、複数の作曲家の作品を取り上げています。
映画「蜜蜂と遠雷」 ~ 藤田真央 plays 風間塵
AAC[320kbps] FLAC[96.0kHz/24bit]
モーツァルト、サティ、ショパン、ドビュッシー、メンデルスゾーン、藤倉大、バルトーク
passage パッセージ – ショパン:ピアノ・ソナタ第3番
AAC[320kbps] FLAC[192.0kHz/24bit] DSD[11.2MHz/1bit]
リスト、モーツァルト、ショパン、シューマン(リスト編)、モーツァルト(ヴォロドス編)
ワーグナー=リスト: 歌劇「タンホイザー」序曲
AAC[320kbps] FLAC[88.2kHz/24bit]
ベートーヴェン、ワーグナー(リスト編)、プロコフィエフ
ラフマニノフ 楽興の時 作品16/三善 晃 ピアノ・ソナタ他
AAC[320kbps] FLAC[44.1kHz/24bit]
ベートーヴェン、ラフマニノフ、三善晃
10代とは思えない高度な技術とイノセントな魅力を持ちながらも、まだ「どの方向」に伸びていくかは未知数だった彼。
さまざまな作曲家によるさまざまなタイプの作品を収録するのは、若い彼の成長や変化を多方面から記録しておくという意図もありました。
しかし今回は、すべてショパン、しかも有名曲のセレクションではなく「即興曲」と「スケルツォ」という玄人好みのジャンルの全曲収録。
確固たるアイデンティティをもつピアニストでなければ、世に数多あるショパンの名演に連なる自信と評価がなければ、こういうプログラムを堂々と世にお披露目することは難しいでしょう。
まだ伸びしろたっぷりの20歳にとって、それは勇気のいる挑戦だったに違いありません。「昔の演奏を聴くのは恥ずかしい」──彼はしばしばそんな言葉を口にします。
しかし彼は、この辺境のような田舎町で、順調に、朗らかに、3日間の録音を終えました。
https://twitter.com/DeBay1128/status/1095680912862236672
https://twitter.com/DeBay1128/status/1095751593692221442
成果は、ふたつの形で結実しました。
ひとつは、あのチャイコフスキー国際コンクールのセミファイナルの演奏。もうひとつが、このたび編集とマスタリングを終え、満を持して日本先行リリースの日を迎えたこのアルバムなのです。
チャイコフスキー国際コンクールでの第2位入賞。映画『蜜蜂と遠雷』でのメインキャラクター・風間塵のピアノ演奏。そして、世界をまたにかけたコンサート。……
https://twitter.com/DeBay1128/status/1181935339792818176
※2019年10月、カドガン・ホールでロンドン・デビューを果たした藤田真央
「藤田真央の1年」だったといっても過言ではない2019年のピアノ界。その輝かしい活動の土台となった、今年2月録音のオール・ショパン・アルバムです。ぜひ、彼の国際的な評価とゆるぎない個性を裏付ける、考え抜かれた明晰なタッチと緻密なコントロール力を感じさせる響きをお愉しみください。