【Shiori Sugaya インタビュー】Shiori Sugaya 2ndアルバム『Phase』リリース記念

 2022年に自主レーベル「Panomated Records」を設立し、ソロ名義で活動を始め たアーティスト、Shiori Sugaya。最初にリリースしたピアノ・ソロ・アルバム『Shade』は、Apple MusicやSpotifyなどのストリーミング・サービスで累計200万回再生を超えるヒットを記録しました。ピアノや鍵盤ハーモニカの演奏者として、また作曲家、編曲家として活動してきたShiori Sugayaは、なぜこのような活動を始めたのでしょうか。8月4日リリースの2ndアルバム『Phase』の制作を終えたばかりの6月中旬、ご本人にインタビューを行いました。


『Phase』
Shiori Sugaya

AAC FLAC

■収録内容(全9曲収録)

1. Coincidence
2. Tender
3. Flow
4. Dolls
5. 金木犀(Fragrant Olive)
6. Candles
7. Fog
8. Lost
9. Confusion
10. Reminiscence
11. Sprout
*3, 4, 5, 6, 10 は新録音

Shiori Sugaya – Sprout [Music Video]はこちら♪


―― ソロ活動を新たに始めた きっかけを教えてください。

(Shiori Sugaya) きっかけは、ナクソス・ジャパンの長門裕幸さんからデジタルアルバム制作の提案を受けたことです。 長門さんが教えてくれたトイポップやアヴァンポップといったジャンルの作品はとても魅力的で、ソロ・アーティストとしての創作意欲を刺激されました。

 その後、1stアルバム『Shade』の前身になるデモトラックを制作したところ、こうしたタイプの曲はストリーミング・サービスで好んで聴かれると教えていただき、ナクソス・ジャパンにディストリビューションをお願いすることになりました。

 私は基本的に、自分で主体的に何かを見つけるよりも、他の人から刺激を受けて自分の方向性を決めていくことが多いです。3人組の音楽ユニット「おんがくしつトリオ」で私が担当している鍵盤ハーモニカも、高校時代に恩師からすすめられて始めました。

――Shiori Sugayaさんの作品は、どれも3~5分前後で、「チル」や「リラックス」というワードが似合いそうなテイストです。しかしよく聴くと、決して耳あたりが良いだけではなく、繊細さや複雑さを兼ね備えた音楽であると感じます。

 そうした作風は、ひょっとしたら私自身の生まれ持った性格によるものかもしれません(笑)。
でも、努力してそういう曲を創っているという側面もあります。これまでの演奏活動によって身につけた作曲技法や、これまでに聴いた音楽からの影響をなるべく反映させずに、とらえどころがないものをあえて作ろうといつも意識しています。

 Panomated Recordsを設立したときに、「猫みたいにただ一緒にいられる音楽」というステートメントを提示したのですが、そのポリシーは1年半を経たいま現在も変わっていないと思います。

――ニュー・アルバム『Phase』のコンセプトを教えてください。

 1stアルバムをリリースしたあと、身近な人の死と新しい命との出会いを経験しました。このアルバムの収録曲のうち、新作(トラック1、2、7、8、9、10)は、その2つの出来事をもとに創っています。たとえばトラック9の「Confusion」は、タイトルのとおり、身辺の変化による自分自身の戸惑い(Confusion)がイメージの元になっています。
 新作以外の曲(トラック3、4、5、6、11)は、昨年から今年のはじめにかけてシングルとしてリリースし、このたび再録音を行った作品です。幼少期のクリスマス(トラック6/Candles)や、祖母との交流(トラック11/Reminiscence)など、過去や過去に対する想いをベースにしている作品が多いです。

 過去はすでに記憶や思い出として形になっていますが、現在の心情は移ろい変化し続けているので、曲にするのが難しいと感じることもありました。ただ私の曲は、出来事や感情や思い出そのものを音楽によって描いているわけではありません。音楽とテーマとの間にはかなり距離があると思います。

 またこのアルバムでは、新しい工夫として、音のピッチをこれまでよりも下げました。自分が作曲のときに頭で鳴らしている音が、一般的なピアノのピッチと合わないとずっと感じていました。もっときらびやかではない、落ちついた音にしたいと願っていたので、それが実現できてよかったです。

――今後の夢を教えてください。たとえばライブ活動などに興味はありませんか?

 普段の音楽活動のなかではライブ活動をたくさん行っているのですが、Shiori Sugayaとしてライブをするのは、正直なかなか想像ができないですね……。自宅のスタジオでひとりきりで作ってきた音楽ですし、聴く方も、ひとりでこっそりと家のなかで聴いてほしいなと思ったりもします(笑)。

 ただ、私と同じような「引きこもり」的な側面を持っているアーティストさんは実は多いのではないでしょうか。アーティストは聴衆に対して何かを与える大きな存在でもありますが、等身大の自分として音楽を奏でたいという想いもあります。Shiori Sugayaとしての活動を通じて、私が持つ後者の側面に共感してもらえたらと思います。

 一方で、音楽以外のアーティストとのコラボレーションにはとても興味があります。特に映像作家とコラボレーションすることは夢のひとつです。この新しいアルバムがたくさんの人に聴かれて、その結果、未知のアーティストと出会うことができたらうれしいです。

――ニュー・アルバム『Phase』が、Shiori Sugayaさんとリスナーとの新たな出会いを作ることを楽しみにしています。

Interview in Tokyo, June 2023

 


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『Shade』 
Shiori Sugaya

試聴・購入 [AAC]1980円 →1584

 


アーティスト情報

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