訃報 レナード・コーエン氏死去

グラミー生涯功労賞、ロックの殿堂入り、カナダ勲章の最高位であるコンパニオン認定され、2011年にはアストゥリアス皇太子賞の文学部門を受賞と数々の名誉に輝いているカナダ出身のシンガー・ソングライター、詩人、小説家として活躍する重鎮レナード・コーエン氏が無くなりました。享年82。

その不変の価値を持つ詞や音楽などで、三世代にも渡って世界中の人々に影響を与え続けている稀有なアーティストといっても過言ではないレナード・コーエン。

10/26には約2年振り、14作目のスタジオ・アルバム『ユー・ウォント・イット・ダーカー』を発売したばかりでした。

10月13日にはLAのカナダ大使邸にて、レナード・コーエン本人と息子で今作のプロデューサーのアダム・コーエンが出席するという貴重な新作のリスニング・イベントが開催され、元気な姿を見せユーモアの効いた発言で会場を笑いに包んだばかりでした。

またボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞したことについても聞かれ、「それは、エレベレストの頂上にメダルを飾るようなもの」と短く答えディランへの敬意を表しました。

 

通常/ハイレゾ

 

今回の訃報は、所属レーベルであるソニー・ミュージック・カナダがフェイスブックを通じて伝えたもので、次のようにコメントが出されています。

「かぎりなく深い哀しみと共に伝説的詩人であり、ソングライター、アーティストであったレナード・コーエンが亡くなったことをここにお知らせします。我々は音楽界で最も尊敬された多作にして才能豊かなアーティストのひとりを失うことになってしまいました。葬儀は後日ロサンゼルスで執り行われます。彼の家族が静かにこの深い哀しみと時をすごせるよう、プライバシーへの配慮をお願いします」

世界中から愛されるレナード・コーエン。心よりお悔やみ申し上げます。

 

 

moraで配信中のレナード・コーエンのアルバムをご紹介。

 

「The Essential Leonard Cohen」

40年の長きにわたって、詩人/小説家/シンガー・ソングライターとして活躍してきた彼の珠玉のヒット曲31曲を網羅した2枚組エッセンシャル・ベスト・アルバム。

 

「Songs Of Leonard Cohen」

漂白の詩人レナード・コーエンの1967年発表のデビュー作。ときにコーエン33歳。このアルバム発表までに詩人として、第1詩集「神話を生きる」56年、第2詩集「大地の薬味入れ」61年、初の小説「お気に入りのゲーム」63年、第3詩集「ヒットラーのための花束」64年、第4詩集「天の寄食者たち」66年、第2小説「嘆きの壁」が世に出された。彼が歌い手としてニューポート・フォーク・フェスティヴァルに参加するのは67年のことで、コロムビア・レコードのジョン・ハモンドの知遇を得、発表したのが本作だ。彼は自分の詩集を編むようにレコード制作し、加えて前年にはジュディ・コリンズが「スザンヌ」をヒットさせて、コーエンは音楽業界でも知られるようになっていた。

 

「Songs From A Room」

漂白の詩人レナード・コーエンの1968年発表のセカンド・アルバム。当時34歳のコーエンはギリシャのヒドラ島、ヨーロッパ各地、アメリカと漂白をしながら歌を、詩を紡いできた。本作は前作以上にその放浪からの漂白感とロマンチシズムを孕み詩とメロディーに深遠な響きを与え、ダブル・ミーニングを暗示させ、彼の歌い方はまるで女性を優しく愛撫するような歌い方だ。この当時からコーエンはコーエン以外の何者でもなく、本質的には何も変わっていない。収録曲のなかでは「電線の鳥」がティム・ハーディンに取り上げられ、90年にはネヴィル・ブラザーズにも歌われている。

 

「Various Positions」

Jeff Buckleyをはじめ多数のアーティストにカヴァーされている名曲「Hallelujah(ハレルヤ)」を収録した1984年作品。

通常/ハイレゾ

 


 

レナード・コーエン プロフィール

レナード・ノーマン・コーエンは、1934年9月21日、カナダはモントリオールの裕福なユダヤ系の家庭に生まれた。

デビュー・アルバムで一躍コーエンは自己の内面を歌う特異なポップ・シンガーとして人々に奉られる存在となった。

アメリカではほとんどコンサートを行わないコーエンであったが、ヨーロッパでは70年、72年、74年と大規模なツアーを行っている。特にイギリス、フランスでの人気は物凄く、74年のパリでのコンサートでは、13万人を一度に集めるという記録を樹立した。

75年にアメリカで行われた初のツアーでは、ボブ・ディランをはじめ、ジュディ・コリンズ、ジョニ・ミッチェルが顔を出して話題となった。