名作映画のテーマ曲を優雅なチェロ&ピアノのアレンジで♪

懐かしの名作「ニュー・シネマ・パラダイス」「サウンド・オブ・ミュージック」から、昨年アカデミー賞(第89回)の作曲賞・歌曲賞を受賞した「ラ・ラ・ランド」まで……

映画のテーマ曲や挿入曲の数々を、優雅なチェロ&ピアノのアレンジでお届けするアルバム「Smile – 珠玉のシネマ名曲集」(チェロ:荒庸子/ピアノ:山田武彦)が、本日、先行配信開始されました。

レコーディングはハイレゾファンにもすでにおなじみのエンジニア・深田晃。DXD 352.8kHz/24bitオリジナルレコーディングによる極上音質でのお届けです。

 


Smile – 珠玉のシネマ名曲集

荒庸子(チェロ)/山田武彦(ピアノ)

DSD 11.2MHz/1bit, PCM 192kHz/24bit, ミュージック

Smile - 珠玉のシネマ名曲集/荒庸子(チェロ)/山田武彦(ピアノ)

 


 

【“スペクタクル”だけではない「ハイレゾ映画音楽」の魅力】

映画のサウンドトラックは、ハイレゾのアルバムの中でもとりわけ人気が高いジャンル。

聴きなじみのある音楽が、より分厚く立体感のあるサウンドに変貌することを期待して聴く方も多いことでしょう。

 

しかし、ハイレゾの醍醐味は、こうしたスペクタクル感だけではありません。

大きな映画館で、臨場感にあふれる爆音を聴くようなカタルシス。それがハイレゾの魅力であることはいうまでもありません。しかし、自宅の部屋のサイズに優雅に収まり、メロディやハーモニーをしっとりと聴かせてくれる心地よさもまた、ハイレゾの大きな魅力です。

 

クラシック音楽には、「室内楽」というジャンルがあります。弦楽器4台、あるいは弦・管楽器とピアノなど、少人数で演奏できる作品のことを指し、数十人ほどの小さなホールや、個人宅などで小ぢんまりと演奏されることもあります。

まだレコードやラジオがなかった時代には、大劇場で上演されるオペラは、人気が出るとすぐに室内楽向けにアレンジされ、人びとは家族や友人と一緒に演奏して楽しんだといわれています。

ときに、劇場で観た名シーンを思い起こしながら、目の前で仲間が弾くメロディに聴き入ることもあったでしょう。

全編、映画音楽のチェロとピアノによるアレンジを収録したこのアルバムは、こうした室内楽ならではの「大きなホールで聴いた名曲を、日常の空間で味わう楽しみ」に根ざしたものといえるでしょう。

 

【チェロという楽器の個性とアレンジ】

チェロは、弦楽器のなかでも、演奏者の個性や、作品に対するスタンスが音に反映されやすい楽器です。

哲学者のように重々しく思索的な演奏もあれば、気さくなおしゃべりのように軽妙な演奏もあります。

このアルバムの演奏の特徴は、「Smile」という表題にもあらわれている通りの、優美で叙情的なテイストです。

 

それは、演奏者であるチェリスト・荒庸子の個性が醸し出したもの。

荒庸子は、ソリスト、室内楽ユニット、オーケストラとの共演、洗足学園音楽大学での後進の指導など、幅広く活躍しているチェリスト。大の映画ファンであることから、映画音楽をテーマとしたコンサートを定期的に開催し、好評を博しています。

※次回演奏会:2018年3月3日 荒庸子 チェロ・リサイタル2018~想い出がいっぱい 珠玉のシネマ名曲Selection Vol.4

 

波瀾万丈の冒険譚にわくわくした「80日間世界一周」、舞踏会のダンスシーンにうっとりした「美女と野獣」、戦争の重さに胸しめつけられた「戦場のピアニスト」や「シンドラーのリスト」。

まったく異なるテイストの映画のなかで流れた、まったく異なるテイストの音楽にもかかわらず、いずれも包み込むような優しさに満ち、ところどころでチャップリンの映画のようにほろりとさせられる哀愁を醸し出しています。

 

アレンジを担当したのは、NHK連続テレビ小説「おひさま~大切なあなた」で第53回日本レコード大賞編曲賞を受賞した渡辺俊幸や、ピアニストとして演奏に参加している山田武彦ほか、著名な作編曲家・演奏家。

現役の編曲者ならではの洒落た工夫が、導入部からちょっとしたつなぎの箇所に至るまで隅々に行き届いており、最初から最後まで飽きさせません。

 

【ハイレゾ録音としての聴きどころ】

レコーディング・エンジニアは、「天上のオルガン」「天使のハープ」「メディテイション ~フローベルガーの眼差し~」でハイレゾファンからも絶大な人気と信頼を得ている深田晃。

すでにさまざまな楽器や編成のレコーディングに取り組んできた深田晃ですが、このチェロ&ピアノの録音では、特に、ふたつの楽器の絶妙なバランス感と、両者のハーモニーが溶け合って空気にしみとおっていく美しさが聴きどころです。

トラック5の「モダン・タイムス – スマイル」の冒頭のチェロのピッツィカート(弦を指ではじく技法)、ピアノとチェロが同じメロディラインを奏でるトラック7の「カヴァレリア・ルスティカーナ – 前奏曲&間奏曲」の後半部分、トラック8の「ラ・ラ・ランド – アナザー・デイ・オブ・サン」の冒頭でチェロがバリっと奏でる重音なども、ハイレゾで心して聴いておきたいポイントです。

 

誰でも知っているメロディがたくさん登場する、極上の音質による「珠玉のシネマ音楽集」。「ハイレゾ」にまだあまり興味のない家族やご友人に試し聴きしてもらうにも、ぴったりのアルバムです。