高校生がウィーンで!『ブラバン!名電 in ウィーン』配信中!
『ブラバン!名電』
創部63年、全国大会出場40回を数え、金賞受賞16回を誇る、名古屋のブラバンの名門・愛知工業大学名電高等学校吹奏楽部のデビューアルバムのタイトルです。
AAC[320kbps] FLAC[96.0kHz/24bit]
オリコンアルバムランキングのクラシックチャートで週間1位を獲得する快挙を成し遂げました。地元を沸かせるだけでなくクラシック界にも旋風を巻き起こした、といっても過言ではないこのアルバムが、3年の時を経て新たな姿で帰ってきました。
AAC[320kbps] FLAC[48.0kHz/24bit]
今回の舞台はタイトルにある通りなんとウィーン。
2018年3月25日に行われた公演の会場は、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートでもお馴染みの音楽の殿堂ウィーン楽友協会大ホール(ムジークフェライン・ザール)。しかも約1,800席のチケットが完売、演奏後はスタンディングオベーションを送られたそう!まさに夢のコンサートとなりました。
「ブラバン!名電」の発売された時期に名古屋在住だった筆者としては、当時の地元のCDショップやメディアの盛り上がり、そしてセンチュリーホールで体験したサマーコンサートの、重厚でありながら若さ弾ける演奏が未だに印象深い思い出です。
本作品に収録される楽曲は、以下の15曲。
◆収録楽曲
- ゴールデン・ジュビレーション(八木澤 教司) 愛知工業大学名電高等学校吹奏楽部 第50回記念定期演奏会 委嘱作品
- 喜歌劇「こうもり」序曲 (ヨハン・シュトラウス2世 /編曲:ルチエン・カイエ)
- トリッチ・トラッチ・ポルカ (ヨハン・シュトラウス2世/編曲:アルフレッド・リード)
- ポルカ「狩り」 (ヨハン・シュトラウス2世/編曲:ロバート・オブライエン)
- 交響詩「ローマの松」よりアッピア街道の松 (オットリーノ・レスピーギ/編曲:鈴木 英史)
- サモン・ザ・ヒーロー(ジョン・ウィリアムズ/編曲:ジョン・モス)
- アメイジング・グレイス(作詞:ジョン・ニュートン/作曲:不詳/編曲:河邊 一彦)
- イン・ザ・ムード (ジョー・ガーランド/編曲:岩井 直溥)
- A列車で行こう (ビリー・ストレイホーン/編曲:岩井 直溥)
- シング・シング・シング (ルイ・プリマ/編曲:岩井 直溥)
- 花は咲く (作詞:岩井 俊二/作曲:菅野 よう子/編曲:郷間 幹男) NHK東日本大震災復興支援ソング
- ハッピー (ファレル・ウィリアムス/編曲:佐橋 博昭)
- 富士山~北斎の版画に触発されて~ (真島 俊夫)
- ディープ・パープル・メドレー (①バーン(紫の炎)②ハイウェイ・スター③スモーク・オン・ザ・ウォーター) (編曲:佐橋俊彦)
- ラデツキー行進曲 (ヨハン・シュトラウス1世/編曲:網代 景介)
1曲1曲の紹介は、スペースの都合もありここでは割愛させて頂きますが「ハッピー」や「ディープ・パープル・メドレー」、そして「花は咲く」のように、吹奏楽のスタンダードソングと共に披露された歌ものの楽曲にフォーカスしたいと思います。
以下に、CDライナーノーツの解説文(吹奏楽作家・オザワ部長さん執筆)を引用させて頂きます。
“名電吹奏楽部はこの曲をおはこのひとつとしており、ウィーンでもいつもと同じように『HAPPY』と書かれたボードを掲げたり、立ち上がって演奏したりした。「観客は大喜びで、この曲からスタンディングオベーションが始まりました」(伊藤先生)”
「ハッピー」、「ディープ・パープル・メドレー」共に以前から名電のレパートリーとしてとても会場を沸かせていた事を筆者もはっきりと覚えていますが、それは本場ウィーンでも同様、大当たりだったようです。
これらは歌ものといっても、既に世界中で親しまれている洋楽ですが日本語の楽曲である「花は咲く」は海外公演である事もふまえると、一見では異色の選曲に見えるかもしれません。そこにも吹奏楽部顧問の伊藤宏樹先生のこんな思いがあったそうです。
“この曲の演奏に先立ち、伊藤先生はウィーンの聴衆に向けて、オーストリアの公用語であるドイツ語でスピーチをした。それは、「2011年に日本で東日本大震災が起こったとき、オーストリアのウィーン少年合唱団がチャリティーコンサートを行い、収益金を被災地に寄付してくれました。2013年に日本ツアーで歌ってくれた《花は咲く》は、災害に苦しむ日本人の心を温めました。そのときに受けた支援に対して感謝するとともに、日本人として世界平和を訴えていきたいです」といった内容だった。そして、先生のスピーチに続いて披露された《花は咲く》の演奏では、部員たちが優しい歌声を響かせた。「日本語の歌詞はわからないはずなのに、観客がまるで理解できているかのような表情で静かに聴き入っていたのが印象的でした」と伊藤先生は語る。 ”
※上に同じく、CDライナーノーツ(吹奏楽作家・オザワ部長さん執筆)より引用。
日本では復興の一つの象徴ともなったこの歌ですが、ウィーン少年合唱団のチャリティーコンサート、そして今回の演奏でウィーンと日本の絆も繋いでくれたに違いありません。
吹奏楽部の高校生の夢と青春の記録であり、もちろん演奏としても非常に素晴らしいクオリティの本作品。ぜひ高音質のハイレゾ音源でも、その瑞々しさに触れてみて下さい。