【上坂すみれ ハイレゾ大使就任記念インタビュー】ファンにとって“身近な存在”でありながら、持ち続けていたい“自由で挑戦的な心”

 声優、アーティストとして活躍する上坂すみれの14thシングル『ハッピーエンドプリンセス』が10月18日(水)に配信スタート。多彩な表現が魅力的な今作は、自身も主人公の声を務める10月7日(土)から放送開始したアニメ『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』を華やかに彩るオープニングテーマ。楽曲の聴きどころや、主人公ミーアにちなんだ幼少時代のお話をインタビュー。

アーティスト活動10周年イヤーという節目の年を迎える彼女には、よりいっそうハイレゾを広めるべく、その役目を担っていただくハイレゾ大使に就任いただきました。moraはハイレゾを配信して10周年!盛りだくさんの注目企画と共に、これからも“いい音”で音楽を聴く楽しさを知ってもらうきっかけを作っていきたいと思います。実際にハイレゾ音源を試聴した感想にもご注目。

 

『 ハッピーエンドプリンセス 』
上坂すみれ

AAC  ハイレゾ
※耳元ボイス特典対象

 まとめ配信は10/18 0:00よりスタートです。

 ハイレゾをまとめ購入いただいた全員に「mora限定耳元ボイス特典」をプレゼント!この特典でしか聴くことのできない貴重なお話を、耳元ボイスでお楽しみください。

 

聴く人みんな“人生におけるヒロイン”であってほしい

――表題曲の「ハッピーエンドプリンセス」はシンガーソングライターの大石昌良さんがご提供されたとのことですが、音楽活動上もともとご交流があったのでしょうか?

上坂すみれさん(以下、上坂):特に交流があったわけではありませんが、大石さんが主題歌を務めた『オーバーロード』や『コップクラフト』などに出演する機会をいただくなかで楽曲を聴いていたりしていました。出番は一緒ではなくても同じアニソンフェスに参加していたり、ずっと “ニアミス”感があったので、いつか制作をお願いしたいなという思いを叶えるべく、今回は依頼させていただきました。

 

――特に大石さんのお気に入りの作品はありますか?

上坂:内田真礼さんに提供されていた「モラトリアムダンスフロア」とか凄い素敵ですよね。あとはオーイシマサヨシの名義でリリースされていた『コップクラフト』の主題歌の「楽園都市」とか、1曲1曲がアニメの世界観に寄り添っているところが好きですね。

「 モラトリアムダンスフロア 」
内田真礼

AACハイレゾ

 

「 楽園都市 」
オーイシマサヨシ

AACハイレゾ

 

――「ハッピーエンドプリンセス」を初めて聴いた時の感想を教えてください。

上坂:これ以上ないくらいTVアニメ『ティアムーン帝国物語~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~』に寄り添っていただいているなと思いました。 “大変なことはあるかもしれないけど、自分の人生は自分で切り開いていくべきだ!”という、私自身のデビュー10周年のテーマと一貫しているところも感じられて、こちらからリクエストするまでもなく、デモの時点からぴったりなものをいただいたなと思っていました。

 

――レコーディング中意識されたことはありますか?

上坂:“ですわ”など声を担当するミーアの特徴的な口調やお姫様っぽい歌詞があったり、ミュージカル調になったり盛りだくさんな要素があるなかで、キャラクターソングに寄り過ぎず、あくまで自分名義の楽曲だということは意識していましたね。色々な声色を使いつつ地声を使うというか、自分自身の表現を大切にしていました。

 

――上坂さんが思う“自分自身の表現”とは?

上坂:声のトーンを分かりやすく変えて歌うことでしょうか。サビは明るく強い感じだけど、セリフっぽいパートはセリフっぽく振り切ってしまうとか、表情のメリハリをつけて歌うことが得意なので、しっかりと盛り込みながら今回も歌うことができたかなと思います。

 

――ご自身も仰っていましたが、歌詞もアニメの世界観を大切にしつつ、“自分のことは自分で決める!”という“強い信念を持つ女性像”を感じました。ご自身とリンクする部分はありましたか?

上坂:デビュー当時では難しくて、なかなか歌えなかった歌詞の世界観だなって思いますね。

“まずはあたしが 強くならなきゃ  未来は変わらない”

10年前は目の前のことでいっぱいいっぱいで、こんなこと考える余裕はなかったような気がします。決して楽勝な人生ではないけれど、自分自身の力で楽しく過ごしていく。アーティストとして、そして声優として10年以上続けてきたからこそ感じることだなと思います。

“人生におけるヒロイン”

この言葉は聴いている人にとって、そうであってほしいなと思える言葉ですね。最近は、聴いている人のことも考えるようになりながら、よりいっそう思いを込めて歌うことができるようになったなと思います。

 

――声を担当されるミーアは12歳にタイムリープしてしまいますが、上坂さんが12歳の頃はどんな女の子でしたか?

上坂:当時は子役モデルを始めたばかりの頃だったのですが、どうしても顔を出して活動することが苦手だったんですよね。エレクトーンや公文など、お稽古も色々とやっていたのですが、正直どれもノリ気ではなく・・・。ひとりっ子の人見知りであまり自我がない子だったなと思います。今思えば、お稽古ももっと楽しく、友達を作ったり部活に入ったり、自発的に過ごせば良かったなと思います。なので、逆に今そういう青春っぽいことを取り戻したいって思ったりしますね(笑)。

 

――元々ひとりで遊ぶことが好きだった?

上坂:というよりも、友達が少なかったから結果的にひとりで遊ぶのが得意になったのかもしれませんね。読書が好きで本を読んでいたり、シルバニアファミリーのお人形で夏休み中遊んでいました。あとは当時BBS(電子掲示板)とか2ちゃんねるが凄く流行っていた時期だったので、よく覗いていました(笑)。アニメ好きの人が集まって書き込んでいて、掲示板で深夜アニメの存在を知ったり。“萌え文化”の出たての頃だったと思うのですが、萌え系キャラクターに憧れたことがきっかけで声優のお仕事がしたい!と思うようになりました。

 

――カップリングの「恋学(RENGAKU):ポータブルヒューマノイド」はTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDさんご提供ということですが、初めて聴いた時の印象を教えてください。

上坂:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDさんは私も大好きで、何度も楽曲を提供いただいています。今回は“元祖テクノ”感があるというか。サウンドは70年代あたりのレトロテイストで、歌詞は最先端のAIが人間を学んでいるというミスマッチ感が出るようにお願いして作っていただきました。ロボットっぽい歌い方のなかに可愛らしさを含ませたり、私が好きなテクノになっていて、複雑な曲ではありますが、聴いていると楽しくなってきますね。

 

――レコーディングも“テクノ感”を楽しみながら臨まれましたか?

上坂:メロディーがとても美しいので、歌っている時も楽しかったですね。

 

――「polar night」は他2曲と比べると歌詞やメロディーがどこか切なさのある感じがしますね。

上坂:誰かに投げかけるわけでもなく、独り言があふれた、独白のような世界観がツミキさんならではだなって思っています。歌詞やメロディーも凄く切なく感じるんですが、雨のなか街を歩きながら歌っているような浮遊感のなかに美しさがあったり、呟くように歌ってみたりと新鮮味があって、今までにはない楽曲なったなと思います。

 

――“浮遊感”が歌う時のポイント?

上坂:レコーディングはツミキさんに直接ディレクションしていただいて、あえて“単語を主張しない”、言葉が流れていくような歌い方はとても新鮮でしたね。

 

――様々なジャンルの音楽で構成されている今作ですが、収録曲の偏りなども意識されたりしますか?

上坂:同じジャンルにならないようには気をつけていますが、表題曲がアニメの世界観に寄り添った楽曲になることが多いので、カップリング曲は自由に、その時好きな音楽ジャンルを歌うことができるのが、シングルの醍醐味だったりしますね。

 

――これまでも多様なジャンルの音楽を歌っていますが、それぞれのジャンルを歌う時に気をつけていることはありますか?

上坂:例えばテクノとかだと声がある種楽器の1つというか、ボーカルというよりもオケに寄り添うかたちになるので、歌の粒立ち感やピッチ、リズムを大切にして、楽器のような位置取りで臨んでいますね。ロックだと細かい音程というよりは、歌詞で言いたいことが前面に表れていることが多いので、感情やニュアンスや歌詞の言葉が持つエネルギーを重視したりしていますね。

 

――今後挑戦してみたいジャンルは?

上坂:メタルロックが好きなので歌ってみたいですし、昔からシティポップも好きで、学生のみなさんも聴いていたりするので今後も歌っていきたいですね。

 

――インタビューの前には今作のボイス特典の収録にも臨んでいただきました。

上坂:前回は「LOVE CRAZY」をリリースした時に収録をしたのですが、ボイスコンテンツは好きなジャンルの1つです。収録に使用したバイノーラルマイクは、声優のお仕事をしているとノイズとして除去されてしまう呼吸音とか、近くに置いてあったミネラルウォーターを振ってみた音など、色々な音を拾ってくれるので、より聴いてくれている人の近くで話しかけている感がありますよね。左右のマイクに交互に話しかけたりしながら、楽曲の解説などをしているとあっという間に時間が経ってしましました。

uesaka_voiseshuroku

――上坂さんはいつもボイス特典の収録に全力で臨んでいただいているとうかがっています(笑)。事前に“こんな風に収録しようかな”といったイメージトレーニングはしますか?

上坂:ASMRコンテンツとかは時間によって「ここは耳かきの音」とか区切りがあるんですが、ボイス特典はほとんどフリートークなので、その時の気分で話す内容は決めていますね。ただ、聴いていてびっくりしないように、いつも収録するボイスコンテンツよりも声のボリュームをおさえて“ささやく”ことが多いかもしれないですね。“耳元で聴いた時の心地よさ”を大切にしています。

 

――今回のボイス特典、どんなところに注目して聴いてほしいですか?

上坂:普段バイノーラルマイクを使って楽曲の紹介をすることはあまりないので、フリートークをしているとあっという間に時間が経ってしまいました。ハイレゾでの聴きどころや楽曲の推しポイントを忘れずに伝えられるようって頑張ってお話しましたので、是非聴いてほしいですね。

 

ハイレゾ大使就任!アーティスト活動10周年はゴールではなく、未来に思いを馳せる時

ハイレゾ大使としての初仕事は、最新曲『ハッピーエンドプリンセス』のハイレゾ音源を試聴体験!SonyのヘッドホンMDR-Z1RとウォークマンNW-WM1ZM2を使用し、聴こえてくる一音一音に耳を傾け、時には目を瞑りながらしっかりと聴きこんでいる様子は、まさに現実の世界に迷い込んだおとぎの国のプリンセス。日常的な音楽の楽しみ方や、アーティスト活動10周年の歩み、そして今後の活動は・・・・?

――ハイレゾ大使に就任いただきありがとうございます!就任の話が来た時の感想を教えてください。

上坂:すごくびっくりしたというか、私は何をしたらいいのだろう・・・って思ってしまったり。

上坂&moraスタッフ:(笑)。

上坂:ハイレゾが世にもっと広まるように何でもやりたいなと思っていますし、頑張りたいなと思います。最新曲も是非ハイレゾで楽しんでいただけると嬉しいです。高価なものもありますが、気軽にいい音で楽しむことができる機材がどんどん増えていますので、自分へのご褒美感覚でたくさんの人がハイレゾを聴いてくれたら嬉しいなと思っています。

 

――普段、ハイレゾを聴く機会はありますか?

上坂:ハイレゾ対応のプレーヤーを持っていたのでよく聴いていましたね。初めてハイレゾで聴いた時はスタジオで聴いているような音の生っぽさを凄く感じました。

 

――それではさっそく・・・。ハイレゾでご自身の音楽をお楽しみください。

上坂:うわぁ。すごい(ウォークマンの)重さ!高級感がありますね。

 

――実際にご自身の楽曲をハイレゾで聴いてみていかがですか?

上坂:レコーディングの時に聴いているような感じがしますね。通常の音源では聴こえてこないような楽器の音が聴こえたり、低音も高音もつぶれてしまう感じがなく、そのままの音を楽しむことができますね。

 

――今回ハイレゾで聴いた楽曲のなかで印象的だった楽曲は?

上坂:「ハッピーエンドプリンセス」は楽器の音色がよく聴こえてきました。あ、こんなところでヴァイオリンの音が鳴っていたんだ!っていう新たな発見がいっぱいありました。「polar night」は左右に振り分けられている伴奏が凄く綺麗に聴こえてきて心地が良く、「恋学(RENGAKU):ポータブルヒューマノイド」はテクノボーイズさんのコーラスが鮮明で、こんなに全部綺麗に聴こえるのにケンカしないで溶け込んで、滑らかに聴こえてくるのが本当に凄いなと思いました。

 

――日常的に音楽を聴く時の音質やガジェットへのこだわりは強いですか?

上坂:ずっとヘッドホン派で色々なものを使い比べたりしていたんですが、最近AirPodsを購入しまして。ノイズキャンセリングしながら聴くと、全然聴こえ方が違うんだなと思いました。自宅にわりと大きめな、画面がスピーカーとして機能するテレビがあって音質もとても良いので、家で音楽を聴く時はテレビに接続して、音で部屋中を満たして楽しんでいます。

 

uesaka_hires

――今まで触れてきた音楽のなかで特に思い入れの楽曲はありますか?

上坂:2000年代のアニソンが好きな人だったら、知っている楽曲なのかなと思うのですが、CDも購入した、桃井はるこさんの「もっと、夢、見よう!!」ですね。好きなものを好きでい続けていいのか、気持ちが迷ったりした時に、やりたいことや趣味を全て肯定してくれる楽曲なので、自分の基盤になっています。声優になりたいって思ったきっかけにもなりました。

「 もっと、夢、見よう!! -Now I feel…version- 」
桃井はるこ

AAC

 

ハイレゾで配信があるもののなかでは、筋肉少女帯と人間椅子の「地獄のアロハ」がすごく好きです。両グループのコラボ曲で、それぞれが歌詞を交互に書いていて、筋肉少女帯さんならではのポップな地獄と人間椅子さんの本格的なメタルロックの融合に感動しましたね。

「 地獄のアロハ 」
筋肉少女帯人間椅子

AACハイレゾ

 

――ひょっとして、メトロロックを歌ってみたいと言っていたのは、このグループの影響が大きいですか?

上坂:そうですね!昔からこの2つのグループが大好きで、影響を受けてきたので(笑)。

 

――アーティスト活動も10年目を迎えました。改めてこの10年を振り返るといかがでしょう?

上坂:最初の頃は10年続けられると思っていなかったので、当時は何をすればいいのかあまり分かっていなかったり、歌や振り付けなど初めて経験することばかりのなか、ライブやイベントにたくさん出演する機会をいただいたり。出演するアニメの楽曲や自分が好きなジャンルの音楽を定期的にリリースすることができて、趣味でやっていたことがリアルになってしまったというか、嘘から出た真実のような不思議な10年だったなと思っています。歌い方やライブをやるための体力など物理的な成長も実感していますね。

声優業は、アフレコから少し時間が経ってから作品が放送されることが多いんです。でも、ライブやイベントはダイレクトに感想を頂くことができたり、応援してくれるファンのみなさんとお会いすることで、すごく励みになることが多くて、同志のみなさんに勇気づけられたから活動することができたんだなと思っています。10年活動して、ここでゴール!というよりは、これからどんなことが出来るのかが楽しみになってくる時期だなと思っています。

 

――特に自分の成長を実感した、分岐点はいつだと思いますか?

上坂:『さよなら中野サンプラザ音楽祭』に出演して、中野サンプラザのステージに立てた時ですね。

 

――アーティスト活動をするうえで大切にされていることはありますか?

上坂:独りよがりにならないことは意識していますね。自分の音楽を聴いてくれている人が、“どうしてライブに来てくれるのか”、“どうすればもう1度ライブに来たいと思ってもらえるのか”を考えたり。自由気ままに活動することも大好きで大事だと思いますが、ファンのみなさんの日々の生活が少しでもハッピーになるように!という思いを持って活動することも、自由な活動と半々の割合でやっていきたいですね。“来週(上坂すみれの)ライブがあるから頑張れる”って思ってもらえたり、ファンのみなさんにとって身近な存在でありたいなって思っています。でも、制作する楽曲はなるべく自由に、人気曲に寄せたりせず新たな挑戦をしたり、違うジャンルを開拓していきたいなと思っています。

 

――今後の目標は?

上坂:基本的には声優業を軸に、長く続けていきたいという思いを持ちながら、アーティスト活動も“声で表現する”という意味では同じなんだなということをこの10年で実感したので、声優として、アーティストとして長く活動していきたいなと思っています。

 

――それでは最後に、ハイレゾ大使としてmoraに訪れるみなさんへひとことお願いします!

上坂:おそらくmoraを訪れるみなさんのほうが、ハイレゾに関してはお詳しいのかもしれませんが、私もその仲間に加えていただき、ありがたいなと思っています。アニソンをハイレゾで聴くと、レコーディングスタジオでは聴こえるけど、音源にしてしまうと埋もれてしまうような、“音の立役者”のような小さな音も楽しめると思います!声優アーティストのみなさんがリリースしている楽曲もハイレゾとの相性ぴったりだと思いますので、今回をきっかけに色々な楽曲を開拓してもらえたら嬉しいです。

 

インタビュー:mora スタッフ 

▼上坂すみれの過去の配信曲はこちら▼