Suchmos「THE KIDS」と一緒に聴きたいルーツミュージック

アシッド・ジャズ、ヒップホップ、ソウル、そしてオルタナティブ・ロック……ブラックミュージックに多大な影響を受けた音楽性と、ロックスター然とした佇まいで、センスを競う若者の間で一躍カリスマ的存在になりつつあるバンド、Suchmos(サチモス)。本日ニューアルバム「THE KIDS」がリリースです。

地元・神奈川の幼なじみとして濃い音楽体験を共有してきた彼らは、インタビューなどでも自らの音楽的ルーツについて隠しません。どういったものがカッコいいのか……その審美眼も含めてSuchmosというバンドのカッコよさなのだ、という自負があるのです。

つまりSuchmosが「カッコいい」と感じる音楽を聴くことで、彼らの音楽をさらに深く楽しめるということ! インタビュー記事などから、彼らが影響を公言するミュージシャンをまとめました。

 

Suchmosが語るルーツ・ミュージック

 

Jamiroquai

High Times: Singles 1992-2006 -Deluxe Edition-/Jamiroquai

その音楽性から「和製~」としてよく引き合いに出されるのがこのジャミロクワイ。クラブシーン発のジャズ音楽のムーブメント、アシッド・ジャズを牽引した彼らは今年念願の来日が決定。リスペクトを公言するSuchmosがオープニングアクトに起用されるのは間違いないかも? まずはベストアルバムからその音楽を体験してみてはいかがでしょう。

 

Hiatus Kaiyote

Choose Your Weapon(Japan Version)/Hiatus Kaiyote

Suchmosのメンバーも「とんでもない奴ら」「近現代の音楽シーンの台風の目」 と口にするオーストラリアの「フューチャー・ソウル・ユニット」。第58回グラミー賞でR&Bパフォーマンス部門に「Breathing Underwater」でノミネートされるなど、世界的な注目も集める。女性ボーカル、ネイ・パームの奇抜なビジュアルにも注目!

 

Maroon5

Songs About Jane/Maroon 5

ファンクやソウルに影響を受けたベースラインやメロウなメロディ、色気を感じさせるボーカルなどSuchmosとの共通点も多い彼ら。ボーカルのYONCEが中学生時にホームステイしていたニュージーランドの学校で流行っていたそうで、大ヒット曲「This Love」は「音楽を楽しむ原体験になっている」とのこと。

 

Nirvana

In Utero - 20th Anniversary Remaster/Nirvana

現在の音楽性からは意外かもしれませんが、YONCEが「ロック」の原体験として挙げるのがニルヴァーナの『In Utero』というアルバム。「ジャンルは関係なく、ロックの精神で臨んでるというか、腹の中では中指立て続けてる」というそのアティチュードに大きく影響を与えているのです。

 

D’Angelo

Voodoo/D'Angelo

2014年末にリリースされた当時14年ぶりのアルバム『Black Messiah』でブラックミュージックの革新を推し進めたディアンジェロ。それまでオルタナティブ・ロックに傾倒していたYONCEがソウル音楽により傾倒するきっかけともなったアーティストだそうで、アルバム『Voodoo』はメンバーにより「無人島に持っていきたい10枚」にも選ばれている

 

シュガー・ベイブ(山下達郎)

SONGS/シュガー・ベイブ

日本人で影響を受けたアーティストは?と彼らに訊くと真っ先に挙がるのが山下達郎の名前。そのメロディセンスもさることながら、ライヴ・アルバムに封じ込められたプレイヤー陣の高いミュージシャンシップにも影響を受けているところがあるのだとか。moraでは残念ながら配信が少ないので、代わりに前身のシュガー・ベイブを。

 

ORIGINAL LOVE

EYES/オリジナル・ラヴ

存在感のあるボーカルの節回しやファンク・ソウルを日本流に解釈したバンドサウンドを鳴らしている点など、多くの共通点が認められるオリジナル・ラブ。昨年の共演以降交流を温めているようで、雑誌「SWITCH」のSuchmos特集号にも田島貴男氏が文章を寄せている。moraでも貴重なインタビューが読めるのでこちらもぜひ

 


 

Suchmosが好きならこちらもオススメ! 新世代バンド

 

Nulbarich

Guess Who?/Nulbarich

シンガーソングライターJQをリーダーとして結成された、ギター、キーボード、ベース、ドラムの5人組。アシッド・ジャズやソウルを基調とする点など共通項が多いが、ストリート感薄めでこちらのほうが「オシャレ」? 覆面バンドだが、それはメンバーが常に固定ではないからとのこと。

 

SANABAGUN.

デンジャー/SANABAGUN.

Suchmosのメンバー二人(ベースのHSUとキーボードのTAIHEI)が掛け持ちで在籍する、総勢8人組のヒップホップ・バンド。音大出身のメンバーを多く擁し、ジャズのエッセンスも感じさせるクールなトラックと「オラオラ系」なパフォーマンスの組み合わせに注目。

 

WONK

Sphere/WONK

「ロバート・グラスパー・エクスペリメントやハイエイタス・カイヨーテへの日本からの回答」とも称される4人組。音大出身のメンバーにより構成され、マシン・ビートを人力で再現したかのような独特のリズム感とメロウなメロディラインとの融合が印象的。

 

CRCK/LCKS

CRCK/LCKS/CRCK/LCKS

トラックメイカーとしても高い才能を認められる若手No.1ジャズドラマー・石若駿をはじめ、各分野の一流プレイヤーによって結成された5人組バンド。あくまでポップスを志向したデビュー盤には、女性ヴォーカルの聴き心地もよい、しかし中毒性の高い楽曲が揃う。

 

RAMMELLS

natural high/RAMMELLS

SuchmosのボーカルYONCEとかつてロックンロール・バンド「OLD JOE」を組んでいたギタリスト・真田徹によって結成されたバンド。ブラックミュージックを基軸に様々なルーツを感じさせる1stアルバムについては、moraのインタビューでもじっくり語ってくれました。