ジョジョの奇妙な元ネタ紹介~黄金の風編~ 第8回「ザ・グレイトフル・デッド」&「ビーチ・ボーイ」

いや~~アツかった!!! 5部がアニメ化されると聞いて、これを待っていた人も多いのではないでしょうか?

“「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ!”

“『任務は遂行する』『部下も守る』「両方」やらなくっちゃあならないってのが「幹部」のつらいところだな”

“覚悟はいいか? オレはできてる”

まさに名言のオンパレード……フィレンツェ行き超特急での、プロシュート兄貴&ペッシとの激闘(第14話~第16話)を振り返ります。

 

……と言いつつ、ちょっと今回は言葉でエピソードを説明するのが野暮なのでは? という気持ちに。

まさに

“兄貴の覚悟が!「言葉」でなく「心」で理解できた!”

というヤツです。あらすじでまとめられるものではない、敵味方超えたドラマがそこにはありましたね……。

 

というわけで、今回登場した2つのスタンドとその元ネタの紹介に今回は絞りたいと思います。

まずはプロシュート兄貴のスタンド「ザ・グレイトフル・デッド」。元ネタは、1965年に結成されたサイケデリック・ロックバンド「グレイトフル・デッド」です。

糸井重里さんが「ほぼ日刊イトイ新聞」で紹介したことで、『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』という本がかつて話題になりましたよね。ヒッピー文化を代表するバンドであった彼らは、ネット時代の「フリー&シェア」の精神を先取りしており、かのスティーブ・ジョブズも影響を受けたというんです。(スタンドの能力はラブ&ピースとはほど遠い、「無差別に人を老化させ、死に至らしめる」というとんでもないものなんですが……)

 

The Very Best Of Grateful Dead/Grateful Dead

『The Very Best Of Grateful Dead』

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グレイトフル・デッド 配信一覧はこちら

 

ちなみに、スタンドのほうにはなぜか「」が付いているので注意が必要です。また「偉大なる死」という漢字が当てられてもいるのですが、本来「グレイトフル Grateful」は「感謝している」という意味なんですよね(苦笑)。「グレート Great」と取り違えている……まあ、こんな勢い重視なところも荒木飛呂彦作品の魅力ではあります。

 

そして、戦いの中で急速な成長を見せたペッシ。そのスタンド「ビーチ・ボーイ」の元ネタは……そう、ビートルズと同時期に活動を開始したアメリカのバンド「ザ・ビーチ・ボーイズ」です。

録音芸術の鬼才ブライアン・ウィルソン率いるビーチ・ボーイズは、その名の通りサーフ・ミュージックを奏でるポップなバンドとしてスタートしながらも、次第に実験的な手法を用いたレコードを制作するように。実質的にブライアンのソロ作といえる1966年の『ペット・サウンズ』は、歴史上最高のロック名盤に挙げる人も多い一枚です(moraではモノラルとステレオ、両方の音源を収録したハイレゾ版を配信しています!)

 

Pet Sounds (Mono & Stereo)/The Beach Boys

『Pet Sounds (Mono & Stereo)』

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バンドの規模、ロック史上における重要性という意味では(それこそビートルズ級に)大きいのに、「ビーチ=海」という意味から連想して「釣り竿」のスタンドにしてしまう……一周回ってなかなか思いつかない発想ですよね(笑)。しかもショボそうな能力と思われたその能力が、ブチャラティをして「真に脅威なのは、釣り竿の男のほうだったッ!」とまで言わせてしまうという……。

スタンドバトルの醍醐味は、単純な能力の「強弱」ではなく「相性」と「機転」。
そして善悪を超えた精神の成長。「人間賛歌」は誰しもに等しく開かれている……ということをこれ以上なく体現する、ベストバウトに挙げる人が多いのにも納得な戦いでした。

 

それにしても5部は本当にバトルが多い! 次なる刺客がすでに迫っている様子が最後に映し出されましたね。

暗殺チームもトリッシュを手に入れるのに必死です。再び成り上がり、誇りを取り戻すため……本人たちは否定しそうですが、ここまでくると弔い合戦という意味合いもあるでしょう。

「人間」対「人間」の後には引けない戦い。今後もしかと見届けていきましょう!

To Be Continued…

 


 

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