ジョジョの奇妙な元ネタ紹介~黄金の風編~ 第14回「メタリカ」
「ジョジョの奇妙な元ネタ紹介」、ひさびさの更新となります。
いよいよ佳境を迎えようとしている「黄金の風」編。ボスの正体を探るべくブチャラティたちが訪れたサルディニア島では、新たに暗殺チームのリーダー・リゾットのスタンドが登場しました。
リゾットのスタンド名は「メタリカ」。磁力を操り、人間の血液中や自然界の中に存在する鉄分を操作するという、非常に応用の利く能力です。
元ネタはヘヴィメタルバンドの雄、メタリカ(Metallica)。結成は1981年と、荒木作品の元ネタとしては比較的新しいバンドですね。
ムンクの「叫び」のような表情の小さな集合体がスタンドのヴィジョンとして描かれましたが、この登場シーンで、原作では「ロオオオーード」という鳴き声(?)を上げています。アニメでは省略されていましたが……。
この「ロオオオーード」にも元ネタがあり、それがメタリカの1996年に発表したアルバム、『ロード(LOAD)』です。
『LOAD』
リゾットは暗殺者としてのプロ意識を感じさせる佇まいや、リーダーでありながら最後にひとり残ってしまった物悲しさを感じさせる人物像から、原作ファンにも非常に人気の高いキャラクターです。
実はボスとの二重人格者であったドッピオとの死闘は、『ジョジョ』シリーズ全体を通しても屈指のベストバウトとも言えるもの。主人公サイドのキャラクターが登場しないのにこんなにも手に汗握るのは、すべてのキャラクターに対して「人間賛歌」というテーマ性を浸透させている『ジョジョ』ならではのことと言えるでしょう。
その一方で島に上陸したブチャラティたち。アバッキオの能力「ムーディー・ブルース」でボスの正体を探ろうとしますが……その顛末はすでに放送をご覧になった通り。
キング・クリムゾンの能力「時を吹き飛ばし、結果だけが残る」が、心情としてダイレクトに伝わってきたあまりにあっけなく、突然のアバッキオの退場でした。
(ナランチャの慟哭には心を揺さぶられましたね……)
去っていった者たちの思いを受け継ぐ、ということはこれまでの『ジョジョ』シリーズでも幾度となく描かれてきたテーマですが、「黄金の風」編ではキャラクターが過去に悲しみを抱えていることが厚く描写される分、よりその重みが増してきます。
今わの際にアバッキオが遺したボスのデスマスク。そこからブチャラティたちは真の正体に辿り着けるのでしょうか……?
To Be Continued…