ジョジョの奇妙な元ネタ紹介~黄金の風編~ 第1回「ゴールド・エクスペリエンス」

『ジョジョの奇妙な冒険』第5部にあたる『黄金の風』のアニメ化がついにスタートッッッ!

これに合わせて第4部『ダイヤモンドは砕けない』時にお送りしていた連載「ジョジョの奇妙な元ネタ紹介」が再始動!

覚悟はいいか? オレはできてる……

 

さて、第1話は『ダイヤモンドは砕けない』のメインキャラクター、広瀬康一が空条承太郎の依頼を受け、イタリアに“DIOの息子”であるジョルノ・ジョバァーナを探しに行くところから始まりました。
DIO……第3部『スターダストクルセイダース』のラスボスであり、ジョースター家の宿敵ですね。吸血鬼であるDIOは第1部の主人公、ジョナサン・ジョースターの肉体を乗っ取って生き延びていたため、その息子であるジョルノはジョースターの血も受け継いでいるというわけです。

DIOとジョースターという、『ジョジョ』を体現する正義と悪の二項対立を両方受け継いでいる存在ということで、彼を主人公とするこの第5部自体がいささか特殊な位置付けのストーリーになります。
「ジョースター家とディオの宿命の戦い」というよりは、その奇妙な縁が生み出した存在であるジョルノが、どのような世界を切り開き見せてくれるのか、というところに注目していくと良いでしょう。(ここから初めて『ジョジョ』に触れるというのも、大いにアリだと思います!)

 

そのジョルノのスタンドが、「ゴールド・エクスペリエンス」。原作では「黄金体験」というルビも振られていました。
能力は「無生物から生命を作り出す」というもの。このスタンドの手にかかれば、カバンも石畳も紙幣も、すべてが任意の生き物(第1話ではカエル、樹木、そしてアニメオリジナルパートで蝶が登場)になってしまいます。血を吸うことで仲間を増やす、吸血鬼であるDIOの特性を受け継いでいるのかもしれませんね。半端なく応用の利く能力なので、今後見せるジョルノの知恵と機転にも注目です。

 

元ネタは、プリンスのアルバム『The Gold Experience』。プリンスは、原作者の荒木飛呂彦さんが最も好きなアーティストと公言しており、なんと誕生日(6月7日)も同じなのだとか。
ちなみにこの作品、プリンスがその名前を捨て、発音することのできない「シンボルマーク」をアーティスト名として名乗っていた時期の作品。なんでもレコード会社との確執があったとかで、配信もされていません…(10月5日現在)。

しかしアルバムに収録されている主要曲のいくつかはベストアルバム『Anthology: 1995-2010』に収録されています! 格闘技K-1の中継で特徴的なギターリフを聴いたことのある人も多いであろう「Endorphinmachine」や、アルバムのラストを飾るタイトル・トラック「Gold」。そのリズム感覚に、第1部、第2部……とたどるごとに舞台を変えていく『ジョジョ』の形も影響を与えているというプリンス。ベストアルバムでその足跡をたどるのは、むしろ良いのかもしれません。この機会にぜひ!

 

Anthology: 1995-2010/Prince

Prince『Anthology: 1995-2010』

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第2話では、第1話の最後に登場したギャングの追手、「ブローノ・ブチャラティ」とジョルノとの戦闘が展開されます。
その「顔にジッパーを取り付ける」能力の詳細とは一体? ぜひ次回の元ネタ紹介もお楽しみに!

 

To Be Continued…

 


 

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