17年ぶりに新譜リリース。「American Football」って?

American Footballの2ndにして17年ぶりのニューアルバム、『American Football』が配信開始になりました。

 

American Football

『American Football』

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American FootballはTim KinsellaとMike Kinsellaの兄弟を中心にアメリカで結成された4人組。1999年にやはりセルフタイトルのアルバム『American Football』をリリースし、その後の「ポストロック」と呼ばれるジャンルの確立に多大な貢献をしましたが(日本のバンドではtoeなどにその影響が見て取れます)、この一枚をもって解散。その後、Kinsella兄弟は兄Timを中心とするバンドJoan of Arcや弟Mikeのソロ・プロジェクトOwenなどでの活動が活発化し、名実ともに“伝説のバンド”として語り継がれていました。

しかし2014年突然の再結成を果たし、2015年には来日公演も実現。新作のリリースが待ち望まれる中、ついに今回の2ndアルバムリリースと相成ったのです。

その音楽は繊細かつ雄大。American Footballの代名詞ともいえる歪みの少ないギターでの単音アンサンブルによりダイナミックな景色を描かせます。1stと比べてより音のハーモニーが豊かになった印象も。アコースティック色の強いOwenなどでの蓄積が活きているのでしょうか。ずっとこの世界に浸っていたいと思わせる、ジャンルを切り開いた者のみが見せることのできるオリジナルな魅力に溢れています。

 

1stアルバム『American Football』(タイトル同じなので注意!)

通常の「ロック」のフォーマットからは逸脱しながらも、確かな歌心によって多くのフォロワーに刻まれた名盤。

 

 

Kinsella兄弟はいくつものバンドプロジェクトを発足させていることでも有名で、その音楽性も微妙に変えながらその一部は活動を継続しています。

 

前身バンドその① Cap’n Jazz
(ジャケットは唯一のアルバム『Analphabetapolothology』)

荒々しい衝動に任せた、パンキッシュな演奏が持ち味! アルバムはこの一枚のみ。

 

前身バンドその② Joan of Arc
(ジャケットは特に高い評価を得たアルバム『The Gap』)

気の抜けたようなボーカルは健在ながらも、アコースティックで実験的な作風の目立つ現在も活動中のバンド。

 

派生バンド Owls
(ジャケットは1stアルバム『Owls』)

Joan of Arcに比べ、より複雑怪奇なギターフレーズが炸裂する“変態”バンド。中毒性は最も高い!

 

派生ユニット Owen
(ジャケットは6thアルバム『Ghost Town』)

弟Mikeによるソロ・ユニットで、エモ/ポストロック・シーンの“良心”とも言われる、唄を大切にしたプロジェクト。

 

この機会に過去のバンドの作品もぜひ!