Eveワンマンライブ[メリエンダ 追加公演]、その独特な世界観で2400人を圧倒

インターネットの中でだけ見ていた世界が、こんな風に形になって空間として共有できるなんて、ちょっと感動的だ。

 


 

11月4日、Eve(イブ)ワンマンライブの追加公演が開催された。
新木場STUDIO COASTは、駆けつけた2400人の観客でパンパンであった。

2009年にインターネットに動画を投稿してから、長らく歌い手として活躍してきたEve。
2016年から作詞・作曲を始めると、そのクセになる楽曲からさらに知名度が急上昇し、現在YouTubeチャンネル登録者数は65万人にまで増加。
ミュージックビデオに登場するユーモアなキャラクターたちや、自らプロデュースを勤めるファッションブランド「はらぺこ商店」でも人気を博している。

 

「文化」

文化/Eve

試聴・購入 [AAC]

試聴・購入 [ハイレゾ]

 

「OFFICIAL NUMBER」

OFFICIAL NUMBER/Eve

 試聴・購入 [AAC]

 

開演前に注意事項が案内されると、同時にイラストムービーが流れ始める。
Eveならではの、ちょっとダークなファンタジーの世界は既に始まっているようだ。
続々と現れる可愛らしいキャラクター達。
ムービー内の些細な変化も見逃さないようにと、観客たちはじっと見守る。

すると突然、ムービー内で雷が鳴って雨が降り始める。
観客に配られたリストバンドが、雷に合わせてチカチカと光る。
開演の合図だ。

雨の映像のまま、「トーキョーゲットー」のイントロが流れ始める。
スクリーンの向こう側にうっすらと金髪が透けて、歓声が上がる。

 

誰でもいいや
誰でもいいから 誰かいないか

 

何度も何度もYouTubeで再生してきた、あの声だ。

ギターの音に合わせて、ヒビが入るスクリーン。
「アウトサイダー」のイントロと共にさっとスクリーンが落ちて、Eveが遂に姿を現す。
“V”と記された正方形のスクリーンにミュージックビデオが映し出され、インターネットの中の世界とはまた違った雰囲気だ。

次の曲「デーモンダンストーキョー」では、一段高いステージから降りて、観客の方へ近づくEve。
観客は光るリストバンドを高く掲げて、それに呼応する。

赤い照明が会場を照らすと、雰囲気はガラッと変わって「Dr.」へ。
Eve×Sou コラボレーションアルバム 「蒼」に収録されている楽曲だ。
縦に幾重にもライトが走って、まるで赤い雨のよう。
「Dr.」を歌い終わると、「ありがとう」と一言つぶやくEve。
客席からは「Eveさーん!」と歓声が上がる。

会心劇」のギターソロが流れ始めると、Eveもギターを抱える。
ミュージックビデオをバックに、変拍子のイントロが特徴的な「ふりをした。」が続く。

「すごく今、楽しいです」と話すEve。
2018年最後のライブということもあって、「新曲やってもいいですか?」と観客に聞く。
会場はもちろん大歓声だ。
新曲のタイトルは「迷い子」。
「もう少しこのままでいようか」という温かい歌詞と、夕焼けのような照明が、会場を包み込む。

ホームシック」「sister」と続いて演奏をすると、突然舞台は暗転。
ギターの音色に合わせて、スクリーンに炎が踊る。
“V”とだけ見えていた正方形のスクリーンの全面が解放されて、“EV∃”という文字が光る。

ステージに再度登場したEveが歌い出すのは、お待ちかねの「ナンセンス文学」だ。
“ひとつめ様”に合わせて、手拍子をする観客たち。

 

嘘になって しまわぬように
僕じゃない僕にもラッタッタ

 

「ラッタッタ」の部分では、Eveが客席からの声を煽るシーンも。

会場のボルテージは最高潮のまま、「ドラマツルギー」「あの娘シークレット」と、YouTubeで1000万回以上の再生回数を誇る人気曲が続く。
「あの娘シークレット」では、サビの「わからないないないや」に合わせて観客が手を横に振る。

「アンビバレント」を歌い終えると、「楽しいですかー?」と問いかけるEve。「楽しい!」とはしゃぐ観客に、「すごく僕も楽しいです」と笑う。
当初歌い手として活動をしていたEveだが、「楽曲を作るってなって、受け入れてもらえるかっていう不安もすごくあった」と話す。
「でも今日この景色を見て、あのとき自分がやろうと思ったことは間違いじゃなかったのかなと思いながら歌っていました。改めて、やってきて良かったなと思えました。」

本編の最後を飾るのは、「文化」に収録されている「羊を数えて」。
シンセサイザーの余韻が、会場を包み込む。

アンコールに応えて歌うのは、ナユタン星人の書き下ろし楽曲「惑星ループ」。
「トゥットゥル ルットゥ ルットゥッ トゥル」の歌詞にあわせて、大合唱が沸き起こる。
高く手が上がった客席、ライブ終盤とは思えない盛り上がりだ。

「みんなめっちゃ元気じゃん!」と笑うEve。
「アンコールを2曲……さっきの入れてじゃなくて、あと2曲やっていいですか?」と話すと、新曲「ラストダンス」を歌い始める。
どこか「ナンセンス文学」に近い雰囲気もありながらも、サビ前のコード進行に強いこだわりが感じられる楽曲だ。
そしてラスト1曲の「お気に召すまま」でEveがスナップを高く掲げ、ワンマンライブは幕を閉じた。

2018年3月には新宿ReNYでワンマンライブ、8月にはTSUTAYA O-EASTを最終日とした東名阪ツアー、そして11月には新木場STUDIO COASTで追加公演と、順調すぎるほどにライブ動員数を増やしているEve。
そこらへんの大人たちは「もう新木場STUDIO COAST」と驚くかもしれないが、私の個人的な感想としては「まだ新木場STUDIO COAST」だ。
インターネットの中で築き上げられてきたEve独特の世界観は、2400人の会場を凌駕し、なおかつ収まりきらない爆発力を秘めていた。

2019年2月6日には、ニューアルバム「おとぎ」の発売が決定。
ライブで演奏した「アウトサイダー」「トーキョーゲットー」「アンビバレント」を含め、全11曲が収録予定だ。

おそらくEveが、その名を全国区にまで知らしめていく未来も遠くないであろう。
そう強く感じたワンマンライブであった。

 


【セットリスト】

1. 「トーキョーゲットー」
2. 「アウトサイダー」
3. 「デーモンダンストーキョー」
4. 「Dr.」
5. 「会心劇」
6. 「ふりをした。」
7. 「迷い子」
8. 「ホームシック」
9. 「sister」
10. 「ナンセンス文学」
11. 「ドラマツルギー」
12. 「あの娘シークレット」
13. 「アンビバレント」
14. 「羊を数えて」

~アンコール~
15. 「惑星ループ」
16. 「ラストダンス」
17. 「お気に召すまま」

 

Eve アーティストページはこちら

 

 

■夢子
音楽好きのアニメ・ゲームオタクとして、mora内ブログやTwitterにしばしば出没。
ペンネームにも表れるファンキーな観察眼が特徴的だが、真面目なレポートも執筆できる。