【連載】「FLOW×mora ~アニメ縛り~」第4回(全5回)
「FLOW×mora ~アニメ縛り~」連載の第4弾更新!
今回のテーマは「~ドラゴンボール/べるぜバブ/サムライフラメンコ/デュラララ!! 縛り~」!
『ドラゴンボール』を見て育ってきた世代だからこそ感じた喜びと恐怖など『ドラゴンボール』への熱い思いなどが満載です!
ライター大窪由香
── 現在、対バンツアー“FLOW THE PARTY 2018”真っ最中のFLOWですが、今回は2013年にリリースしたシングル「HERO 〜希望の歌〜/CHA-LA HEAD-CHA-LA」から伺いたいと思います。国民的アニメ「ドラゴンボール」の劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』の主題歌と劇中歌を担当されたわけですが、それを受けた時はどんな気持ちだったんでしょう?
TAKE 「俺たちの体の半分は仙豆でできてますから」
KEIGO 「体の半分が仙豆だったら、すんげえ体力あるじゃん。超回復する(笑)」
TAKE 「ほんとに『ドラゴンボール』を見て育ってきた世代、ドンピシャですからね。13年ぶりのオリジナル映画ということでお話しをいただいたんですけど、ほんと最初は断りたかった。話がでかすぎて(笑)。『CHA-LA HEAD-CHA-LA』をリアレンジするなんて、神への冒涜みたいなもんですから」
KEIGO 「だってね、自分だったら影山ヒロノブさんの歌を聴きたいもんね」
TAKE 「聴きたいよ、影山さんで。そこをね、体が半分仙豆でできてたんで、頑張れるかな?って、ほんっとに頑張りました。超頑張りました。まじで」
── リアレンジするにあたって、FLOWに求められたことはどんなことだったんでしょう?
TAKE 「『ドラゴンボール』自体も世代が変わって、時代も変わって、新しくしていきたいっていう思いがアニメ制作の方たちの中でもあって、そういうところで新しい今の『CHA-LA HEAD-CHA-LA』にしてほしい、みたいなところもあったので、その頃の時代の主流みたいなものを取り入れて、エレクトロパンク的なアプローチから4つ打ちのダンスサウンド、ちょっと踊れるような感じにアレンジしました。これをやれたってことが非常に光栄ですよ、我々世代は」
KEIGO 「ほんとにそれしかないです。まさかやれるなんて思ってなかったし、やることも確かに怖かったし。だけど思い切って最後にみんなで一つになって『ドラゴンボール」っていう作品に携われたのは、本当に嬉しいの一言に尽きます。」
TAKE 「エンディングの演出もよかったよね。パラパラ漫画みたいな映像で子供の時の悟空を振り返るところで我々の『CHA-LA HEAD-CHA-LA』がかかって。泣きましたよ。最初に見させてもらった時は」
KEIGO 「自分たちの世代がドンピシャな作品をやるなんてことないじゃないですか、ほとんど。その作品が現役で生きてないといけないわけだから。それはほんとにすごいことだなと思います」
KOHSHI 「『HERO 〜希望の歌〜』の方なんかは、悟空を何回模写したんだろうって、自分の小学生時代を思い返しながら。やっぱりヒーローは悟空だなという思いで歌詞は書きましたね」
GOT’S 「これをやることによって、いろんな人に会えてよかったなと思います」
KEIGO 「野沢雅子さんとかね」
GOT’S 「試写会の時に、すげえみんな見てる!と思ったよね。影山さんもここ何年かでご一緒する機会もあって、そこで僕らの演奏で一緒に歌ってもらったりして」
TAKE 「それもすごいことだよね。いろいろ全部引き寄せたよね。ドリカムですよ。夢が叶った!って。昔の自分は夢にも思わなかっただろうな、影山さんと一緒に演奏するだなんて。まさにこの二曲が俺たちにとっての神龍(シェンロン)でしたね」
KEIGO 「ちょっと何言ってるかわかんない(笑)」
一同 「アハハハハハ!」
IWASAKI 「みんなが言ってるように恐怖感はすごかったですよ。評価がどう下されるのかって。影山さんの方を聴きたいなと自分らでも思ってたぐらいやから、それを覆して新しい提示をするっていうのはなかなかハードルが高かったし。でも、影山さんとご一緒させていただけるようになったことも含めて、やってよかったなって思いますね」
── 続いて、2011年リリースの「Hey!!!」はアニメ「べるぜバブ」(日本テレビ系)のオープニングテーマでした。これまでのFLOWの楽曲とは、手触りのちょっと違う感じがしたんですが。
TAKE 「柔らかかったですか? 硬かったですか?」
GOT’S 「ざらついてる感じですよね。この曲のデモは確か、シカゴに行ってた時に聴いたんですよ。アレンジがすごく変わってきて、面白いなと思った。それがさっき言ってた、今までと違う感触だったんじゃないかと。確かに、アレンジャーさんが入って結構変わった一曲だなという印象が僕にもあって。あと、この辺から新しいエンジニアさんを入れるようになってきて、ネクストショーがここから始まった、みたいなところはありますよね」
IWASAKI 「この曲はFLOWの中ではロックンロールテイストな曲というか、そういう方向性だったので、自分的にはすごく気持ちよくやったかな。ざらつく感じとかもそういうところからきてるんじゃないですかね。シンプルだけど伝わる感じになってると思います」
TAKE 「主人公がちょっと破天荒なヤンキーだったり、そこに赤ちゃんが出てくるドタバタの学園ものが『べるぜバブ』なんですけど、そういうはっちゃけた感じがいいのかなと思って。それで、アニメのオープニングでロックギターのピックスクラッチから始まるって面白いかなと思ったんですよね(笑)。たぶん今までにないだろうなっていうので、そういう破天荒な感じのノリノリの曲になるといいなっていうのがありましたね」
── 歌詞の言葉のチョイスも面白いですよね。
KOHSHI 「まず“ベイベー”は入れようかなと(笑)。あとこの時はちょうど震災の後ぐらいだったので、それもメッセージ的には盛り込んでいるんですよ、バンドとして。テーマとしては震災で感じたこととか、ここから立ち上がっていこうよ、みたいな、そういう曲になったらいいなという思いでした」
KEIGO 「アニメの色も、これまで僕らがやってきたアニメの色とは違って、ちょっとはっちゃけたところもあって、自分たちのバンドの色みたいなものを出しやすかったのかなと思いますね。MVも含めて、いろいろはっちゃけさせてもらった曲だなと思います」
── アニメ「サムライフラメンコ」の第2クールオープニングテーマ、「愛愛愛に撃たれてバイバイバイ」は、スカ調の軽快なナンバーで。
TAKE 「これはスカパンクですね。深夜のアニメ枠でスカパンクが流れたら面白いだろうって、絶対にスカにしてやろうと思って作りました。agehaspringsの玉井(健二)さんにガッツリ入ってもらって、歌詞やアレンジを膝付き合わせてやらせてもらった一曲です」
KOHSHI 「(玉井)師匠のアドバイスがでかくて。ほんとに二人で作ったような作詞作業でした。『サビでずっとアイアイアイアイ言ってるようなやつ面白くない?』って言われて、『結構韻踏むの得意なんで、ちょっとやってみます』って言って、ああいう形になったんですけど。かなり面白い、FLOWとしては新しい曲になったなと思います」
KEIGO 「出来上がった後、すげえライヴ曲になったなと思いましたね。ほんとにライヴで盛り上がるし、自分たちもやっててアガるし。あと、このアニメでガヤ声優の体験をさせてもらったのが貴重でした。アニメの世界を制作の過程から体験させてもらえて、こうやってアニメは作られるんだ、声優さんはこうやって声を入れていくんだ、っていう現場を見れたのは大きかったですね」
GOT’S 「ほんと、ライヴで盛り上がりますね。『GO!!!』より盛り上がってるんじゃないか?って感じる時もあるし。アニメ好きな人の中でも、特にこの曲が好きだって言ってくれる人がいて、それがすごく嬉しいですよね。『GO!!!』に変わる新しいものを見つけた感じがして」
IWASAKI 「この曲はギターリフから始まる高速ナンバーなんですけど、このテンポでの裏打ちはわりと大変でしたね。ピッチをうまくはめていくのが。その後のBメロからサビに向かって、きっちりとやろうとすごく意識したのは覚えてますね」
── もう一曲、「Steppin’ out」はアニメ「デュラララ!!×2 結」のオープニングテーマでした。この曲は展開の多い曲ですね。
TAKE 「これはGARNiDELiAのtokuさんがぶっこんできました(笑)」
IWASAKI 「こんなアレンジきましたって、みんなで移動の途中のサービスエリアで聴いたもんな(笑)」
TAKE 「移動中にデータがパソコンに送られてきて、とりあえずこれは全員に早めに確認して戻さないと危ねえな、途中ワルツだぞ、って(笑)。でもいまの世の中いっぱい曲があって、普通にやっても流れていってしまう中で、どこか毒というか違和感のある感じがいいなっていう話をtokuさんとしていて。『デュラララ!!』の作品自体も、池袋の日常の中にあるんだけど、そこに普通に首のない人がいたり、ものすごい青春群像劇なんだけど、独特の世界観をもっているから、そういうところを曲に落とし込めたらいいなってところで制作しました」
── アニメのタイアップって、そういう新しい挑戦もしやすかったりするんですかね?
TAKE 「そうなんですよ。作品とコラボしなければ絶対になし得なかったアレンジやアイデアは必ず出てくるので、そこが面白いと思うんですよね」
KOHSHI 「歌詞は、それまでの作品をちゃんと見て、池袋なんだっていうところから、不思議な世界観に曲が合ってるなと思いつつ。初めてやることって未知の世界じゃないですか、だけど後ろを見ずに進んで行こう、みたいなメッセージが盛り込めたらいいなって書いた気がしますね」
GOT’S 「tokuさんが作ったボーカロイドの曲をすげえ昔に買ったことがあって。なにかのイベントでかかってた時に、『僕が作ったんです』って言われて、それ以来仲良くなりましたね」
IWASAKI 「この曲はサビがソカのリズムっていう初めての曲で、デモの段階はもっとシンプルだったんですけど、こういう状態でtokuさんからあがってきて、わりと難しかったですね」
KEIGO 「出会うアニメによって新しいものが生まれてくるなっていう、まさにそのど真ん中な曲で、いろんな挑戦も含まれているし、それを自分たちの中でもちゃんと消化していて、こういう曲とともにライヴを重ねて成長できているんじゃないかなと思いますね」
★ 今回のご紹介作品 ★
HERO ~希望の歌~/CHA-LA HEAD-CHA-LA
劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』主題歌/劇中歌
※ハイレゾは「FLOW ANIME BEST 極」に遷移します。
次回 第5回は3/26更新!
ラストは全ての始まりであるあの作品縛り!
お楽しみに!
「FLOW×mora ~アニメ縛り~」連載まとめページはこちら
FLOW information
★ 【情報1】3/7リリースのベストアルバム「FLOW THE BEST ~アニメ縛り~」よりジャケット写真が到着!
今回のジャケットは、アニメやゲームなどの象徴的玩具でもあるカプセルトイ(ガチャガチャ)をモチーフに、中には数多くのFLOWの歴代ジャケット写真バッジが入っています。
初めてのアニメタイアップ曲「GO!!!/2004年」から、最新シングル「Howling/2018年」(FLOW×GRANRODEO)まで揃いも揃った23曲!
次は何が出てくるのかワクワクしながらガチャガチャを廻す高揚感を醸し出すジャケットが完成!