fhana New Single「コメットルシファー ~The Seed and the Sower~」発売記念 スペシャルインタビュー!

10月より放送を開始し、ファンタジーとSFの混じりあった世界観、ロボット、そしてストレートなボーイ・ミーツ・ガールの物語が好評をもって受け入れられているアニメ『コメット・ルシファー』。オリジナルアニメならではの、新しい世界へと踏み出すワクワク感をこの上ない形で盛り上げてくれるのが、fhánaの手がける主題歌コメットルシファー 〜The Seed and the Sower〜」です。三人のサウンドプロデューサーを擁する同ユニットならではの作り込まれた音になっているとともに、今年初めの1st アルバム『Outside of Melancholy』発売以降、多くのライブを経験してきたことによる「バンド感」も封じ込められている今回の楽曲。この快作が生まれた背景と経緯、またアニメ本編のテーマに寄り添う、揺るぎない職人気質も垣間見える、素敵なインタビューになりました。ぜひ音源をダウンロードして、一緒にご一読ください!

 

yuxuki waga作曲のライブ映えする一曲「c.a.t」を収録

[アーティスト盤]

ハイレゾ / 通常

『コメット・ルシファー』イメージソング「コスモスのように」を収録

[アニメ盤]

ハイレゾ / 通常

※表題曲はどちらのバージョンでも同じです。

 

 

――今年はアニサマや海外公演など、大舞台を経験されたと思うのですが、グループ内の意識として何か明確な変化はありましたか?

佐藤:海外のことをより身近に意識するようになったと思います。あとは、お客さん含め、色々な人たちの期待に応えなきゃな、という気持ちが強くなったと思います。
yuxuki:自分たちの事を知ってくれている人が増えていることを強く感じるとともに、一人ひとりにより深く届く曲を書き、演奏をしていきたいとも感じています。また、現状に満足せず、新たな層にも自分たちの音楽が伝わるよう努力していきたいとより思うようになりました。
kevin: 以前よりも、多くの人に曲が届いているんだなと実感しています。 その結果、これまでよりも更に自分達の外側の世界へ向けた曲作りを意識するようになりました。
towana:グループとしてもわたし個人としても、これまでに比べて意識がより外に向くようになったと思います。ライブに来てくれた方にどうしたら楽しんで帰ってもらえるだろう、ということをより考えるようになりました。

 

――今回の表題曲についてお訊きします。そんな大舞台も共にしているサポートメンバーの方と録っていることもあり、非常に「バンド感」がある仕上がりになっていると思います。多くのステージをこなすことで、制作面にも影響があったと感じますか?

佐藤:サポートメンバーの方々との一体感も出てきたし、信頼関係も構築されてきましたね。制作面では、最初に打ち込みでデモを作っている段階から、それぞれのプレイヤーの特徴をイメージするようになったし、逆に、いざレコーディングのときには、ある程度プレイヤーに任せられるようになってきたと思います。
yuxuki:メンバー、サポートメンバーのどちらとも、それぞれの持つグルーヴ感を以前より理解し、感じられるようになったとともに、自分たちらしい、バンドの持つグルーヴを音源でも表現できるようになってきたと思います。特殊な編成ではありますが、「バンド感」はしっかりと大事にしていきたいと思っています。

 

――生楽器とシンセ音のミックスをこれまで以上に重視した仕上がりになっているとも感じます。今回OPに起用されているアニメ『コメット・ルシファー』は、ロボットものでありながら「土臭い」感じもするというか(主人公も鉱物好きという設定ですし)、そういうところも反映しているのかなと個人的には感じたのですが、どういったイメージから今回のような音作りになっているのでしょうか。

佐藤:それとはちょっと違うのですが、今回は「アニソン」というジャンルをあまり意識せずに、初期衝動的に、学生時代にバンド活動をしていたときのような気持ちで作りました。しかし、何故そうやって自由に作れたのかというと、この作品が、ジュブナイルでボーイ・ミーツ・ガールな物語であり、もともとの自分の好みや趣向と一致していたからですね。

 

――オリジナルアニメのOPを担当されることは初めてと思いますが、どんなところに心を配りましたか(たとえば、最初の「ふわーーーっ」という一音が非常に印象的で、「これから何か新しい世界が始まるぞ!」という期待を抱かせます)。映像とのシンクロも素晴らしいですが、アニメスタッフの方々と事前に打ち合わせなどあったのでしょうか?

佐藤:まさに、イントロ部分は、「これから新しい世界が始まるぞ!」というワクワク感を表現したいと思いながら作っていました。映像チームとの打ち合わせはとくになかったですが、バッチリだったと思います。
kevin: 楽曲のスピード感を増すような、ソリッドでエッジの効いた音を意識的に作っていきました。 OP映像に関する打ち合わせはなく、放送日になるまでどのような映像が付くかは分かりませんでした。 しかしながら、楽曲を作る上で必要な資料(脚本、キャラクター設定、絵コンテなど)はいただいていたので、それらを元に世界観を構築していきました。

 

――まるで劇場アニメのような世界観の広がりを感じさせる楽曲になっています。段階的に盛り上がっていくサビが他のアニメOPと比べても非常にドラマチックですが、ここにも初のオリジナルアニメのOPという思い入れがあるのでしょうか? また、そのサビ部分では男声コーラスが多重的に聴こえますが、メンバーの皆さんが全員で歌っていらっしゃるのでしょうか。

佐藤:確かにワンコーラスのなかにかなり詰め込まれてますね(笑)。これは半分は好みで、半分はアニメの世界観の反映を考えてのことです。趣味だけで作っても独りよがりになるし、かといって完全に作品に合わせて作るだけでも、面白い曲にはならないと思っています。自分のもともと持っている感性と、作品の世界観が、上手くハマるバランスやアイデアを常に探しています。サビのコーラスは全て僕です。

 

――『コメット・ルシファー』は「ロボットもの」でもありますが、過去の「ロボットもの」もしくは「SFもの」のOPを意識することはありましたか?

佐藤:特に意識してないですが、ジュブナイル作品の主題歌を作れるということは嬉しかったです。個人的には、ジュブナイルものでは『ふしぎの海のナディア』、ロボットものでは『機動警察パトレイバー』が好きでした(笑)。
towana:歌を歌う時にはロボットものであるということは特に意識はしませんでした。ロボットものでもありますが、ボーイミーツガールでもあり、作品全体が爽やかな雰囲気なので自然にfhánaの音楽とマッチしていると思います。

 

――ずばり、曲題がアニメのタイトルそのままになっていますが、これはどのような経緯からなのでしょうか? また、副題にはどのような意味合いを込められたのでしょうか。 そしてこれは個人的にとても気になるのですが、なぜアニメのタイトルには中点(・)があるのに、楽曲タイトルにはないのでしょうか?

佐藤:曲タイトルがアニメタイトルなのは、作品に対する最大限のリスペクトですね。副題は、「種と種を蒔く人」という意味で、作品のストーリーとも関係しています。今は詳しくは言えませんが、OP映像でもタンポポが飛んでいたり、副題との関連性も意識しながら見ると楽しめるかもしれません。もうひとつは、fhánaの音楽の種を世界中に蒔く、というような想いも込めています。中点はあまり意味はありません(汗)。

 

――今回のリリースは「アーティスト盤」と「アニメ盤」の二形態となっておりますが、どのような違いがあるのでしょうか? また、それぞれの聴き所もあれば教えてください。

kevin: 収録楽曲が違うことに加え、アーティスト盤は「UHQCD」という、ハイクオリティなプレス方式が採用されています。 これによって、CDプレイヤーなどで再生する際に、通常のCDよりも高音質な音楽を聴くことが出来ます。 ぜひ、音の細部まで聴き込んでみて欲しいですね。
yuxuki:まず、アーティスト盤の収録曲は、僕作曲の「c.a.t.」。こちらはライブで皆で楽しめるように作った楽曲でもあるので、是非多くの人に触れて欲しいと思います。また、アニメ盤は『コメット・ルシファー』のイメージソングの「コスモスのように」が収録。どちらの楽曲もfhánaとして新しい試みになっていると思いますので、是非どちらも聴いていただきたいです。

 

――アニメの公開に先駆けて公開されたイメージソング「コスモスのように」では、『天体のメソッド』や『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』でも同じ作品に携わった加藤達也さんとの共作となっています。作曲段階からの共作は今回が初めてだったかと思いますが、どのようなやり取りを経て今回の楽曲が生まれたのでしょうか?

佐藤:具体的には、加藤さんが10小節のスケッチ的なメロとコードを先に作り、そこから先の展開やイントロなどを僕が作りました。通常のポップスの構成やコード進行ではない作りなので、試行錯誤しつつ。そうやってメロディとコードが出来上がったら、加藤さんがストリングス・アレンジを行ない、fhánaが他の楽器やリズム系のアレンジを行ない、最後に僕がミックスしつつまとめて完成しました。
towana:共作のメロディを歌うのは初めてだったので、とても新鮮な体験でした。過去に加藤達也さんがアレンジした曲を歌ったことも思い出しながらレコーディングしました。fhánaだけでは出来なかった新しいタイプの曲になったと思います。

 


 

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