【インタビュー】池田昭子の名演ハイレゾベストが配信開始~ワン・ポイント リアル・ハイレゾ 池田昭子ベスト~

本日より、「ワン・ポイント リアル・ハイレゾ 池田昭子ベスト」が配信開始となりました。

ソリストとして、またNHK交響楽団奏者として高く評価されるオーボエ・イングリッシュホルン奏者の池田昭子さん演奏のハイレゾ・オリジナル音源から名曲をセレクトしたという逸品です。

試聴・購入

ご存知の方も多いかもしれませんが、オーボエはわずか0.2ミリの2枚のリードを振動させ響きを得る楽器です。演奏だけでなく、そのリードの取り扱いや奏者ごとの調整も、非常に神経を使うと聞きます。そうしたオーボエの繊細で美しい音こそ、ぜひとも高音質で聴きたいですよね!

今作に収録された音源はどれも、ハイスペック・マイクロフォンによるワンポイント・レコーディングにて収録されていますので、奏者の息遣いや演奏の機微をこれ以上ないというほど感じて頂けるはずです。

そしてこの度、池田昭子さんご本人にメールインタビューを依頼したところ、快く応じて頂けました!

moraからの質問は比較的シンプルではありますが、それぞれに丁寧にご回答頂けましたので、本作を聴くだけでなく、オーボエの演奏に触れるガイドとしてもお楽しみ頂けるのではないかと思います。

早速、下記よりインタビュー記事をご覧ください。

 

池田昭子さん メールインタビュー

―― まずは、池田さんとオーボエとの出会いについてお伺い出来たらと思います。

中学で吹奏楽部に入部する際に第一希望フルート 第二希望クラリネット 第三希望オーボエと書いたら、そのままオーボエの先輩のところに連れていかれたのが最初です。

 

―― オーボエの魅力や、逆に苦労する点は?

魅力は音色が美しいところ、音の密度が高いので、爽やかに聴かせるのは難しいのですが、特に切ない感じや、絞り出すような生々しい感情表現が得意な楽器です。

 

―― 長く付き合ってこられたオーボエという楽器やオーケストラでの演奏が、ご自身の性格や考え方に影響していると感じる事はありますか?

性格はやや目立ちたがりなので、そういう意味でオーボエという楽器は自分にとてもよく合っていて、長く付き合っていて苦ではありません。
またリード(楽器の吹き口)を自分で作ったり調整が難しいのですが、そういうなかなか思い通りにいかないところも、飽きっぽい自分の性格にはぴったりで、毎回違う表情の音色を楽しんでいます。
オーケストラも、然りで、同じ曲でも同じメンバー、指揮者、ホール、季節、であることは一度もなく毎回うまくいったりいかなかったり、飽きなくて面白いです。

 

―― 楽器演奏とは別に、趣味等はございますか?またそれらが演奏に影響を与えることはありますか?

最近ピラティスを始めました。体を正しく使うことで演奏が楽に感じられ始めたところです。
あとは、たくさん時間があれば、例えば移動の新幹線のなかでは読書をします。
インテリア雑誌をみるのもとても好きです。

 

―― 「のだめカンタービレ」で演奏の吹き替えをされていた事でも有名ですが、その際のエピソード等がございましたらお聞かせ下さい。

のだめの漫画にも唯一実在の人物で登場されますが、指揮者のデプリーストさんとの共演は忘れられません。東京都交響楽団のみなさんから素晴らしい音を引き出されてらして、私も気持ちよくそこに乗せていただきました!ピンクのモーツァルトをどうやって演奏するか最後まで迷っていたのですが、『ラフマニノフのように!』というデプリーストさんの一言でばちっと決まりました。

 

―― 収録楽曲は、無伴奏や五重奏など様々な編成で演奏されています。
編成によって聴きどころをお聞かせ下さい。

無伴奏はオーボエ本来の音質や音圧、息づかいなどが感じ取っていただけるのではないかと思います。
木管五重奏は、5人がすべて違う楽器ということがあり、かなりの組み合わせのハーモニーをまるでオーケストラのように楽しんでいただけます。アレンジの曲もありますので、オリジナルとの違いもお楽しみください。
バロックのCDは名曲を集めていて、共演者も素晴らしい方ばかりです。穏やかな曲調のものが多いので、耳に柔らかく届きます。ゆっくり心を休めたい方におすすめです。

 

――普段どのような環境で音楽を聴かれていますか? リスニング時の音質に拘りはありますか?

自分の練習室で、BoseのコンパクトCDプレイヤーで聴いています。特にこだわりはありませんが、ヴァイオリンやピアノのCDをよく聴くのでそれらがよい音色で聴けたらいいなと思います。

 

――最後に、このインタビューをご覧になっている皆様に一言お願いいたします。 

いろいろな楽器の組み合わせや時代で表情を変えるオーボエの音色を、またこの10年で少しずつ変わってきた私自身の音色も比べていただけたら面白いかと思います。是非ご自身のお気に入りの一曲(二曲でも!)見つけてみてください。

 

―― この度はお忙しいところ誠にありがとうございました!

池田昭子さんご本人より、オーボエの魅力や趣味に至るまで様々な話題をお聞かせ頂きました。本稿も想像を巡らせる一助としながら、彼女が残してきた名演をぜひ高音質で味わって頂ければと思います。

 


~Profile~

池田 昭子  -オーボエ-     
 東京藝術大学卒業。卒業時に皇居内桃華楽堂にて御前演奏を行う。広田智之、小島葉子、宮本文昭、フランソワ・ルルーの各氏に師事。 
 第4回津山国際総合音楽祭ダブルリードコンクール、第13回日本管打楽器コンクール、オーボエ部門共に第1位。1997年から2002年まで東京交響楽団に在籍。2000年文化庁在外研修員として、ミュンヘン、リヒャルト・シュトラウス音楽院に留学。2004年NHK交響楽団に入団。
 2008年デビュー・アルバム『カプリッチォ』を皮切りに、ソロ・アルバム7枚をリリース、いずれも好評を博す。またアンサンブル活動も盛んで、木管三重奏「トリオ・サンクアンシュ」で2枚のアルバムを発表している。
 また近年では、「のだめカンタービレ」テレビドラマ版で登場人物(黒木)の吹替えやオーボエの演奏指導なども行った。
 現在、NHK交響楽団オーボエ奏者、トリオ・サンクァンシュ・メンバー、紀尾井ホール室内管弦楽団メンバー。東京藝術大学非常勤講師。上野学園大学非常勤講師。

池田 昭子 参加作品の試聴・購入はこちらから