THE BLACK COMET CLUB BANDインタビュー&コメント動画到着

10年振りの復活を果たした伝説のバンドZIGZO、自身のバンドであるnil・THE JUNEJULYAUGUST、そしてシアターブルックの佐藤タイジとのインディーズ電力など、活動の幅を広げ続ける高野 哲が、2015年にツイン・ドラム ロックバンドTHE BLACK COMET CLUB BANDを結成。
メンバーに小林 勝(ベース:ザ・クロマニヨンズ,nil)、風間 弘行(ドラム:nil)、梶原 幸嗣(ドラム:REDЯUM,THE JUNEJULYAUGUST)、佐藤 統(ピアノ:opening,MAOW,THE JUNEJULYAUGUST)を迎え、始動直後から「RISING SUN ROCK FESTIVAL」「中津川 THE SOLAR BUDOKAN」等、大型フェスティバルへの出演を果たした。
同年10月、1st Album「THE BLACK COMET CLUB BAND」をアナログ・CD同時リリースし、直後のツアーでは唯一無二の存在感を放った。
そして2016年、ニューロティカ、勝手にしやがれ、TRI4THらを迎えた自主企画シリーズ”ZONE”を新宿LOFTにて4ヶ月連続で行い、勢いそのままに2nd Album「El Camino,El Dorado」をリリース。
今回のニューアルバム「El Camino,El Dorado」はハイレゾも同時リリースという事で、聴きどころ、ハイレゾという新しい音楽フォーマットの登場について率直に語って頂きました。

9/7リリース「El Camino, El Dorado」

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2つ組み合わせたら面白いんじゃないかなって

 

—「ツインドラム」って、聞き慣れないバンド形態ですよね。「ツインギター」ですと、ハードロックやメタルといったジャンルでイメージもつくのですが。

 

高野 哲:そうだね。アイアンメイデンとか浮かぶよね。日本のロック・シーンだと、ヴォーカル/ギター/ベース/ドラムをセパレイトした4人編成か、ヴォーカル・ギター/ベース/ドラムのトリオが多いし。

 

—そのヴォーカル・ギター/ベース/ドラムのnil、ベースレスでヴォーカル・ギター/ピアノ/ドラムのTHE JUNEJULYAUGUSTと、皆さんが属しているバンドを合体させたのがTHE BLACK COMET CLUB BANDとなりましたが、2つのバンドを組み合わせること自体も珍しいですよね。

 

高野 哲:まず、オレがnilでもTHE JUNEJULYAUGUSTでも作詞/作曲をして歌も歌っている。そのオレを介した2つのバンドを合流させたらどうなるんだろう?っていうくらいのところから始まってて。もし、THE JUNEJULYAUGUSTがベースレスじゃなくてドラムレスだったら、「ツインベース」になっていた可能性もあるよ。

 

—結果的に「ツインドラム」の形態だったけれど、その形態を望んでいたわけではないんですね。

高野 哲:動機としては、2つ組み合わせたら面白いんじゃないかなってところだからね。

 

—そして昨年からスタートしたTHE BLACK COMET CLUB BANDですが、2年目に突入したということは、実際にこの組み合わせが面白かったということですね。

 

高野 哲:もちろん。正確には「うるせーな」だったけど(笑)。

小林 勝:ホントそう。ステージの上だと、すごい音がしてて。

高野 哲:楽器の性質上、ドラムの2人は普段と変わらないかもしれないけど、ステージに立っているフロントの3人は、いつもより2倍うるさい(笑)。

小林 勝:ドラム2台があるってさ、今までセッションとかでしかなかったからさ。

高野 哲:でも、セッションとかだと一過性だし、ステージでの覚悟も違って、その瞬間を楽しむ感じがあるから少し違うよね。バンドだと、ちゃんと構えるのもあるし、2人とも「音がデカイ」っていうドラムだったから、そりゃ倍になるよね(笑)。2人が合わさると、1.3倍くらいのイメージだったんだけど(笑)、1+1は2なんだってことを知った。

小林 勝:ステージだと、それが2以上に感じるけどね。

高野 哲:そう。でも、1+1は2じゃなくて無限大だぜって話じゃないからね(笑)。

 

ハイレゾ音源だと、よりその空気感を感じてもらえる”

 

—2nd Full ALBUM「El Camino,El Dorado」は、ハイレゾ音源でも同時リリースとなります。スタジオで録音したマスターに、より近い形で届けられることになりますが、音作りのこだわりを教えてください。

 

高野 哲:音作りというか、それぞれ楽器同士の間には隙間があって、それも含めて曲だったり音楽だったりするじゃない。THE BLACK COMET CLUB BANDはドラムが2台あるけど、ドラム単体だけで聴くとそこまでレンジ感は広くないし、ギターでもソロ以外はそこまで歪ませてないのは、そういう隙間の空気感がある音が好きだからなんだよね。ハイレゾ音源だと、よりその空気感を感じてもらえるんじゃないかな。

小林 勝:ブレス(息遣い)まで良く聴こえると思うよ。だからヘタクソがバレち
ゃう(笑)。

高野 哲:(笑)。ドラムとか歌の生楽器は特に深い感じが出るんだろうね。

 

—生々しさが増幅されるかもしれませんし、それを良い音というよりも、臨場感と呼べるもので届けられるんでしょうね。

 

小林 勝:そうだね。ただ”良い音”っていうよりは、そういう表現の方が合ってると思うよ。”良い音”なんて、人それぞれ違うからね。ローファイが好きな人はその音が良い音だって言うしさ。

高野 哲:そうだよね。ナチュラルな音でやってると「音が悪い」って言われたりもするくらいだからね。迫力がない=音が悪いって定義する人だっているし。ホント、人それぞれだけど、ハイレゾの音が好きな人だっているわけだから、そういう人に届けば良いと思うよ。

 

良いものを残していく”

 

—音楽の届け方という観点で、従来のCDやレコード、MP3などの配信に加え、今回のハイレゾように、新たな届け方ができるというのは、ミュージシャンにとってもウェルカムなことでしょうか?

 

高野 哲:うーん、複雑だね。

小林 勝:そうだね。未だにレコードの音が良いと思ってるし、俺自身がまだ追いついていないっていう部分もあるし。

高野 哲:例えばさ、俺はMP3で多少音が悪かったとしても、お手軽感という部分で完結してたんだよね。そのお手軽に加えて、音質が上がることは良いと思うけど、さっきレコードの音が良いって言ってたように、それだったら生演奏だろうなって思うから、複雑っていうことね。

小林 勝:音楽を聴くフォーマットは、好きなものを選べば良いだけの話だから、音楽を好きになる選択肢が増えるきっかけになれば良いんじゃないかな。今回のアルバムの生々しさで気に入ってくれたら、生演奏が聴きたくなるだろうし。

高野 哲:そうそう。昔さ、初めてCDを買って手にしたとき、すごい未来を感じたんだよね。それまで聴いていたレコードと比べると、コンパクトだし早送りも簡単だし。今の人からしたら、そういう未来を感じる部分なのかもしれないよね。今はファイルで聴けてしまうから、CDやレコードみたいに所有感以外の部分で、こういう違いを見出すんだろうし。

小林 勝:ファイルだと、ジャケットの大事さとかは難しいよね。

高野 哲:うん。変な話だけど、MP3ってファイルを消しちゃっても「まあ仕方ない」って思えることまで含めて、俺の中でお手軽だったのね。だとしたら、ハイレゾもその域まで行ければ、お手軽のメリットのまま音質が上がるってことになるから、そういう部分で普及していけば良いんじゃないかな。そうすれば、今の中学生がハイレゾを聴いたときに、「うわっ!スゲエ未来が来た!」って、当時の我々がCDで思ったのと同じように感じるかもしれないし。

 

—その時代・時代に合った音楽の残し方もあるでしょうしね。

 

高野 哲:まぁ、俺らにも良いものを残していくっていう、我々世代の責任があるからね。CDやレコードのフォーマットを残したまま、届け方や楽しみ方の1つとして、ハイレゾがあれば良いんじゃないかな。


そして、mora だけの動画コメントも到着!! 大人の男らしく、食事について熱く語ってくれました。

 

 

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