『BLUE GIANT SUPREME』作者・石塚真一さんインタビュー
『BLUE GIANT』という漫画をご存じだろうか?
仙台在住の高校生、宮本大が世界一のジャズ・サックス・プレイヤーを目指す音楽漫画で、現在は『BLUE GIANT SUPREME』とタイトルを改め、ドイツを舞台とした続編が小学館「ビッグコミック」で連載されている。
漫画でありながら実際に音が聞こえてくるような迫力や情熱あふれるストーリーは評価が高く、昨年の小学館漫画賞や第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞したほか、数々の著名人が絶賛の声を送っている。
その『BLUE GIANT SUPREME』が名門ジャズ・レーベルBLUE NOTEとコラボしたコンピレーションアルバムのハイレゾ音源が本日よりmoraで配信スタートした。
アルバムは“ストーリーの主人公=宮本大が愛する名曲”をコンセプトに、BLUE NOTEの歴史を彩った名曲8曲を収録した充実した内容となっている。
また本作の発売に際し、『BLUE GIANT SUPREME』の作者である石塚真一さんにメール・インタビューを敢行した。原作のファンの方はもちろん、ジャズに興味はあるけど何から聴いたらいいか分からない方には是非読んでもらいたい。
――ジャズとの出会い、ジャズにハマったきっかけについて教えてください
学生の頃、友人がサックスを吹いていて、しかも”ソロ”を吹けたんです。その時から”ソロ”と”JAZZ”に興味を持ちました。JAZZの「自由さ」に強く憧れたんだと思います。
そして友人の持っていたソニー・ロリンズのレコードを聴いた時、「ジャズって凄い」と心から思いました。「ジャズプレーヤーはかっこいい」という図式ができたのはこの時です。
――お気に入りのジャズアルバムは何ですか?
好きなジャズアルバムは本当に沢山あります。激しいのから静かなものまで…。あえてあげるなら
Joshua Redman / Passage of time
といったところでしょうか。
――どのような経緯でジャズ漫画を描くことになったのですか?
シンプルな答えですみませんが一言で言うと「ジャズが好きだから」です。
そして、その好きなジャズをもっともっと多くの人達、特に若者達に触れて欲しい、そのきっかけになってくれればという気持ちでスタートしました。
――若い人やジャズ初心者の方に、ジャズのどこに注目してもらいたいですか?
若者にとって”カッコ良さ”はいつだって重要なことだと思います。そのカッコ良さの中に、できれば筆頭に、ジャズを入れて欲しい。
ジャズプレーヤーでもない僕が言うのはおこがましいことかと思いますが、若者達に、「ジャズは大人の音楽だけじゃなくて、僕たち、私たちの音楽なんだ」って思って欲しいのです。
なので今僕は、色々なジャズの持つ良さの中でも、”激しさ”と”自由さ”、その2つを若者達に感じて欲しいと願っています。
――若い人やジャズ初心者の方に、何かメッセージをお願いします。
ジャズのソロのメロディーは、楽器から放たれた順に消えていきます。
それは若い人たちの青春に似ていると思います。
“一発勝負”とでも言いますか…。やるかやらないかの局面が何度も訪れるのが青春だと思います。
僕はそんな青春の中にいる若者たちに“やる”を選んで欲しい。たとえ失敗しても、それが宝物になることを信じて前へ前へと進んで行って欲しいと願っています。
BLUE NOTE X BLUE GIANT SUPREME
<石塚真一コメント>
1:ブルー・トレイン / ジョン・コルトレーン
ジョンとカーティス・フラー、リー・モーガンの疾走するソロがたまりませんね。
2:カンタロープ・アイランド / ハービー・ハンコック
ハービーらしいグルーヴ感に満ちた曲です。
3:スピーク・ロウ / ソニー・クラーク
ジョン・コルトレーンのテーマとソロに圧倒されっ放しになるのが、このスピーク・ロウ。
4:チューン・アップ / ソニー・ロリンズ
ソニーの”自由さ”と”創造”が素晴らしい。
5:モザイク / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
テーマのカッコいい、強いドラムの代表曲。これぞハードバップ‼︎
6:フォア・バイ・ファイヴ / マッコイ・タイナー
幾何学的なピアノが冴えます。マッコイ・タイナーらしさ満載の曲。
7:ミル・デュー/ ジョニー・グリフィン
ジョニー節‼︎ 明るさとスピード感と…
8:ブラウニー・スピークス / クリフォード・ブラウン
トランペットをトランペットらしく吹けるんだな、ブラウニーは